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桃から学ぶ、先物・オプション取引⑥

第5回のブログはコチラ

世界一優しく先物とオプションを学ぶ入門シリーズ、6回目。ここまで楽しかったでしょうか? 今回の話は実体験を元にオプションの原理をまとめていきましょう。

これまでの話をまとめて考えてみよう

美味しい桃を買うルールは、7月にできる桃を5,000円で買う権利を1箱当たり50円で販売する。
「私は10箱を買いたい」という場合はこの権利の価格50円x10箱で500円払うと、
夏になって私がこれを見て5000円で買うかどうかを決めることができる。

どうでしょうか、イメージすることができるでしょうか?

品質はどうであれ、とにかく買わないとだめ!ではなく、7月の出来を見て決定することができるということですね。
そして、この権利を行使する場合と、行使しない場合がありますね。

まず権利を行使するとき、つまり、権利を使う時について考えてみましょう。
権利を使うことを少し難しい日本語で権利行使といいますよね。
では、その権利はいつ使えますか?これをわざわざ安くなった時に使う人いないですよね。

出来がすごくいいですよと言って、市場では6,000円まで値段が上がっちゃいました。
幸いなことに、私は桃の値段がいくらになろうが、それを5,000円で買う権利を買っていたんですね。
私はここで喜んで、「はい、ここでこの権利を使って5,000円で買います」と言います。
これが権利行使です。

その時、農家の方はどうするかというと、これを5,000円で喜んで売るということですね。

では、この反対の場合はどうすればいいでしょうか。
権利を使わない、これを放棄と言います。権利放棄する場合というのは、値段が安くなっているところです。
天気があんまり良くなくて、出来が良くないです。市場では今4,000円で買える状態になっています。
5,000円で買う権利を持っているんだけど、、私は何をすべきですか?この権利を使うべきでしょうか?
市場で4,000円で買えるのに、わざわざ5,000円で買う人いないですよね。
つまり、市場で4,000円で買う方を選んで、5,000円で買えるという権利は使いません。
これを権利放棄と言います。

権利の売買においての主体について整理してみます。
買う権利というものを買うのが私、そして、この買う権利を売るのがこの農家の方なんですね。難しくないですね。
これがオプションというものです。自分が選択できるというものです。
桃のこの出来具合によって自分の選択が変わるということをよく理解してください。

▶️ コールオプションとは?

こういうことをコールオプションと呼びます。
オプションの中でもコールオプションで、今行っている取引は5,000円で買う権利を、
私はそれを買った人で、農家の方はその提案をしてきて売った人になります。

じゃあ、利益と損失について考えてみましょう。
コールを買った場合、5,000円を超えてくると、その超えた分が自分の利益になってきます。
つまり、5,000円で買う権利を保持しているところで、市場価格が6,000円に上がってしまいました。

そうすると、利益はいくらですか?
そうですね。
1箱当たり1,000円の差分がありますので、掛ける10箱すると、1万円が自分の利益になります。
一箱を買おうとすると、市場では6,000円かかるんだけど、私は5,000円で買える。
そして1万円の利益になりますが、一つ抜けてますね。

なにがぬけているのか?
それは利益の金額についてのことです。1万円まるごと全部利益ではないですね。


最初参加する時に、買う権利1枚あたり50円で10枚買っていますので、500円を最初に支払っています。
全体の利益1万円から500円を引いて、正確には9,500円が自分の利益になります。
その反対に5,000円を超えないと最初に支払った代金が損失になります。

この時の最大の損失はいくらなんでしょうか?
最初に500円払ったのですね。
値段が4,000円3,000円に下がってしまいました。となると、
5,000円を下回るとわざわざ権利を使う必要がないので、権利を放棄していきます。
そして6,000円を超えてくると権利行使して自分の利益にするというのが、
この時の投資判断行動になります。

その反面、コールオプションを売った人について考えてみましょう。
売った人は私とは真逆なんですね。5,000円を超えると超えた分が自分の損失になります。
なぜならば、5,000円で売ってあげるという約束をしていて、それを守らないといけないからです。
6,000円になりました、さらに上がって7,000円になりましたという場合でも、
いくらになっても5,000円で売らないといけないですね。
じゃあ、仮に桃が、あり得ない話なんですけど、10万円ぐらいの値になってしまいました、となっても
5,000円で売るしかないですね。

じゃあこのように、このコールオプションを売った人にとっては、
値段が高くなればなるほど、全て自分の損失になります。
つまり損失は無限大になる可能性あります。

その反面、5,000円を超えないと自分が受け取る利益は何ですか。
5000円を超えないと、このコールを買った人は権利放棄をしますね。
放棄をするので最初に受け取った500円、これが自分の手元に残ります。
じゃあ、4,000円じゃなくて、今度は3,000円に下がったっていうと、利益はいくらになりますか? 
どんなに下がっても最初に受け取った代金が自分の利益になりますね。

2,000円になっても、やっぱり500円ですね。
はい、このようにコールオプションを売った方は、下がっていても
自分の利益は最初に受け取ったコールの代金、500円が自分の最大の利益になります。

コールオプションって面白いですね。

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