ホーム » 配信情報トップ » TBL NIKKEI » 日経概況 » 2023年 6月29日の日経概況

2023年 6月29日の日経概況

【市場総括】

2023年6月29日の東京株式市場は続伸しました。終値は前営業日比40円15銭(0.12%)高の3万3234円14銭。米国市場でハイテク関連株への買いが入ったことを背景に、半導体関連銘柄を中心に買いが先行。円安の動きが継続したことで、上げ幅は300円を超える場面もありました。

前日は600円以上を上げており、2営業日で1000円近くを取り戻すことになると高値圏で利益確定の売りが出始め、午後に入ると売りが広がり、上昇幅を縮小させる動きが続きました。

本日も最後までしっかりお読みください。


□□□□□□

【米国市場の動向】

米国市場は反落と続伸でまちまちな動きになりました。ダウ工業株30種平均は反落して、前営業日比74ドル08セント(0.2%)安の3万3852ドル66セント、ナスダック総合株価指数は続伸して、前営業日比36.077ポイント(0.3%)高の1万3591.750、S&P500指数も反発して-1.55(-0.03%)の4,376.86ポイントで取引を終えました。

注目のイベントはECBフォーラム。パネルディスカッションに参加したFRBのパウエル議長がインフレの高止まり、利上げの連続実施可能性などに触れる内容の発言をしたことが市場心理を悪化させました。

一方、下げ幅を拡大して170ドルまで進むと、押し目を拾う買いが入ることで急速に下げ幅を縮小、20ドル安まで戻るなど方向感の定まらない展開になりました。


□□□□□□

【日本市場の動向】

日本市場は米国市場でハイテク関連株への買いが入ったことを背景に、半導体関連銘柄を中心に買いが先行しました。円安の動きが継続したことは輸出関連、特に自動車関連への買いを誘い、上げ幅は300円を超える場面もありました。

前日は600円を以上を上げており、2営業日で1000円近くを取り戻すことになると高値圏で利益確定の売りが出始め、午後に入ると売りが広がり、上昇幅を縮小させる動きが続きました。

業種別の動きでは金融関連の強さが続き、景気敏感株の上昇も目立ちました。 銀行業が上昇率1位、精密機器、電気機器などの半導体関連が同2,3位で、強い動きとなりました。

前日に弱かった海運業は弱い動きが続いて、下落率3位、その他食料品、水産などの内需系が売られました。

海運業以外の32業種が上昇するほぼ全面高の展開。前日に続いて景気敏感株及び金融関連が強い相場でした。海運業は1日だけで利益確定におされ下落した唯一の業種となりましたが、空運業、輸送用機器、ガラス、電気機器等の景気敏感株は強い上昇となりました。

上昇率1位は証券でその他金融も上昇率6位、 機械、サービス業、その他製品、非鉄金属、ゴム製品など素材系の業種全般が上昇しました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は長い上髭を持つ短陰線を形成しました。陰トンカチと呼ばれるローソク足のパターンで、「 高値圏で出現したら下落の可能性あり」と解釈されます。

本日の安値を割り込んで下げると、6月19日高値からの切り下げが成立して、強い上昇相場は1回収束することが鮮明になります。 ただし、5月19日、6月12日のように弱い形が現れてから

さらに上昇した例が直近の動きで見られるので、安心して上昇の反対のポジションを取る戦略はまだ得策ではありません。前日からの続伸は20日移動平均線に支えられたと見ることもできるので、今回も下がる場合は、同じところで支えられるかも確認ポイントです。

東証プライムの売買代金は3兆8030億円、売買高は16億8655万株。東証プライムの値上がり銘柄数は762、値下がりは990銘柄、変わらずは75銘柄でした。


□□□□□□□□

【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

再び34,000円への挑戦か?と思うほど上昇幅が大きくなる時に、うん?と首を傾げるようになったのは、異様なほど上昇する業種が少なかったこと。もちろん、銘柄数でも値下がりの方が2割ほど上回ることになったので、その違和感はあって当然のことでしょう。

終わってみると指数は上昇したものの、上昇した業種は9、下落が24業種。一部の値嵩株が物色され、少数の株が指数を引き上げたことがわかります。上げ幅を縮小したのは心細いことではありますが、半導体や輸出関連に資金が戻るなど、

循環物色が見られるのは良いサインと言えるでしょう。指数別でみても、グロース市場の上昇率が0.51%で、スタンダード(0.0%)、プライム市場(-0.1%)を圧倒しています。

明日は月末の金曜日でリバランスに関連する売りや、利益確定の売りなど下げる要因が満載ですが、グロース株への物色が続き、午後からでもあげる場合は来週からの7月相場に期待がかかります。

もちろんその逆の場合は、夏バテ相場の入口となる可能性もあります。これからさらにグロースが物色されることも考えられるので、割安で放置されたグロース系には注目するのがよいでしょう。

□□□□□□□□□□□□

【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)33,234.14+40.15(0.12%)
TOPIX 2,296.25-2.35(-0.10%)

為替

ドル・円 144.31 – 144.32+0.24(0.16%)
ユーロ・円 157.56 – 157.57-0.23(-0.14%)
ユーロ・ドル 1.0917 – 1.0919-0.0035(-0.31%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,852.66-74.08(-0.21%)
S&P500種4,376.86-1.55(-0.03%)
ナスダック13,591.750+36.077(0.26%)

債券・金利

米10年国債(%)3.711-0.054
お買い物カゴ