2017年5月2日の東京株式市場は続伸しました。
終値は135円18銭(0.70%)高の1万9445円70銭でした。
市場予想を上回る銘柄にはしっかり買いが入り、
相場を支えながら連休明けの動きに期待を持たせる展開になりました。
ただし、米国の景気を示す指標が市場予想を下回り、
米国市場が下落したことは懸念材料です。
2営業だけの今週でしたが、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は小幅に続落と大きく反発が一緒に見られました。
ダウ工業株30種平均は小幅続落して、
前営業日比27ドル05セント(0.1%)安の2万0913ドル46セント、
ナスダック総合株価指数は大幅に反発して、
前営業日比43.996ポイント(0.7%)高の6091.602で取引を終えました。
S&P500指数も+4.13(0.17%)高で、小幅ではありますが、反発しました。
3月のPCE(個人消費支出: Personal Consumption Expenditures*) 、
米建設支出が市場予想を下回る結果になったことで、
米国景気の先行きに対する不透明感が嫌気され、売りが広がりましたが
下げ幅も限定的でした。
ダウを大きく下げたのはボイング、
業績の問題ではなく、大きく利益確定が出たことで、
市場を崩すのに一助しました。
*PCE(個人消費支出: Personal Consumption Expenditures*)
米国の家計が消費した財やサービスの支出額を集計した経済指標です。
PCEが注目される理由は米国のGDPの約7割は個人消費支出が占めるからです。
つまり、米国のGDPの先行を予想するための指標として使用されます。
(このような指標を先行指標と呼びます)
もう一つ大事な指標は、PCEから食品とエネルギーなど、
価格変動の激しい品目を除いて集計される コアPCEデフレーターです。
(日本のコアインフレ率に近い概念です)
こちらは FRBがインフレ指標として重視することから、
FRBの今後の政策を予想する上で重要な指標として注目されている。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は好調な企業業績を背景に強気に傾きました。
米国市場は下落しましたが、28日のCME日経平均先物は
前日比130円高の1万9345円で引けました。
SGX日経平均先物は20円高の1万9340円寄り付きました。
日経は小幅の続伸でスタート、
前日比25円20銭高の1万9335円72銭で始まりました。
円安基調も追い風になって、日経は上昇幅を拡大、
150円高まで進みましたが、連休中に予定されている
海外の主要イベントで、変動要因が多いことから
次第に様子見ムードに転換、
上昇幅を縮小させながら引けました。
米国市場が下落する中でも幅のある上昇をみせてくれたことは
日本株の割安感が意識され
徐々に買いが入ってくるポジティブのサインと解釈できます。
東証1部の売買代金は概算で2兆2656億円、
連休前にもかかわらず、2日連続で2兆円を上回り、
連休あけの動きに期待を持たせる展開になりました。
売買高は18億6294万株、東証1部の値上がり銘柄数は1487、
値下がりは436、変わらずは93銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上ヒゲを持つ陽線を形成しました。
先週から前日にかけて形成されていた短い持ち合いを上に抜け、
19,500円を視野に入れる位置まで進みました。
ボリンジャーバンドが上向き、
75日線も上向きがより鮮明になってきました。
一目均衡表上の雲領域を本日の実態で抜け出し、
遅行線が日足の上、基準線と転換線がゴールデンクロスする
三役好転が成立しました。
すべてが強気点灯ですが、目の前には19,500円の節目が横たわり、
連休明けまでには安心できません。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前半の2営業日が終わった時点で、来週の動きを予想するのは
相当難しいし、あまり意味のないことかも知れませんね。
ただし、今週の動きを分析して、可能性を探ることは意味があるでしょう。
まず、今週見られたポジティブな材料は
「内部的に心理とファンダメンタルが改善」してきたことです。
通常、大型連休の前は連休中の不確定要因を嫌うため、
ポジションを閉じることが多いですが、
今週の動きは真逆の動きが見られています。
特に主要なイベントが多く控えている2017年の大型連休という要因にもかかわらず
2日連続で3桁の上昇を見せたのは、外部要因で振り回されてきた
今年の動きから内部の要因をしっかり見極めているものだと分析できます。
好調な業績が予想されていた企業がしっかりした結果を出すと、
市場は確かな買いで回答、好循環が生まれています。
正確に言うと好循環というよりは
「買うべき銘柄がしっかり変われる株式市場本来の姿」に
戻ってきたということでしょう。
ルペン氏が当選するというひっくり返るニュースが出ると
市場の大きな混乱は必至ですが、
それ以外の場合、日本株には来週も追い風が続くでしょう。
注目する業種は前日に引き続き、好調な業績が続く
機械、電気機器や半導体製造関連、
銀行などの金融銘柄には巨大金融を解体すると
1日に言い出したトランプ氏の言及で懸念材料が生じてきたので、
慎重になる必要が出てきました。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,445.70 +135.18 +0.70%
NYダウ(ドル):20,913.46 -27.05 -0.12%
ドル(円): 112.10-11 +0.27円安 +0.24%
ユーロ(円): 122.32-36 +0.54円安 +0.44%