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2023年 8月24日の日経概況

【市場総括】

2023年8月24日の東京株式市場は4営業日続伸しました。終値は前営業日比276円95銭(0.87%)高の3万2287円21銭。米国市場のハイテク関連が上昇したことを背景に買いが先行してスタート、エヌビディアが市場予想を大きく超える業績を発表したことを要因として半導体関連銘柄を中心に買いが広がりました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反発と続伸で上昇しました。ダウ工業株30種平均は小幅に反発して、前営業日比184ドル15セント(0.5%)高の3万4472ドル98セント、ナスダック総合株価指数は3営業日続伸して、前営業日比215.160ポイント(1.6%)高の1万3721.033、S&P500種株価指数も続伸して前日比+48.46(1.10%)の4,436.01で取引を終えました。

PMIの結果、エヌビディアの決算期待が市場を支えました。まず、PMIの結果から。8月の米PMIは総合が50.4、半年ぶりの水準まで低下しました。FRBの利上げ継続姿勢が後退すると観測され、投資家心理が改善しました。

4.36%台まで進んだ長期金利の急上昇が急反落、4.2%まで下げてくることで上昇が一服したことが好感されハイテク関連に買いが入りました。業績発表を控えていたエヌビディアに対する期待も加わり、ナスダックは1%を超える上昇となりました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場のハイテク関連が上昇したことを背景に買いが先行してスタートしました。エヌビディアが市場予想を大きく超える業績を発表したことを要因として半導体関連銘柄を中心に買いが広がりました。

米国の長期金利が急反落したことは為替市場で円安の一服を引き出し、自動車関連の下落につながりました。円相場は安値で144円台まで下げてきて、直近の急ピッチに対して調整をかけました。

業種別の動きは33業種中、29業種が上昇、5業種が下落して買いが優勢。ゴム製品、輸送用機器の下げが目立ち、そのた製品も軟調。インバウンドの一角を構成する空運業、陸運業も下落しました。

上昇が目立ったのは原油関連で、鉱業、石油・石炭製品が上昇率1,3位、建設業が2位につけました。金融関連の動きも強く、証券が5位、銀行業が7位に並びました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は短い上下髭を持つ陽線を形成しました。実体が前日の実体から離れるギャップあけで、前日の持ち合いの形から上昇を加速させる流れになりました。

形は強いですが、位置は迷いが生じるところに入ってきました。75日線を超えるのはよい印象ですが、高値が止まったところは25日線、下向きの25日線と75日線に挟まれる格好です。

ここから反転して下げ始めると、むしろ下げが加速する形なので、急反転に注意するタイミングです。逆にジャクソンホールで株価を支援するような発言が出た場合は、32,500円の節目を超え、33,000円を目指していくでしょう。

商いは低調で3兆円割れが続きました。東証プライムの売買代金は2兆9084億円、売買高は11億1050万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1153で、値下がりは610、横ばいは71銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

ジャクソンホール会議期間中の、25日にパウエルFRB議長の講演が予定されていることで、積極的な売買はみられないまま、3兆円割れが続いています。その流れでの4営業日続伸なので、そこまで強い上昇の力は感じられていないのが実情。

本日の相場で特徴的だったのは、市場の関心がエヌビディアの業績よりはジャクソンホールの方に集まっていることです。ニュースを通じて世間を沸かしているのがエヌビディアの決算結果。

・2023年5〜7月期の純利益は前年同期比約9倍に急拡大

・8〜10月期の売上高は前年同期比約3倍の160億ドルを見込む

両方とも市場予想を大きく上回る結果で、四半期の純利益だけで前期の通期純利益を超えるという驚異的なパフォーマンスを見せました。市場は当然大幅な上昇で答えましたが、日本市場はむしろ神経質な動き。

前場こそ上げたものの、後場は方向感のない神経質な動きに終始しました。明日はさらに様子見となる可能性が高いでしょう。支援材料になるのはエヌビディアの決算結果をナスダックが織り込むことで、上昇することですが、前日の上昇でその期待をある程度織り込み済みだと判断する場合、積極的な上昇要因にはなりにくいことも考えられます。

そのなると、やはり残るのはジャクソンホール会議では講演。今回の講演でチェックするポイントは「9月以降の利上げペースを探る」こと。講演であるため、利上げをするかどうかを決定する場ではありませんが、

パウエル議長が「利上げ継続が適切」、「データ次第でそのペースを判断する」とのここまでの見解を変えない場合、判断が難しくなります。その場合は、ここから発表される雇用、インフレ関連の指標の結果によって判断されるので、神経質な地合が深まるでしょう。

方向感に欠ける展開で注目されやすいのはバリュー銘柄、そして内需系です。悩ましい相場、銘柄の選定に時間を割いてみるのも良い戦略でしょう。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,287.21+276.95(0.87%)
TOPIX 2,286.59+9.54(0.42%)

為替

ドル・円 145.35 – 145.36-0.03(-0.02%)
ユーロ・円 157.79 – 157.80+0.53(0.33%)
ユーロ・ドル 1.0855 – 1.0857+0.0038(0.35%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 34,472.98+184.15(0.53%)
S&P500種4,436.01+48.46(1.10%)
ナスダック13,721.033+215.160(1.59%)

債券・金利

米10年国債(%)4.192-0.135
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