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2023年 8月28日の日経概況

【市場総括】

2023年8月28日の東京株式市場は大幅に反発しました。終値は前営業日比545円71銭(1.73%)高の3万2169円99銭。米国市場がジャクソンホール会議の講演内容を受けて週末に上昇したことを背景に買いが先行してスタート。中国市場が上昇したことで上昇幅は広がりましたが、処理水放出に対して中国の姿勢が厳しさを崩さないことや、一部の不買運動が起きていることを材料にインバウンド系は厳しい動きとなりました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

週末の米国市場は上昇して一週間の取引を終えました。ダウ工業株30種平均は反発して、前営業日比247ドル48セント(0.7%)高の3万4346ドル90セント、ナスダック総合株価指数は反発して、前営業日比126.674ポイント(0.9%)高の1万3590.646、S&P500種株価指数も反発して前日比+29.40(0.67%)の4,405.71で取引を終えました。

ジャクソンホール会議で行われたパウエル議長の講演でポイントは

・インフレの抑制はまだ続ける必要がある

・そのためには追加の利上げなど金融の引き締めを続ける必要がある

市場が恐れていた「タカ派的な発言」であることは間違いないため、講演内容が明らかになった後は米国市場が下げに転じました。しばらく下げた後は、「1000ドルを超える暴落を招いた昨年ほどの厳しい内容ではない」との解釈で市場は上昇に転じました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場がジャクソンホール会議の講演内容を受けて週末に上昇したことを背景に買いが先行してスタートしました。講演内容はタカ派的な内容でしたが、米国市場が上昇して終わったことがリスクオンの姿勢に導きました。

中国市場が上昇したことで上昇幅は広がりましたが、処理水放出に対して中国の姿勢が厳しさを崩さないことや、一部の不買運動が起きていることを材料にインバウンド系は厳しい動きとなりました。

業種別の動きは33業種中、2業種のみが下落、31業種が上昇する全面高の展開。小売業、空運業などインバウンド系の2業種が揃って下落しました。陸運業も0.17%の上昇で下落に近い動きとなりました。

景気敏感業種の上昇が著しく、機械、鉄鋼、ゴム製品、電気機器、精密機器などが上昇、石油、鉱業などの原油関連の上昇も目立ちました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は短い上下髭を持つ陽線を形成しました。前日の終値から上放れしてスタート、そのまま上昇して上向きのギャップをあけました。高値が止まったところは20日移動平均線、前回の高値が形成された8月24日の高値もこの位置で止まったので、ここから抵抗に会い、下に振れられる可能性も十分あります。

前日までは転換線が上値を抑えて抵抗になっていましたが、本日は実体を持って上貫し、ただし20日移動平均線の上には基準線、さらに先行スパン1、60日移動平均線が重なっているので、強力な抵抗になる準備をしています。

商いは低調で3兆円割れが7営業日続きました。東証プライムの売買代金は2兆8936億円、売買高は10億9806万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1508、値下がりは276、変わらずは50銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

週末の市場展望で説明した通り、今週のスタートは上昇となりました。これできを緩めることなく、残りの期間は変動性の高い動きになりやすいことを覚えて起きましょう。

本日の業種別の動きで気になるのはやはり”中国関連”でした。水産物の輸入を全面中止、日本製品の不買運動、日本の店舗向けのいたずら電話など、脅迫や嫌がらせはもちろんのこと、日本への団体旅行がキャンセルされると伝わると、ANA、JALを始め、爆買い関連の三越伊勢丹、松屋などの百貨店株が軒並み下落、下落した2業種に並びました。

水産物の輸出では中国系が4割以上を占めており、日本経済への影響が懸念されますが、一つ希望を持たせる材料は中国依存が強いはずの機械、鉄鋼などがしっかり上昇したことです。加えてナスダックが上昇したことを背景に半導体関連も上昇、結果的には値嵩株が上昇をリードしたことになります。

市場は直接的な影響を受けるインバウンド関連は流石に敬遠するも、それ以外の影響は限定的な範囲にとどまるとの見方が強いのではないでしょうか。もちろん関連銘柄を保持している場合は損失になっている可能性もありますが、パニックに陥ることはなく、落ち着いて市場の行方を見守るようにしてください。

注目は長期金利の動向とそれに反応しやすい半導体関連の動き。先週のナスダック、SOX指数は上昇したものの、テクニカル的な形は下落。日本市場の半導体関連も下げトレンド進行中の戻りに終わってしまう可能性もあることは念頭に入れておく必要があります。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,169.99+545.71(1.73%)
TOPIX 2,299.81+33.41(1.47%)

為替

ドル・円 146.35 – 146.36+0.30(0.20%)
ユーロ・円 158.20 – 158.22+0.90(0.57%)
ユーロ・ドル 1.0808 – 1.0810+0.0038(0.35%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 34,346.90+247.48(0.72%)
S&P500種4,405.71+29.40(0.67%)
ナスダック13,590.646+126.674(0.94%)

債券・金利

米10年国債(%)4.232-0.007
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