2017年8月29日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比87円35銭(0.45%)安の1万9362円55銭でした。
5月初旬以来、4ヶ月ぶりの安値を記録しました。
北朝鮮の弾道ミサイルが日本列島の北海道上空を通過、
朝鮮半島の情勢が険しくなったことが心理を悪化させました。
地政学リスクが日本市場を直撃しましたが、
午後になると落ち着きを取り戻し、下げ幅を縮小させながら引けました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は小幅の反落と 、反発と、
前日とは反対の様子でまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅反落して、
前営業日比5ドル27セント安の2万1808ドル40セント、
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発して、
前営業日比17.372ポイント(0.3%)高の6283.015で取引を終えました。
積極的な売買を防止したのは自然災害、
米国のテキサス州に25日深夜、ハリケーン「ハービー」が上陸、
ヒューストン周辺で大洪水が発生したことが
投資家心理を悪化させました。
自然災害関連では、保険金の支払いが増加して
収益は圧迫されるとの懸念から保険業種が大きく下げました。
米国市場の動きは北朝鮮のミサイル発射前だったので、
その影響を反映する今夜の動きが注目されます。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
シカゴのCME日経平均先物は劇的な動きになりました。
28日は続伸して、9月物は前営業日比15円高の1万9465円で引けました。
大阪取引所の終値を35円上回りました。
しかし、北朝鮮のミサイル発射を受け、日本時間29日早朝は
大きくさげ、9月物は一時1万9175円と、
28日の清算値から290円下落しました。
SGX日経平均先物も大きく下落してスタート、
前日の清算値と比べ265円安の1万9155円で寄り付きました。
日本市場は北朝鮮の弾道ミサイルが日本列島の北海道上空を通過、
投資家心理が冷え込み、下離れしてスタート、
130円79銭安の1万9319円11銭で寄り付きました。
テクニカル的なサポートラインとして期待されていた
200日線が支えてくれたことが確認されると
個人の押し目買いが入り、下げ幅はやや縮小、
118円安の1万9330円で午前の取引を終えました。
米国市場の影響もあり、保険株・証券などが売られましたが、
午後には下げ幅を縮小、
87円安で本日の取引を終えました。
値がさ株に大きく売りが広がったことで、大型指数が下落、
中・小型はプラス引けで、リスク回避の様子になりました。
一方、防衛関連の石川製作所や建設株には買いが入りました。
商いはまだ2兆円を超えることができない参加者不在の相場で、
7日連続の2兆円割れです。
東証1部の売買高は概算で13億8700万株,
東証1部の値下がり銘柄数は989、
値上がりは881、変わらずは144銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
前日の終値から下離れしてスタート、陽線にはなりましたが、
窓を埋めることはできず、直近の持ち合いを切り下げる窓が空きました。
始値がちょうど200日移動平均線で、
一回下にぬけましたが、終値では戻して上を保ちながら引けました。
ここからが分かれ目です。
実体がこのテクニカル的な節目を下に抜けると
心理的に大きな負担になるので、投資家心理の悪化、
さらなる下落局面が続きます。
回復には為替市場のサポートが必要ですが、
加速している円高傾向が修正される気配が見えないのが買い方の悩みです。
明日も安値を切り下げて下に行く場合は、
ポジションを整理して資金の温存に努めるのが有効でしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
一時期、落ち着いたようにみえていた地政学リスクが
日本を巻き込む形で顕在化してきました。
北海道上空を北朝鮮の弾道ミサイルが通過したというのに
円が買われ、円高が進行するというのはなんとも皮肉な流れで、
投資家心理の冷え込みと加わり市場を大きく押し下げる要因となりました。
このように考えると、より大きく下げてもおかしくない要因で
CMEの先物やSGX先物の寄り付き下げ幅は200円を超え、
それが明確に現れています。
しかし、日本の市場は商いこそ少ないものの、
午後に入ると落ち着きを取り戻し、100円を切る下げ幅で引けました。
市場に訪れる最悪のシナリオは想定しておらず、
個人はむしろ押し目を拾ってくる流れになりました。
大型の値がさ株が軒並み下げた反面、中・小型がプラス、
ジャスダックに至っては実に27年ぶりの3,400円超えが
それを証明しています。
支えになってほしいと市場で期待されていた200日移動平均線で
一旦止まった上に、下げ幅が縮小されたので、
明日は短期的な戻りの上昇が予想されます。
逆にテクニカル分析でも触れたようにここを割り込むと
しばらくの下落加速局面が訪れるので警戒が必要です。
反発の際に狙えるものとしては、
軟調な動きが続いた銀行、証券などへの短期的な買い戻しがチャンスでしょう。
また、前日からお伝えして、ちょうどニュースにもなった
iPhone関連の銘柄にも引き続き注目です。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,362.55 -87.35 -0.45%
NYダウ(ドル)
21,808.40 -5.27 -0.02%
ドル(円)
108.63-68 -0.52円高 -0.47%
ユーロ(円)
130.65-69 +0.47円安 +0.36%