【市場総括】
2023年8月18日の東京株式市場は3営業日続落しました。終値は前営業日比175円24銭(0.55%)安の3万1450円76銭。6月1日以来の安値を更新し続けました。
2ヶ月半ぶりの安値まで進みましたが、下げ幅を縮小して終わり、目先の売られすぎ領域に入りました。FOMC議事録を背景に続落した米国市場の流れを引き継ぎ、売りが先行してスタート、売りが深かったのは値嵩株・大型株で、下げ幅は450円超えに達する場面もありました。31,500円を割り込むと、押し目買いが入って下げ幅を縮小して取引を終えました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、前営業日比290ドル91セント(0.8%)安の3万4474ドル83セント、ナスダック総合株価指数も3営業日続落して、前営業日比157.696ポイント(1.2%)安の1万3316.932、S&P500種株価指数も続落して前日比-33.97(-0.77%)の4,370.36で取引を終えました。
下げの要因となったのは消費関連企業の業績と長期金利の上昇でした。小売りのウォルマートが発表した四半期決算は売上高の伸びが市場予想に届かなかったことを材料に他の消費関連銘柄も巻き込んで下げました。
長期金利の上昇が続き、一時的に4.328%に達し2022年10月21日(4.335%)の水準に迫りました。金利上昇に弱いハイテク関連の銘柄が売られ、ナスダックの下げが目立ちました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日の米国市場が続落したことを背景に売りが先行してスタートしました。米国市場の下げ基調が鮮明になり、下げ幅は400近くまで迫る場面がありました。
中国の景気懸念を強める要因となっている中国恒大集団が17日、ニューヨークで連邦破産法第15条の適用を申請したことも負担となり、投資家心理が悪化しました。中国市場が落ち着いた様子をみせることが確認されるとプラスに転じるまで買われるなど、方向性に欠ける1日となりました。
業種別の動きは33業種中、3業種のみが上昇、30業種が下落するほぼ全面売りの展開でした。卸売、パルプ、石油の3業種が上昇、非鉄金属、海運業、精密機器などの景気敏感業種の一部は限定的な下げ幅で終わりました。
内需全体が弱く、小売、建設、陸雲、医薬品、食料品などの下げが目立ち、電気・ガスの下落率が1位。かろうじて期待されていたインバウンド関連が売られたことが市場の心理を悪化させています。
【日本市場のテクニカル分析】
日経の日足は上髭の長い陽線を形成しました。前日の安値を切り下げ、心理が悪化する場面がありましたが、一時的に前日の終値を上回りプラスに転じるなど、変動性の高まる展開となりました。
節目となって、支えになってくれると期待されていた31,500円を終値でも下回ったことは心理的に悪化する要因です。これで、先行スパン2により近くなり、雲の下抜けを視野に入れました。
週足は上下髭を持つ中陰線、高値は切り上げて、安値は切り下げたので、形では先週の週足を包む持ち合いを形成、終値でも13週移動平均線を割り込みました。下向きの流れなので、安易に安値拾いをしている時間帯ではありません。
商いは大幅に減少して、3兆円を割り込みました。東証プライムの売買代金は2兆8832億円、売買高は11億9796万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1448銘柄、値上がりは334、変わらずは53銘柄でした。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 31,450.76 | -175.24(-0.55%) |
TOPIX | 2,237.29 | -15.77(-0.70%) |
為替
ドル・円 | 145.53 – 145.54 | -0.69(-0.47%) |
ユーロ・円 | 158.16 – 158.18 | -0.92(-0.57%) |
ユーロ・ドル | 1.0867 – 1.0869 | -0.0012(-0.11%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 34,474.83 | -290.91(-0.83%) |
S&P500種 | 4,370.36 | -33.97(-0.77%) |
ナスダック | 13,316.932 | -157.696(-1.17%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 4.282 | +0.028 |