TESLA(TSLA:テスラ）

全体のサマリー

テスラの収益が2四半期連続で減少

テスラは、電気自動車（EV）市場における需要の低迷と競争の激化に直面し、収益が2四半期連続で減少しました。エマスクCEOは、この業績不振を市場での価格戦争に起因するとしています。特に、中国のBYDなどの競合がテスラの市場シェアを脅かしています。

決算結果の詳細

数年間にわたる二桁の売上増加の後、テスラは今年の成長が著しく遅くなると発表しました。テスラの利益は、第2四半期も引き続き減少し、競争が激化する中で影響を受けています。財務結果は、収益とフリーキャッシュフローの両面でウォール街の予想を下回り、株価は時間外取引で約8%下落しました。

|| 業績の見通し

テスラは10月初旬にロボタクシーを発表する予定であり（元々は8月予定）、2025年初頭には手頃な価格のモデルの生産を開始する予定です。マスク氏は、現在のモデルの廉価版を発売する計画については詳しく述べませんでした。

|| 経費削減と人員削減

テスラは、製造コストを削減し、10%以上のグローバルな人員削減を行いましたが、第2四半期の純利益は45%減少し、15億ドルとなりました。営業利益率も前年の9.6%から6.3%に低下しました。

|| AI関連への投資

マスク氏は、テスラを単なる自動車メーカーとしてではなく、自動運転車やAI関連技術に投資する企業として見てほしいと強調しています。今年はAI関連の費用に100億ドルを投じる予定です。

ジョンの投資判断と注意点

🔴 判断

投資家はTeslaに対して買い目線を維持すべきか？いいえ、一歩引いて当分は眺めるだけにします。

買うべき要因は4つほど存在していますが、それが顕在化して反映されるまでは少しのタイムラグがあると判断しています。

🔴 買う・保持すべき理由

1.規制クレジットの販売が好調：

•テスラは他の自動車メーカーに規制クレジットを販売しており、これが収益の大部分を占めています。この収益源は、他のメーカーが排出基準を満たせない限り、安定した収益を提供します。

2.AIおよび自動運転技術への投資：

•テスラはAIや自動運転技術に多額の投資を行っており、これが将来的な成長エンジンとなる可能性があります。エロン・マスク氏は、これらの技術がテスラの企業価値を飛躍的に向上させるとしています。

3.新モデルの導入計画：

•テスラは手頃な価格の新モデルやロボタクシーを導入する計画を発表しており、これが市場シェアを拡大し、長期的な成長を促進する可能性があります。これは同時にリスク要因にもなります。

4.エネルギー部門の成長：

•テスラはエネルギー部門も有しており、太陽光発電や蓄電技術の分野で成長が見込まれます。この分野は今後の再生可能エネルギー需要の高まりに伴い、大きな成長ポテンシャルを秘めています。

🔴 注意点とリスク

1.価格戦争の激化：

•EV市場の競争が激化しており、価格戦争が利益率に悪影響を及ぼしています。特に中国のBYDなどの競合が価格を下げているため、テスラも価格引き下げを迫られる可能性があります。

2.EV需要の減少：

•価格競争の激化以前に根本的な問題といて需要の減少があります。パンデミック後のEV需要の減少が続いており、これがテスラの売上に影響を与える可能性があります。特に米国市場での需要の冷え込みが懸念されています。

3.生産コストと供給チェーンの問題：

•テスラは生産コスト削減と供給チェーンの安定化に努めていますが、これが短期的な利益率にマイナスの影響を与える可能性があります。また、グローバルな供給チェーンの問題が生産に影響を及ぼすリスクもあります。

4.政治リスク：

エロン・マスク氏が政治的な発言を行っていることや、米国大統領選挙の結果がテスラの事業戦略に影響を与える可能性があります。特に、メキシコでの新工場建設計画が選挙結果に左右されるリスクがあります。

5.技術開発の不確実性：

自動運転技術やAIの開発には多額の投資が必要であり、その成果が期待通りに得られるかどうかは不確実です。技術開発が遅れたり、競合が先行するリスクもあります。

まとめて、結論

テスラ株は、同社が自動車メーカーとしてだけでなく、成長するエネルギー部門を含む複合企業としての側面を持つことを考慮すると、依然として魅力的な投資対象と言えます。ただし、リスクで分析した通り、価格戦争、需要減少、政治リスク、技術開発の不確実性などのリスク要因を慎重に考慮し、長期的な視点での投資が求められます。これらのリスク要因はすでに顕在化しており、買うべき理由はこれから実現をまたないといけないものが混在しているからです。短期的なアプローチでは心理的に重い不安と負担を強いられる可能性が高いでしゅお。

それでも魅力的な企業であることに相違はないので、テスラのAIやエネルギー部門の成長ポテンシャルを評価しつつ、リスク管理を徹底することが重要です。

決算の解説が理解できなかったら？

恥ずかしいと思う必要は全くありません。そもそも決算発表内容自体が初心者には難しいものです。あせらず、恥ずかしがらず、何回も読み直してみてください。TBLアカデミーには企業分析、ファンダメンタルズ分析の専門家でもあるジョンが解説したテキスト、動画が豊富にそろっています。

この記事が世界一やさしく投資を教えるジョンが執筆、作成しました。最後まで読んでくださいましてありがとうございます。

最後にもう一言。この記事は買いを推奨、強要するものではありません。投資はあくまで自己責任で、最終判断も自分で行うことを忘れないでください。

それではみなさま、ますます幸せになってください。