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重要経済指標と株価の関係(1.物価関連)

経済指標をチェックするのは大事?

日々変動する日経225。トップ企業の株価が変動するんだから日経平均が変動するのは当たり前。だけど、どうして、1日で10%以上もの価格が上下することが突然起きたりするのか???疑問に思ったことはないですか?その理由は経済指標の発表によって起こることが多くを占めています。今回の記事ではFXにとどまらず、日経平均の動きに大きく影響する日米欧の経済指標についてシリーズに分けて説明します。

そもそも経済指標って何?

経済指標は、わかりやすく言えば経済の健康状態を測定し、予測するための指標です。現在の経済状況を表すのに、「うーむ、いい感じ?うちの会社儲かってるから」という風に曖昧な言葉表現するわけにはいけませんよね?そのために数字で表現する必要があり、そのニーズを満たすのが経済指標ということです。

経済指標、何をみればいいか

経済指標が必要だというのはわかったけど、毎日発表される指標の数も膨大な量です。一体を何をどんな基準で見ればいいか?難しいですよね。そこで、本シリーズでは主に物価、金利、雇用という側面に分けて整理しました。その1弾となる本記事ではまず我々の生活と密接に関係する物価関連指標についてみていくことにします。

具体的に物価関連の指標について説明する前に、まず経済指標の発表予定が載っているカレンダー形式のものを眺めてみましょう。

経済指標カレンダーを眺めると、多い!

FXをメインで取引されてる方には重要な経済指標発表。これらはそれぞれの証券会社のサイトに、いつ何が発表されているのか掲載されています。
経済指標発表の予定が確認できるサイトはたくさんありますが、その中でほんの一部をご紹介しましょう。

○ みんかぶ_経済指標カレンダー
https://fx.minkabu.jp/indicators

 Investing.com_経済指標カレンダー
https://jp.investing.com/economic-calendar/

 TradingView_経済指標カレンダー
https://jp.tradingview.com/economic-calendar/

それぞれ重要指標には星の数が多くなっています。株価にも影響する指標には3つ星が付いています。日本のみならずアメリカやヨーロッパの指標の中にも3つ星がついているものがあり、基本はこの指標たちを中心にチェックすると考えていただいて大丈夫です。

物価関連でまず抑えるのは3つ!PCP(PMI、CPI、PPI)

物価関連の経済指標として抑えておくべき主要な3つの指標は、製造業購買担当者指数(PMI)、消費者物価指数(CPI)、および生産者物価指数(PPI)です。

3つの指標に絞る理由は、それぞれが経済の異なる側面を反映しており、物価関連のトレンドを包括的かつ具体的に理解するために重要な情報を提供するからです。一つずつ詳しく読んでいくとその理由が理解できるはず、焦らずにゆっくり読んでみてください。まず、PMIから。

購買担当者景気指数(PMI):企業が感じている景気

購買担当者景気指数の定義とは?
まず、PMIは、購買担当者に対して新規受注や生産、雇用の状況などを調査し、企業の景況感を示す指数です。簡単に言えば、企業がどのように景気を感じているかを数値化したものを言います。製造業と非製造業に分けて発表され、50を上回ると好況、下回ると不況とされています。

購買担当者景気指数の重要性
なぜ購買担当者景気指数が重要なのかと言うと、企業は経済活動の最前列に立っており、企業の担当者が感じていることが景気動向をいち早く知らせることができるからです。例えば、製造業PMIが50を下回っているということは、景気が減速している可能性が高いと言えます。特に製造業PMIは、鉱工業生産や雇用統計などと比較して景気の変化を早く示すため、市場関係者から注目されています。

製造業PMIとは?
製造業PMIは、製造業を対象とした購買担当者景気指数のことで、製造業の購買担当者に対して調査を行い、景況感を数値化したものです。製造業PMIは、鉱工業生産や雇用統計などと比較して景気の動向をいち早く示すとされており、市場関係者からも注目されています。

製造業PMIと景気の関連性は?
実は、製造業PMIは景気の先行指標として非常に重要な役割を果たしています。なぜなら、製造業は経済の中心といえる部分であり、製造業の景況感が良ければそれは経済全体の好況を意味するからです。なので、製造業PMIの動向を注視することで、景気のトレンドを予測することができるというわけです。

消費者物価指数(CPI):個人が感じている景気

消費者物価指数とは?
消費者物価指数は、一定の商品やサービスの価格変動を表す指標のことを指します。私たちの日常生活で購入する商品やサービスの価格の変化を追跡し、その変動を数量化することによって作られています。この指数は、私たちの経済における物価の変動に関する重要な情報を提供しています。PMIが企業担当者の景気感を示すものなら、CPIは我々一般消費者が感じている景気感だと言えます。

消費者物価指数の意義
消費者物価指数は、主に小売り市場で販売される一定の商品やサービスの価格変動を反映しています。これには食料品、住宅、エネルギーなどが含まれます。しかし、私たちの生活に欠かせないものであっても、価格変動の大きな影響を受けない商品やサービスは除外されています。さらに、地理的な差異や文化的な偏りも考慮されています。 消費者物価指数は、特定の時期における商品とサービスの価格の変動を追跡する指数で、価格は調査やデータ収集を通じて収集され、統計的な方法で重み付けされます。一般的には、基準となる一定の期間の価格を基準100として設定し、その後の期間の価格変動をこの基準に対して比較します。これにより、消費者物価指数が算出されます。

実際に総務省の統計局が発表した資料をご覧ください。よく、CPIが前年同期比xx%増加のような言い方がされますが、正式には2020年を100としたポイントで示されているのがわかります。

【 総務省報道資料- 2020年基準消費者物価指数より】

消費者物価指数の重要性

消費者物価指数は、私たちの経済における物価変動を把握するための非常に重要な指標です。これによって、物価変動に対するインフレやデフレの傾向を把握することができます。さらに、政府や経済政策立案者、企業、消費者にとっても、経済状況を理解し、意思決定をする上で重要な情報源となります。

消費者物価指数と株価の関係
CPIは一般的にインフレ指標として使用され、経済の健全性を測る重要な指標となっています。 インフレと株価の関係は、物価の上昇と株式市場の動向が密接に関連していると言えるでしょう。経済がインフレに向かっている場合、企業の収益が増加し、株価も上昇する傾向があります。逆に、デフレや物価の低下が起きると、企業の収益が減少し、株価も下落することがあります。

卸売物価指数(PPI):企業間の「モノ」の値段

PPI(Producer Price Index)とは
「卸売物価指数(Producer Price Index)」の略で、ちょっと難しそうな名前ですが、企業間で取引される素材や部品などの価格動向を示す指標のことを言います。CPI(消費者物価指数)とは異なり、サービスの価格動向は含まれていないので、商品相場の影響を受けやすいのが特徴です。

 なぜPPIが重要なの?
PPIは、経済のインフレーションやデフレーションの傾向を把握するために重要です。製品やサービスの価格が上がれば、その業界における需要と供給のバランスが変わる可能性があります。また、PPIは経済全体のインフレーションの指標でもあります。インフレが進行すると、企業の原材料や労働力のコストが上昇し、消費者への価格上昇の圧力になります。
PPIは市場の動向や消費者の購買力に対する影響も示すため、経済政策の決定にも活用されます。
物価動向の先行指標としての役割を果たすため、2%を超えるような上昇は中央銀行の金融引き締めにつながる可能性があります。そうなると株価が下落する傾向が高まると言われています。これについてもうちょっと詳しくみてみましょう。

 卸売物価指数と株価の関係
一般的に、PPIが上昇すると中央銀行が金融引き締め策を取る可能性が高まります。なぜかというと、PPIが上がると製品や素材の価格も上がるため、企業の利益が低下してしまうからです。中央銀行は物価の上昇を抑えるために金利を引き上げたり、資金の供給を制限したりすることで、インフレリスクをコントロールしようとします。 このような金融引き締め策が実施されると、株価は下落する可能性があります。なぜなら、金利が上がることにより企業の資金調達コストが上昇し、利益への影響が出てしまうからです。また、資金の供給制限によって経済全体の活気が低下し、企業の業績にも悪影響を及ぼすことがあります。

今回は物価に関する指標をお伝えしました。なんとなく、指標発表を気にしてみようと思えましたか?
きっと、発表された数値を見て株価を見ると新たな発見が出来るはず。次回は金利関連の指標とそれが株価にどのように影響するかについてお伝えします。お楽しみに!

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