2017年4月10日の東京株式市場は続伸しました。
終値は133円25銭(0.71%)高の1万8797円88銭でした。
先週末の米国市場は小幅の反落でしたが、
長期金利の上昇により為替市場では円安が進行、
円高の一服を好感して、買いが入りました。
流れとしては下げ基調が継続、相場の弱さを浮き彫りにする動きになっています。
地政学的なリスクも高まりつつある今日の状況で、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は小幅反落しました。
ダウ工業株30種平均は小幅反落して、
前営業日比6ドル85セント(0.0%)安の2万0656ドル10セント、
ナスダック総合株価指数も小幅反落して、
前営業日比1.138ポイント(0.0%)安の5877.812で取引を終えました。
両指数とも0.05%以下の動きで、事実的には方向感のない動きです。
S&P500指数を見ても0.08%の下落と、
やはり高値圏で持ち合いを継続しています。
売り・買いの材料が拮抗した1日でした。
シリアへの空爆を巡ってロシアが反発、
中国は北朝鮮問題で曖昧な態度で一貫するなど
地政学的なリスクが継続する中、
失業率が10年ぶりの低さまで低下するなど、米国の雇用に対する
ポジティブな材料がちょうどバランスすることで
相場を支えました。
その分、上値も重くなりました。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国市場が小幅の反落になって、支えにはなりませんっでしたが、
円安が進むことで、主力銘柄に買いが入りました。
シンガポールSGXの日経先物は105円高の1万8825円で寄り付き、
日経平均は前週末比135円59銭高い
1万8800円22銭で寄り付きました。
毎月1週前の金曜日に待っている大きなイベント、
米国雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想約18万人に対して、
前月比9万8000人の増加、市場予想を大幅に下回りました。
しかし、3月の失業率は4.5%で、2007年5月以来、
約10年ぶりの水準に低下して、完全雇用状態を上回る結果になり、
好感の材料になりました。
ちなみにFRBが捉えている完全雇用は失業率4.7%の水準です。
FRBの要人による利上げに対する前向きな発言が続き、
為替市場が円高方向に振れると、日経は上げ幅を拡大しましたが、
地政学的なリスクが上値を抑えて133円高で引けました。
東証1部の売買代金は概算で1兆9299億円、
約1カ月ぶりに2兆円を下回りました。
売買高は17億3234万株、東証1部の値上がり銘柄数は1405、
値下がりは504、変わらずは104銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は十字架に近い小陰線を形成しました。
前日の終値から上放れして、スタートしましたが、
終値が始値を下回り、強い動きとは言えない形になりました。
数えてみると、3/30から8営業日連続の陰線、
2016年4月25日から5月9日までの7営業日連続が、
アベノミクスというのが始まった以来の最長日数でしたが、
本日でその記録を塗り替えました。
下値付近でトレンド転換して、一回戻り試す動きになっていますが、
戻りを見せた後、再び下げだすと加速するのが
このサイクルにおいての特徴です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
本日は久しぶりの記録塗り替えがみられました。
陰線の連続日数ではアベノミクスの最長記録を塗り替え、
売買代金も1ヶ月ぶりの2兆円割れで、
売り買いする人も少ない中での陰線と、
非常に弱い地合いであることを鮮明にしています。
円安を反映して久しぶりに自動車株や金融銘柄が潤いましたが、
この上昇の持続性には懸念を抱かざるを得ません。
米国企業に増益が見込まれ、日本企業の業績も上向くことが
ほぼ確実にされていますが、米国市場は高値圏で持ち合い、
日本市場が弱い動きになっているのは、
なんと言っても地政学的な動きが緊迫な状況になっていることが原因でしょう。
朝鮮半島付近に米国の主力海軍が集まる中、
各要人の発言も北朝鮮を強く逼迫し
(米が北朝鮮に圧力 国務長官、対抗措置を示唆、
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H3B_Q7A410C1MM0000/?dg=1)
緊張が高まっています。
逆に考えるとその中でも上昇したというのは、
むしろ日本市場の底力の強さを表しているとも捉えることができますが、
小さい材料一つでもいつでも爆発する静けさを秘めているところに
投資家は不安を抱えています。
2兆円を1ヶ月に切ってしまった売買代金はそれを物語っています。
上昇はしたものの戦略は、先週立てたものから変更せず、
資金が流れる新興市場の中・小型銘柄を中心に物色することにします。
ショート(空売り)の戦略が有効に働いてきましたが、
本日の動きで利益確定になった銘柄も多くなりました。
戻りを試してから再び下落する場合は、
もう一度チャンスが訪れるので、注目し続けてください。
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【各市場の動き】
日経平均(円):18,797.88 +133.25 +0.71%
NYダウ(ドル):20,656.10 -6.85 -0.03%
ドル(円): 111.38-39 +0.78円安 +0.70%
ユーロ(円): 117.92-96 +0.30円安 +0.25%