【市場総括】
2023年6月22日の東京株式市場は反落しました。終値は前営業日比310円26銭(0.92%)安の3万3264円88銭。米国市場がパウエル議長の議会証言を前にして、様子見の売りが出たことを背景に売りが先行してスタート。下げ幅が200円を超える場面もありましたが、ウォーレン・バフェット効果は継続して力を発揮、下げる場面では外国人の買いが入ることで上げ幅を広げました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、前営業日比102ドル35セント(0.3%)安の3万3951ドル52セント、ナスダック総合株価指数も3営業日続落して、前営業日比165.095ポイント(1.2%)安の1万3502.199、S&P500指数も続落して-23.02(-0.52%)の4,365.69ポイントで取引を終えました。 パウエル議長の議会証言が市場心理を弱化させました。21日の下院証言で、年内に0.25%の利上げ2回という内容は「かなり良い予想だ」と話したことがタカ派的な内容として解釈され、売りが進みました。
打撃が大きかったのはハイテク部門。今回の上昇相場を牽引してきた分、下げもきつく、ナスダックの下落率は1%を超えました。その他、景気・消費関連株への逆風も強く、ディフェンシブ系が守りを固めました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場がパウエル議長の議会証言で揺れ、3指数揃っての下落になったことを背景に売りが先行してスタートしました。やすくスタートした後は、日本株の先高観は依然として強く、商社株への資金流入が続き、上昇する場面もありました。
上昇幅を伸ばすことには至らず、ナスダック市場の下げが意識され、半導体関連を中心に売りが広がり、33500円を再び割り込んで終わりました。米国市場同様、半導体関連、景気敏感業種が目立つ下落となりました。
金融関連が前日に続き強い動きとなりました。その他金融業、銀行業、保険業が上昇率トップ3を占めました。卸売業、電気・ガス業、建設業も上昇し、証券・商品先物取引業も上昇率10位入りを果たしました。
下落が目立ったのは景気敏感株で、電気機器、精密機器、機械、金属製品、化学などが下げました。
【日本市場のテクニカル分析】
日経の日足は上髭が長い陰線を形成しました。前日の日足に包まれましたので、形では持ち合い、天井圏で3日連続の持ち合いとなりました。5日移動平均線を割って、終値では前日に回復しましたが、本日をもって再び割っていきました。
上値が重くなる流れなので、ここから安値を割って下げ始めると、しばらく調整に入る可能性があります。ただ、それは通常の相場の話で、今回の大きな上昇相場は調整入りをことごとく次の上昇のためのジャンプ台にしてきたので、
今回も安易に下向けの方にかけるべきではありません。5月24,25、5月31日から6月1日など5日移動平均線を割ったところから起きたことを振り替えてみると、この言葉の意味がわかるでしょう。
商いは活発になり4兆円を超えてきました。東証プライムの売買代金はで4兆940億円、売買高は14億5273万株。東証プライムの値下がり銘柄数は970、値上がりは800銘柄、横ばいは63銘柄でした。
日経225は上値の重い展開に
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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日経の上値重さが目立ち始めました。テクニカル分析では5日移動平均線を割ったところは調整入りだと思わせておいて、再び切り返したと解説しましたが、今回は少し様子が異なります。
5月24,25、5月31日から6月1日など2回あった5日移動平均線割れを遡ると4月26日-27日、こちらも2日の下落の後は強く反発して、すべてが「押し目買い」のタイミングだったというのがわかります。
今回は、昨日の上昇を除けば、3日間の5日移動平均線との戦い、だんだん頭を抑えてきているのが見えてきます。
明日は金曜日なので、さらに利益確定が出やすく、もう一段の下げも想定しておくことも必要でしょう。ただし、午前中に利益確定を経て、先週のように午後から力強く上昇するなら上昇トレンド継続となるので、安心して逆張りを仕掛けるタイミングではありません。
数日間強かったグロース系、小型系には利益確定が出やすいタイミングなので、特に注意が必要でしょう。利益確定か、ロスカットの設定は忘れずに。短期的なショートを狙うなら、上昇トレンドからの転換を示唆す流製薬系に注目すると面白いでしょう。
例えば、アステラス<4503>、第一三共<4568>のチャートをご覧いただくとヒントがあります。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 33,264.88 | -310.26(-0.92%) |
TOPIX | 2,296.50 | +1.49(0.06%) |
為替
ドル・円 | 142.07 – 142.08 | -0.01(0.00%) |
ユーロ・円 | 156.34 – 156.36 | +1.30(0.83%) |
ユーロ・ドル | 1.1004 – 1.1006 | +0.0092(0.84%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 33,951.52 | -102.35(-0.30%) |
S&P500種 | 4,365.69 | -23.02(-0.52%) |
ナスダック | 13,502.199 | -165.095(-1.20%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 3.723 | +0.002 |