【市場の総括】
2025年6月12日の東京株式市場は5営業日ぶりに反落しました。終値は前日比248円10銭(0.65%)安の3万8173円09銭で取引を終えました。前日までの上昇基調から一転して反落しました。下落要因は2つ。
1.ここまで値を伸ばしていた半導体関連や半導体製造装置関連銘柄に利益確定売りが広がり、日本市場でも同セクターの売りが波及しました。
2.トランプ大統領が11日午後(日本時間12日午前)、1~2週間以内に関税率を一方的に設定するとのコメントを発表しました。この発言は4月に発表され、当初1月まで延期されていた関税措置に関するものですが、期限前倒しの可能性を示唆したものです。
||米国市場は小幅の反落
前日の米株式市場は小幅反落し、前日比1ドル10セント安の4万2865ドル77セント、ナスダックは反落し、前日比99.113ポイント(0.50%)安の1万9615.876、S&P500種も反落し、前日比16.57ポイント(0.27%)安の6,022.24 で取引を終えました。
米国市場は全体的に迷いの段階に入っています。S&P500指数は高く始まったものの、その後下げて陰線で終了しました。終値では16ポイント下落となりましたが、高値・安値ともに切り上げており、上昇継続の形は維持しているものの、迷いが生じている状況です。
ナスダック指数も高く寄り付いた後、ハイテク株の利益確定が進んで下落しました。これまでの上昇に対する調整色が強まっています。
【 今後の投資戦略】
昨日発表された米CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回る良好な結果となりました。
- 総合CPI:市場予想0.2%上昇→実際0%(横ばい)
- コアCPI:市場予想0.3%上昇→実際0.1%上昇
この結果により年内利下げ可能性が一段と高まり、金融市場では政策転換への期待が広がりました。
金利動向:継続的な下落でハイテク株には本来追い風
米長期金利は継続的な下落を続けています。今週月曜日に陰線を形成してから一貫して下げており、昨日は4.4%を割り込んで4.3%台で推移しています。
金利低下は本来ハイテク株にとって追い風ですが、これまでの急上昇に対する利益確定圧力が勝った格好となりました。
為替:急激な円高進行
米金利低下を受けて円高が急激に進行しました。145円台で推移していたドル円相場が一気に143円台まで円高が進み、約2円の大幅な変動となりました。
この急激な円高により、日本の輸出関連株も大きな影響を受け、一時期は日経平均の下げ幅が300円を超える場面もありました。
投資戦略:慎重な利益確定とリスク管理
現在は利益確定局面に入ったとみられます。また、明日はSQで、荒れやすい市場展開が予想されます。既存ポジションの適切な利益確定と、新規投資の慎重な判断が求められる局面となっています。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
---|---|---|
日経平均(円) | 38,173.09 | -248.10(-0.65%) |
TOPIX | 2,782.56 | -6.16(-0.22%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
---|---|---|
ドル・円 | 143.64 - 143.65 | -1.48(-1.01%) |
ユーロ・円 | 165.54 - 165.55 | -0.18(-0.10%) |
ユーロ・ドル | 1.1523 - 1.1525 | +0.0104(0.91%) |
海外株式 | ||
---|---|---|
NYダウ工業株30種(ドル) | 42,865.77 | -1.10(0.00%) |
S&P500種 | 6,022.24 | -16.57(-0.27%) |
ナスダック | 19,615.876 | -99.113(-0.50%) |
債券・金利 | ||
---|---|---|
長期(10年)国債金利(%) | +0.0104(0.91%) | ±0.000 |
米10年国債(%) | 4.423 | -0.053 |