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注目企業の決算要約と投資戦略(TSMC:TSM)

TSMC(TSM)

全体のサマリー

TSMCは2024年第2四半期に強力な業績を報告し、純利益は前年同期比で36%増の76.1億ドル、収益は40%増の6735.1億台湾ドルに達しました。しかし、ドナルド・トランプ元大統領の台湾に関する発言や地政学的リスクが株価に影響を与えました。TSMCは今後の成長を見据え、アリゾナ州での新工場建設に650億ドルを投資し、地理的多様化を図っています。

 

決算結果の詳細

台湾積体電路製造公司(TSMC)は、第2四半期において、純利益が2478.5億台湾ドル(76.1億米ドル)に達し、前年同期比で36%増加しました。収益も前年同期比40%増の6735.1億台湾ドルに達しました。AIチップを含む高性能コンピューティングセグメントの売上は前四半期比で28%増加しましたが、スマートフォンの売上は1%減少し、IoTセグメントの売上は6%増加しました。

第3四半期の収益見通しは224億〜232億米ドルで、TSMCはAIブームの継続を見込んでいます。しかし、ドナルド・トランプ元米大統領が台湾のチップ生産の優位性についてコメントし、同島が米国に防衛費を支払うべきだと主張したことで、TSMCの株価は台湾取引で2.4%、ニューヨーク取引で8%下落しました。

TSMCは地政学的リスクにも直面しており、中国の侵攻リスクや米国の新たな輸出制限の可能性が懸念されています。このような状況下で、TSMCはアリゾナ州での3つの工場建設を含む新工場建設に650億ドルを投資し、地理的多様化を進める計画です。これにより、供給と需要のバランスを取ることを目指しています。

市場予想を超える好業績であるにもかかわらず、地政学的リスクが意識され大きく下げたTSMC

ジョンの投資判断と注意点

🔴 判断

投資家はTSMCに対して買い目線を維持すべきか?はい、維持すべきです
 
TSMCの強力な業績とAIチップ需要の高まりから、買い目線を維持することが考えられます。特に、今後の収益見通しも強気であり、新工場建設による地理的多様化もプラス材料です。
 

🔴 注意点とリスク

 
1.地政学的リスク:
•台湾を巡る米中関係の緊張が続くことで、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
•ドナルド・トランプ元大統領の台湾に関する発言が株価に影響を与えたように、政治的発言や政策変動は常にリスクです。
2.コストの増加:
•台湾の電力コスト上昇やグローバルな拡大に伴う高コスト地域でのファイバー拡張など、コスト増加が予想されます。
•新工場建設のための大規模な資本支出も短期的には利益を圧迫する可能性があります。
3.市場競争:
•インテルやサムスンなどの競合企業がTSMCの市場シェアを狙っているため、技術革新の速度を維持する必要があります。

まとめて、結論

TSMCの成長見込みが強固なのは間違いありません。しかし、地政学的リスクやコスト増加の影響を十分に考慮し、投資判断を行うことが重要です。これは投資家のコントロールできる範囲ではありませんが、それが顕在化した時に自分が取る行動のルールを決めることはできます。

TSMCへの投資は続けるべきだと判断していますが、これらのリスクを常にチェックし、適切なリスク管理を行うことが求められます。

決算の解説が理解できなかったら?

恥ずかしいと思う必要は全くありません。そもそも決算発表内容自体が初心者には難しいものです。 あせらず、恥ずかしがらず、何回も読み直してみてください。TBLアカデミーには企業分析、ファンダメンタルズ分析の専門家でもあるジョンが解説したテキスト、動画が豊富にそろっています。

この記事が世界一やさしく投資を教えるジョンが執筆、作成しました。最後まで読んでくださいましてありがとうございます。

最後にもう一言。この記事は買いを推奨、強要するものではありません。投資はあくまで自己責任で、最終判断も自分で行うことを忘れないでください。

それではみなさま、ますます幸せになってください。

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