ホーム » 配信情報トップ » TBL NIKKEI » 日経概況 » 2023年9月28日の日経概況

2023年9月28日の日経概況

【市場総括】

2023年9月28日の東京株式市場は反落しました。終値は前営業日比499円38銭(1.54%)安の3万1872円52銭。1カ月ぶりの3万2000円割れです。外部環境の悪化が継続して、一時700円を超える下落幅まで記録しました。配当の権利落ちによる売りと外部環境の悪化を背景にした売りがかさなり、売りが先行してスタート、午前中の下げ幅は引け直前になって急激に広がりました。

米政府の一部機関が10月から閉鎖されるリスクが継続して意識され、原油先物相場の上昇が、燃料費が上昇する影響が懸念された業種が強く売られ、下げ幅を700円超に広げる場面もありました。

本日も最後までしっかりお読みください。

□□□□□□

【米国市場の動向】

米国市場は続落と反発でまちまちな動きとなりました。ダウ工業株30種平均は続落して、前営業日比68ドル61セント(0.20%)安の3万3550ドル27セント、ナスダック総合株価指数は反発して、前営業日比29.239ポイント(0.22%)高の1万3092.849、S&P500種株価指数も反発して前日比+0.98(0.02%)の4,274.51で取引を終えました。

長期金利の上昇と原油高が継続して市場を圧迫しました。長期金利は一時4.64%と2007年10月以来の高水準を付け、原油は1バレル94.17ドル、昨年8月末ごろ以来の高値まで進む場面がありました。

下げ幅が300ドルを超えてからは売られすぎへの警戒から買い戻しが入ったほいか、引けにかけて長期金利の上昇が一服したことでナスダックは小幅の上昇に転じて取引を終えました。

□□□□□□

【日本市場の動向】

日本市場は配当の権利落ちによる売りと外部環境の悪化を背景にした売りがかさなり、売りが先行してスタートしました。午前中の下げ幅は引け直前になって急激に広がりました。

米政府の一部機関が10月から閉鎖されるリスクが継続して意識され、原油先物相場の上昇が、燃料費が上昇する影響が懸念された業種が強く売られ、下げ幅を700円超に広げる場面もありました。

業種別の動きは33業種中、1業種のみが上昇、32業種が下落して、全面安の展開。原油関連で鉱業が上昇して、下げ幅が限定的なのは電気・ガス業、ゴム製品、機械などの景気敏感領域、医薬品、食料品などの内需の一角でした。

空運業、倉庫、陸運業などロジスティック関連の下げが目立ち、 その他金融業、保険業、証券・商品先物取引など金融関連も大きく下げました。

【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は 長い下ヒゲを持つインセンを形成しました。始値から32,000円を割り込んでスタートして、31,600円を伺うレベルまで下げ幅を広げましたが、強く戻して32,000円を回復して終わるようなところまで進みました。

結局は 心理的な支えとなる32,000円を割り込んで終わりました。 下向けのチャンネルラインで作られていた半値ラインも割り込んで、一目均衡表の下雲の下雲も下に抜けました。

RSI、ストキャスティクスなどは下げが加速しているもののまだ売られすぎのサインまで至ってないので、安値だと判断して早期の買いを入れる場面ではありません。

東証プライムの売買代金は3兆9872億円、売買高は16億6147万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1539、値上がりは241銘柄、横ばいは27銘柄でした。

□□□□□□□□

【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日のテクニカル分析では「下雲の下抜けが見られた場合は、下に向けての動きが加速する傾向が強いですが、陽線で戻したので支えられる可能性もあります。ただし、サポートラインになる指標とレジスタンスになる指標の間で、下に抜けてしまったので下押しの圧力が強くなる可能性が高いでしょう。」と解説しました。

まさしく本日が下雲の下抜け、 さらに良くないのは本日の高値がタッチしたところは下雲の底辺に当たる先行スパン1です。雲が下に抜ける前はサポートされると言う性格を前回見せましたが、本日をもって実体全体が抜けました。さらなる下落も充分ありえますので、継続して警戒が必要です。

本日の下げ幅を分けてみると、QUICKの試算による配当権利落ちによる影響で日経平均を下押しした分が224円程度、その他の要因が275円程度。それから考えると実質的な下げ幅は275円なので、そこまで大騒ぎする必要はないのでは?と思うかもしれません。

しかし、印象が悪いのはナスダック市場が小幅でありながら反発したにもかかわらず、日本の値嵩株、特に半導体関連が弱く、下げ幅が大きかったということです。

さらに気持ち悪いのはこの下げの原因が推測だけ存在して、明確な要因は見当たらない「謎の下げ」に近いということです。前引け直前の10分間だけで200円超を下げ、午後の寄り付き後も下げ止まらず、 700円安まで下げる場面がありました。

明日は週末で月末、さらに不透明要因が高まります。どっちに転ぶか見当がつかないことから、やはり前日の説明通り新しい買い注文は控えると共に、下向きのトレンドが継続すると考えるのがよいでしょう。特にバリュー、グロースと問わずに下げたことは心理的に弱くなる要因なので、さらなる下落もあり得ると心がけましょう。

□□□□□□□□

【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)31,872.52-499.38(-1.54%)
TOPIX 1,324.77-22.69(-1.68%)

為替

ドル・円 149.26 – 149.28+0.24(0.16%)
ユーロ・円 156.93 – 156.94-0.52(-0.33%)
ユーロ・ドル 1.0512 – 1.0514-0.0053(-0.50%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,550.27-68.61(-0.20%)
S&P500種4,274.51+0.98(0.02%)
ナスダック13,092.849+29.239(0.22%)

債券・金利

米10年国債(%)4.614+0.076
お買い物カゴ