【市場総括】
2023年10月2日の東京株式市場は続落しました。終値は前営業日比97円74銭(0.31%)安の3万1759円88銭。非常に変動性の高い1日でした。朝方は500円を超える上昇で、3万2000円台を回復するとみられましたが、午後の相場でマイナスに転じました。米国政府の一時閉鎖が、期限直前に回避されたことを背景に大きく買いが先行してスタート、朝方の上げ幅は500円を超える場面もありました。午後の寄り付きから売りが膨らみ、大引け30分前を切るとさらに下げ幅を広げて、当日の安値付近で終りました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国政府の一時閉鎖が、期限直前に回避されたことを背景に大きく買いが先行してスタートしました。売られる材料が少なく、週明けの米国市場に対する期待も高まることで朝方の上げ幅は500円を超える場面もありました。
午後の寄り付きから売りが膨らみました。下げ幅は限定的だと見られましたが、大引け30分前を切るとさらに下げ幅を広げて、当日の安値付近で終りました。
業種別の動きは33業種中、8業種のみが上昇、25業種が下落して、売り優勢の展開。 銀行業の上昇率が最も大きく、海運業、金属製品、ガラスなどの景気敏感株が上昇率の上位を占めました。
円安の進行に合わせて自動車関連も買われ、機械まで含めると景気敏感株及び輸出関連が物証されました。一方、原油関連が売られ、鉱業、石油が売られ、燃料代の高騰が懸念された空運業が下落率1位を記録しました。
【日本市場のテクニカル分析】
日経の日足は長い上ヒゲを持つ陰線を形成しました。大きく上昇してスタート、32,000円を回復するように見せましたが、先週水曜日の高値付近まで進んだら、抵抗にあって戻して終りました。
終わってから一歩ひいてみると3日連続の陰線で、上にも下にもいかない、下げ止まり感を出している流れになっています。 下げ止まりの形にはなっていますがまだ上に向かって転換したと言うサインを見つけることができず、
逆に直近三日間の安値を割り込むと下に行きやすいので注意が必要です。ここからさらに下げる場合は8月18日の安値(31,275円)で下げ止まるかが確認のポイントになります。
東証プライムの売買代金は3兆7015億円、売買高は15億5061万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1266、値上がりは515、変わらずは50銘柄でした。
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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】
非常に変動性の高い1日でした。朝方は500円を超える上昇で、3万2000円台を回復するとみられましたが、午後の相場でマイナスに転じました。後場の下げを引き起こした原因はなに?と多くの市場関係者が彷徨う羽目になりましたが、未だに下げを主導した要因は見つかっていません。
朝方の上昇がショートカバーによる買い戻しに起因した上昇も含まれていることを考慮すると、ここからは再び先物に対するショートが入ったことも原因の一つとして考えられますが、それだけで650円の変動幅を引き起こすと言う事は考えにくいのではないでしょうか。
月曜日のスタートが波乱含みになったことで、今夜の米国市場の動向はさらに注目度が高く、その動き次第では日本市場は下げ幅を広げるか、乱高下を繰り返すなど変動性が高まる可能性があります。
ここにきてバリュー株への物色は一服するようにみえましたが、本日の動きで短期的に強まったと判断できますので、当分の間はバリュー・割安株(低PBR)の方に銘柄選定の力を注いだ方がいいでしょう。
または、景気敏感業種に対するショートトレードを仕掛けるのも一つの有効な戦略となります。
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【各市場の動き】
株式指標
日経平均(円) | 31,759.88 | -97.74(-0.31%) |
TOPIX | 2,314.44 | -8.95(-0.39%) |
為替
ドル・円 | 149.76 – 149.77 | +1.00(0.67%) |
ユーロ・円 | 157.71 – 157.72 | -0.07(-0.04%) |
ユーロ・ドル | 1.0530 – 1.0532 | -0.0076(-0.71%) |
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) | 33,507.50 | -158.84(-0.47%) |
S&P500種 | 4,288.05 | -11.65(-0.27%) |
ナスダック | 13,219.322 | +18.045(0.13%) |
債券・金利
米10年国債(%) | 4.577 | ±0.000 |