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2023年 8月29日の日経概況

【市場総括】

2023年8月29日の東京株式市場は大幅に反発しました。終値は前営業日比56円98銭(0.18%)高の3万2226円97銭。米国市場が上昇したことを背景に買いが先行してスタート、週末のジャクソンホール会議の結果を見極めたいとの心理で買いのポジションを減らしていた投資筋による買いが戻り、上昇幅は200円を超える場面もありましたが、主要経済指標発表に備えて上昇幅を縮小して終わりました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は続伸ました。ダウ工業株30種平均は続伸して、前営業日比213ドル08セント(0.6%)高の3万4559ドル98セント、ナスダック総合株価指数は続伸して、前営業日比114.485ポイント(0.8%)高の1万3705.131、S&P500種株価指数も続伸して前日比+27.60(0.62%)の4,433.31で取引を終えました。

ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容が大きな波紋を呼ばず、主要イベントを無事通過したと捉えられ、買い安心感が広がりました。長期金利が4.36%台から4.2%台に落ち着いたことも市場にポジティブな影響を与えました。

長期金利の上昇一服を受け、ハイテク関連に買いが入り、エヌビディア、アップルなどの主要ハイテク関連が買われ、ナスダックは0.8%上昇、他市場の上昇率を比較的に上回りました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が上昇したことを背景に買いが先行してスタートしました。週末のジャクソンホール会議の結果を見極めたいとの心理で買いのポジションを減らしていた投資筋による買いが戻り、上昇幅は200円を超える場面もありました。

上昇が一巡した後は、売買高が盛り上がらないことからわかるように、積極的な買いがみられず、雇用関連指標の発表に向けての様子見が広がり、短期の利益確定を確定する売りが出て、上昇幅を縮小しました。

業種別の動きは33業種中、24業種が上昇、7業種が下落、2業種が変化なし。上昇が優勢な展開でした。前日押された小売が切り返して上昇率3位、電気・ガス、不動産業、陸運業も上昇して内需系が上昇をリードしました。

景気敏感業種の一部が厳しい流れで、電気機器、卸売業、鉱業、輸送用機器が下落、金融関連の保険業、銀行業の売りも目立ちました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は長い上髭を持つ陰線を形成しました。始値が25日線をタッチしてスタート、高値では勢いよく超えましたが、ざら場中に75日線を下抜けるところまで下落、戻しておわりましたが75日線をタッチして終わったので、25と75の間に挟まった形で終わりました。

高値がタッチしたのは基準線、前日まで指摘していた抵抗になるところには全てひっかかっている流れです。高値と安値は切り上げ、上向きのギャップまで開けていますが、上昇の勢いが弱くなる形で、明日以降の動きが下に抜けると下げが加速します。

商いは低調続きで3兆円割れが8営業日続きました。東証プライムの売買代金は2兆7805億円、売買高は11億9509万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1221、値下がりは538銘柄、変わらずは76銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

連日の上昇にも関わらず、なにか盛り上がりにかかる、先週の乱高下でもそうでしたが、なにかが足りないという感じは、参加する売買自体が盛り上がらなかったところから要因を探すことができます。

活況の分かれ目となる売買代金3兆円を8営業日連続で割り込んでいるので市場が盛り上がりに欠けると感じるのは当然といえます。結局は自律反発の領域を抜け出すことができず、力強さを感じさせない上昇につながっているわけです。

市場が活力を失っているもう一つの理由を投資主体別売買動向で見つけることもできます。8月2週まで7週連続で買い越しだった外国人の売買動向は先週、大きな売り越しに陰転しました。

1800億円ほどの買い越しを記録した8月2週から、なんと7兆円の売り越し。これは見逃すにはちょっと怖い材料です。この数値を超える売り越しは今年度3月2週目の11兆円。その後、日経は4月中旬まで持ち合いが続きます。持ち合いの後、大きく上昇はしたものの、今回も同じ動きになるとは限らない。

持ち合いの動きに着目すると、今後しばらくは方向感なしの窮屈な相場になる可能性もあるということです。持ち合いのタイミングでは内需系が力を発揮するので、注目したいところですが、水産、電気・ガス業、倉庫などは買われ過ぎのサインが出ている業種なので、気を付けるのがよいでしょう。

明日から週末に集中している雇用関連指標の発表に備えてさらに様子見、乱高下が出やすい相場になるので、方向感のなさにいらっとするか、焦りを感じるよりはそんなものだと割り切って、短期勝負の銘柄でも探してみるのもよいのではないでしょうか。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,226.97+56.98(0.18%)
TOPIX 2,303.41+3.60(0.16%)

為替

ドル・円 146.56 – 146.57+0.03(0.02%)
ユーロ・円 158.47 – 158.49+0.09(0.05%)
ユーロ・ドル 1.0811 – 1.0815+0.0003(0.02%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 34,559.98+213.08(0.62%)
S&P500種4,433.31+27.60(0.62%)
ナスダック13,705.131+114.485(0.84%)

債券・金利

米10年国債(%)4.202-0.030
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