2017年1月23日の東京株式市場は大幅に反落しました。
終値は246円88銭(1.29%)安の1万8891円03銭でした。
注目されていたイベントであるトランプ大統領の就任演説では
具体的な経済政策が語られるよりは、保護主義的な発言が目立ち
不透明性が高まることで、売りが広がりました。
イベント通過で確実性が高まるかと思ったら
再び霧の中、本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は6営業日ぶりに反発しました。
ダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発して、
前営業日比94ドル85セント(0.5%)高の1万9827ドル25セント、
ナスダック総合株価指数は反発して 、
前営業日比15.253ポイント(0.3%)高の5555.334で取引を終えました。
主要企業の好調な業績への期待から
朝方から買いが先行して始まり、
前日は2ヶ月ぶりの5日続落をするなど安値圏にあったことで
自律反発の動きも加わりました。
トランプ氏の就任演説を受けては、不確実性が残り内容に
上げ幅が限定される場面もありました。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は外部環境の悪化により捕まった格好になりました。
トランプ大統領の就任演説では具体的な経済政策は示されず、
ホワイトハウスのホームページには保護主義的な内容が示されたことで
市場に不確実性が高まりました。
リスクが高まると決まった順番、円買いが進み、
円安基調は急激に円高に振れました。
113円台で激しい変動を見せると、輸出・大型株を中心に
売りが進み、下げ幅を拡大させました。
午後にはいっては日銀のETF買い期待で下げ幅を縮小させたものの
幅のある下落は避けられませんでした。
日本企業の業績に対する期待から考えると売られ過ぎの数字ですが、
明日以降は乱高下を含みながら、決算を材料にする
物色相場に向かいます。
東証1部の売買代金は2兆2005億円、
売買高は17億7770万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1554、
値上がりは375、変わらずは74銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上ひげの長い小陰線を形成しました。
前営業日では5日移動平均線に近づいて引けましたが、
本日は上値抵抗線に変わっています。
また高値レベルでは一目均衡表の転換線まで進みましたが、
やはり上値抵抗線になり、下落して終わりました。
安値ではボリンジャーバンドの-2σで止まっていますが、
ボリンジャーバンドの向きは下向き、25日線も下向きから
テクニカル的には下げに転じる直前です。
支えになっていた移動平均線、転換線などがすべて
抵抗線に変わったので、底硬さを守りながら
ふたたび上に向かってくるかが当分の確認ポイントです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
ドナルド・トランプ氏がついに第45代の
米国大統領に就任しました。
過激な内容になるのは予想されており、
思った通り、具体的な政策よりは「米国第一主義」を繰り返し
保護主義的な色を強く打ち出しました。
TPPへの反対を明確にし、
NAFTAの見直しもホワイトハウスのホームページで明言されることで、
米国の輸出が前輸出量の4/5を占め、
一番の被害が予想されるメキシコは青ざめ、
世界に不透明性は広がりました。
外部環境のリスクが高まることで円高は急激に進みましたが、
日本では内部環境の企業業績発表がスタート。
先週末好調な業績と利益の上振れを発表した
東京製鐵やISIDなどは大きく変われました。
こんな時こそ、しっかりした銘柄には買いが進みます。
不透明性がすぐ解消されることは無理なので、
業種というよりは個別に業績がしっかりした銘柄を
物色する戦略が今の状況では有効です。
円高に振れたのにもかかわらず、
食料品、小売などのディフェンシブ銘柄に買いが進まず、
下落率上位を占めていることも、
個別銘柄物色への裏付けになってくれるでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円):18,891.03 -246.88 -1.29%
NYダウ(ドル):19,827.25 +94.85 +0.48%
ドル(円): 113.65-66 -1.14円高 -0.99%
ユーロ(円): 121.92-96 -0.59円高 -0.48%