2016年11月07日の東京株式市場は大きく反発しました。
終値は271円85銭(1.61%)高の1万7177円21銭でした。
米国大統領選を揺るがしていた、メールスキャンダルで、
朝方クリントン氏の訴追を求めないとのニュースが飛び込みました。
クリントン氏にとっての好材料で、不透明性に悩まされていた
投資家たちの心理はリスクオンに傾きました。
しかし、結果は最後までわからないもの、 油断大敵、
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は7 日続落しました。
ダウ工業株30種平均は 7日続落して、
前営業日比42ドル39セント(0.2%)安の1万7888ドル28セント、
ナスダック総合株価指数は9日続落して
前営業日比12.038ポイント(0.2%)安の5046.370で取引を終えました。
4ヶ月ぶりの安値更新を続けました。
前日まで6日にわたって続落していたことから、
戻りを期待する買いが入ることで、プラス圏で推移する場面もありましたが、
大統領選をめぐる不透明性の方が強く意識され
リスクオフが進みました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は、米国からのニュースで大きくリスクオンに傾きました。
「大統領選の ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題について、
訴追を求めないとした当初の判断を維持すると議会に伝えた。」(ロイター)
ニュースで市場の先行きに対する不透明性が後退、
為替市場では一気にドル買いが進みました。
102円台だったドルは104円まで円安が進み
輸出・大型株を中心にして買いが先行、
幅広い銘柄に買いが波及しました。
トランプ氏の当選可能性が消えたわけではありませんが、
支持率の回復が見られたいたクリントン氏にとっては
追い風になるに違いないでしょう。
東証1部の売買代金は概算で1兆9716億円、
売買高は17億6163万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1489、
値下がりは423、変わらずは75銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は窓を開けながらスタートして、そのまま上放れ、
ギャップを作りながら、長い下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
形としては強い上昇のサインで、トレンドが綺麗に転換したことになりますが、
商いが2兆円に届かないことから、
エネルギーの足りない転換になっていることがわかります。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
大統領選と決算発表が重なっている、このような状況なので、
上下激しく変動するのは当然のことかも知れません。
クリントン氏に関する追い風に当たるニュースで市場がこれだけ反応するのをみると
メディアの報道が偏っていると言われても仕方がないのかという感じもあります。
日本市場は大きく反発しましたが、まだ油断する場面ではありません。
世論調査があてにならないことは
今年6月のブレグジット(BREXIT)が立証しています。
明るいシナリオを描いてみると、
クリントン氏が当選の場合、不透明性が後退
株式市場は落ち着きを取り戻す、円安が進み、株式市場にはプラス要因になる。
特にピークを迎えつつある企業の業績から考えると
日本株全体には割安感が強く、外国人投資家が戻る要因になると考えられます。
日本時間9日で大体の結果は明らかになりますが、
日頃よりぐんと株数を減らして、
市場の活況時に安定した恩恵を受けやすい大型・輸出関連に
仕込みを入れておくのが現状では賢明な判断と考えられます。
■各市場の動き
日経平均(円):17,177.21 +271.85 +1.61%
NYダウ(ドル):17,888.28 -42.39 -0.23%
ドル(円): 104.43-44 +1.20円安 +1.16%
ユーロ(円): 115.52-56 +0.97円安 +0.84%