2016年8月29日の東京株式市場は大幅に反発しました。
終値は376円78銭(2.30%)高い1万6737円49銭でした。
市場の注目を集めていたイエレン議長の講演で
年内の利上げを示唆する発言がでたことで
為替市場ではドル高・円安が進みました。
400円を越える上昇幅まで演出しましたが、ある要因で
上値を積極的に追い上げる動きにはなりませんでした。
ある要因とは?本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は続落と反発の方向感なしの動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続落して、
前営業日比53ドル01セント(0.3%)安の1万8395ドル40セント、
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発して
前営業日比6.713ポイント(0.1%)高の5218.917で取引を終えました。
市場の注目を集めていたイエレンFRB議長のジャクソン・ホール講演は
利上げの環境が整いつつあるとの結果で、
市場では経済環境の改善と受け止め買いが進みました。
買いが123ドルまで進む場面がありましたが、
「利上げが2回ある可能性がある」と、フィッシャーFRB副議長が
インタビューで述べたことで売りに転じ、マイナス圏に沈んで終わりました。
為替市場では円が売られ、ドル買いが進み、100円台前半が
週末の間に一気に102円台まで進みました。
日本市場は米国市場の下落より為替市場の動きを好感して
輸出・大型株を中心に買いが先行、上昇してスタートしました。
為替市場が101円台に戻って落ち着いたかと思うと、
市場の参加者が増えてさらに円買いが進み、102円台で推移
市場の上げ幅は400円超えに達しました。
しかし、経済指標とFRB幹部のタカ派的な発言にもかかわらず
米国市場が上げ幅を拡大できず、高値警戒圏に入っている要因から
それ以上上げ幅を拡大することはできませんでした。
この上昇を後押しするために注目すべき事項は
今週末に予定されている米国雇用統計、さらに先には日米の金融政策会合です。
雇用統計で利上げを裏付ける好調な結果が出ると
ドル高・円安がさらに進み、日本市場には追い風が吹くでしょう。
しかし、その反対の場合は再び円高傾向に戻ることで
上値を抑え混む可能性が高いです。
今週の動きは、週末のイベントを睨みつつ、
個別の材料に敏感に反応する持ち合いになりがちでしょう。
テクニカル分析です。
日経の日足は空をあけて始まり、そのまま上昇して終了する
上下ヒゲつきの陽線を形成。
節目となる75日線に支えらた形で、25日線も一気に超えてきました。
終値ではちょうどボリンジャーバンドの+1σに触れているので、
ここがトレンド転換になりさらに上昇するためには
本日の高値を切り上げながら+2σに近く動きを見せる必要があります。
しかし、ファンダメンタル的な動きも考慮して判断する場合は
横ばいに推移する+2σが意識され、
高値では16,930円付近が押さえられるポイントになります。
■各市場の動き
日経平均(円):16,737.49 +376.78 +2.30%
NYダウ(ドル):18,395.40 -53.01 -0.28%
ドル(円): 102.21-26 +1.79円安 +1.78%
ユーロ(円): 114.57-61 +1.23円安 +1.08%