ホーム » 配信情報トップ » BLOG » 投資知識 » バリュー株とグロース株

バリュー株とグロース株

投資を始めるとよく耳にする「バリュー株」「グロース(成長)株」。これらの線引きは曖昧な部分もあるものの、投資戦略を立てるには、バリュー株の売買高が多いのかグロース株の売買高が多いのか、理解する必要があります。その判断によって今後の投資戦略が変わるからです。これらの特徴、見分け方を解説します。

概要

バリュー株とは:
市場において過小評価されていると考えられる株式で、利益や純資産などで見た企業価値に対し
株価が割安となっている銘柄のことを言います。
つまり、成長に対する期待値(すでに成熟した業種や企業)や知名度や話題性が低いなどの企業が該当し、割安のまま放置されているものを指します。主に大企業や業績が安定している銘柄が該当することが多く見られます。

グロース株とは:
成長株とも呼ばれ、株価の成長率が期待される銘柄を指します。 業績が急拡大している(売上の伸び率が前年比10%以上上昇が数年続いている場合)・利益の成長率がともに高い)企業や 革新的なサービス・商品を提供している企業が該当します。

各々の概要がわかったところで、今度はその特徴について学んでみましょう。

特徴

バリュー株:
例えば、一株1,500円の内在価値がある時に市場価格では1,200円で取引されるといったように、割安のまま放置されている銘柄で、企業の価値などが見直されると株価が上昇する傾向にあります。判断の目安は、PBRが1倍以下、PERが約15倍以下となります。日本の企業であれば、商船三井(9104)やトヨタ自動車(7203)アメリカ企業であればインテルやジョンソンアンドジョンソンなどが挙げられます。
評価されている本来価格に追いつくにはそれなりの時間が必要となるため、長期保有するのがおすすめです。ただし、株価は2023年9月時点でのデータをもとにしています。ご了承ください。

グロース株:
市場での評価が高く、将来の成長が期待されている企業の株式です。高い成長率が期待できるため、タイミングが良ければ利益を大きく伸ばす長期投資も可能ですが、ボラティリティが高く損失が拡大する可能性もあるため、短期投資が向いています。こちらの判断基準はPBRが1倍以上、PERが約15倍以上となります。日本企業であればメルカリ(4385)やレーザーテック(6920)、アメリカ企業であればテスラやNetflixなどが挙げられます。こちらも2023年の執筆時点でのデータなので、時間が経つと大手企業の中間入りを果たしているかも知れませんね。

PERとPBRって何?

バリュー株かグロース株価を見分ける判断材料にPERやPBRを取り上げました。では、PER、PBRはなにで、どのような判断で使われるのか見ていきましょう。

PERとは:
一般的に使用される財務指標の一つで、特定の企業の株価をその企業の1株あたりの利益で割った比率を示します。株価収益率と呼ばれています。
株価が「割安なのか?」「割高なのか?」を判断する際に使われる指標で、PERが低い場合には、株価が割安、高ければ割高と言えます。日本のPERの平均は約15倍程度ですが、13倍~17倍と幅があります。これが15倍を基準にして割安か割高かを判断する理由です。

計算式
PER = 株価 (Price per Share)1株あたりの利益 (Earnings per Share)

PBRとは:
企業の株価をその1株あたりの純資産価値で割った比率を示す財務指標で、株価純資産倍率と呼ばれます。
株価が「純資産×何倍で取引されているのか」を示す指標で、PBRが1倍より小さい場合では、企業価値に対する株価は安いと判断されます。
株価指数ブログでも紹介したJPX150の基準でトヨタ自動車が外れて話題になったのはこのPBRによるものです。

計算式
PBR = 株価 (Price per Share)1株あたりの純資産価値 (Book Value per Share)

PERやPBR等の詳しい内容は株式投資コミュニティでわかりやすく動画で解説しています

そうは言っても・・・

どっちがどっちに該当するの?
調べてみるとサイトによって、グロースだったりバリューだったり・・・。上述したようにグロース株だった会社が順調に成長して大企業になり、バリュー株に分類されるようになることも十分あり得ることです。
そう、実は少し曖昧な銘柄が多いのも確か。これはここ数年で大きく成長した銘柄が多いという証拠でもあるのです。バリューとグロースの違いと特徴、しっかり理解できましたね?

次の記事では、この二つの分類を自分の投資に活かせる方法について解説していきます。

お買い物カゴ