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週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
足踏み、金曜は大幅高今週の日経の天気
月曜はAI開発の減速を心配する発言でソフトバンクグループが急落し518円安、火曜は1日で1,034円も上下に動きながら終値はたった9円安。水曜から立て直し、金曜は日銀の利上げが「思ったよりやさしい」と受け止められて883円もの大幅高!週間ではおよそ1,008円(1.57%)の値上がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は月曜がAI開発の減速を心配する発言でソフトバンクグループが急落し518円ダウン、火曜は1日のうちに1,034円も上下しながら終値はほぼ変わらず9円ダウン、水曜は売られすぎていた株の買い戻しで439円アップ、木曜はFOMC(アメリカの中央銀行会合)通過の安心感で213円アップ、そして金曜は日銀が利上げを決めたのに「思ったよりやさしい利上げ」と受け止められて883円もの大幅アップと、5日間の合計ではおよそ1,008円(1.57%)値上がりしました。
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月AI開発の減速発言でソフトバンクグループが10.72%安!日経平均は518円安の続落
「開発減速」を発言
値がさ株が急落
▽518円、でもプライムの8割は値上がり
火1日で1,034円も上下動、でも終値はたった9円安
一段安
買い戻される
▽9円、でも値幅は1,034円
水4営業日ぶり反発の439円高、でも売買代金は3週間ぶりの少なさ
売り方が買い戻す
値上がり
▲439円、でも売買代金は3週間ぶりの低さ
木FOMC通過の安心感で続伸、原油安で海運・空運に資金
原油3.5%安
半導体は下押し
▲213円、33業種中28業種が上昇
金日銀が政策金利を1.25%へ利上げ!「思ったよりやさしい」と円安・株高に
「やさしい」と受け止め
半導体株に買いが集中
▲883円、でも値下がり銘柄の方が多くTOPIXは反落
日本銀行が景気や物価をコントロールするために決める、金融機関どうしがお金を貸し借りするときの目安になる金利のことです。上げると銀行預金の金利なども上がりやすくなるかわり、企業がお金を借りにくくなって景気を冷ます効果があります。
今週のできごとQ. 金曜日、日銀が利上げをしたのに日経平均が大きく値上がりしたいちばんの理由は?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
月曜に下げの主役だったソフトバンクグループが、金曜には一転してアドバンテストなど別の値がさ株が上げの主役に。半導体まわりの値がさ株は、なぜこんなに忙しく役割を変えるの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
値がさ株がつくった上げと下げ
週の前半と後半で真逆の主役を演じた1週間
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週もまた、値動きの多くをごく数社がつくっていました。月曜はソフトバンクグループ1社だけで約564円の押し下げ。金曜はアドバンテスト・東京エレクトロン・キオクシアホールディングスの3社で約762円の押し上げ――月曜に下げの主役だった値がさ株の仲間が、金曜には上げの主役になっています。
?同じような会社なのに、なぜ役割が入れ替わるの?
月曜は「AI開発が減速する」という会社に不利な発言が効きました。金曜は「利上げが思ったよりやさしかった」という会社に有利な受け止めが効きました。値がさ株(1株の値段が高い会社)は指数への影響力が大きいぶん、良い材料にも悪い材料にも人一倍大きく反応します。「強い会社」「弱い会社」が固定されているわけではなく、その日の材料しだいで主役が入れ替わるのです。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の5日間で、この2つの成績を比べてみましょう。
5日間の合計では日経平均+1.57%、TOPIX+1.56%とほとんど差がありません。ところが最終日の金曜だけを取り出すと、日経平均は+1.38%値上がりしたのに対しTOPIXは-0.07%とわずかに値下がりしています。金曜の上げがアドバンテストなどごく一部の値がさ株に偏っていたことを、この差がはっきり示しています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は月曜の約15.65倍から金曜には約15.89倍まで上昇しました。
週の前半に下げの主役だった値がさ株が、週の後半には上げの主役に回りました。月曜に効いた材料(AI減速懸念)と金曜に効いた材料(利上げが予想より小さかったこと)はまったく別の材料です。1つの企業グループの株価が1週間のうちに主役と"わき役"を入れ替えることは、めずらしくありません。
ハト派・タカ派(はとは・たかは)
中央銀行の政策姿勢を鳥にたとえた呼び方。景気を優先し利上げに慎重な姿勢を「ハト派」、物価上昇を抑えることを優先し利上げに積極的な姿勢を「タカ派」と呼ぶ。今週は日銀の利上げが「思ったよりハト派的」と受け止められ、円安・株高につながった。
政策金利(せいさくきんり)
日銀が決める、金融機関どうしがお金を貸し借りする際の目安になる金利。今週9月18日に1.00%から1.25%へ引き上げられた。
Q. 金曜日、日銀が利上げを決めたのに円安・株高が進んだ理由を、50字くらいで説明してみよう。
今週、日経平均とTOPIXの5日間の成績はほぼ同じだったのに、金曜1日だけを見ると大きな差がありました。この"1日だけの乖離"はグラフのどこに表れる?
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 週の前半は乱高下、後半は値がさ株主導の上昇
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
5日間の合計では日経平均+1.57%、TOPIX+1.56%とほとんど並びましたが、たどった道のりはまったく違います。月曜はソフトバンクグループなど値がさ株の急落で日経平均だけが沈み込み、乖離は月曜にもっとも広がって約1.55ポイントに達しました。火〜木曜も日経平均はTOPIXの後を追う展開が続きましたが、金曜に半導体の値がさ株が急伸したことで一気に差を詰め、週末にはほぼ同じ水準までそろっています。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。今週は月曜の急落も金曜の急伸も半導体などの値がさ株が主役となり、火〜木曜に出遅れた分を金曜1日でほぼ取り戻した。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。今週は月〜木曜にかけて幅広い銘柄の買いで着実に上昇したが、金曜は値上がり銘柄が511、値下がり銘柄が1,003と多数派が売られ、指数はわずかに反落した。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は週の前半にTOPIXが先行し、週の後半に日経平均が値がさ株主導で追いついたことが、この2つの指数の性格の違いをよく表している。
前回号(9/7〜9/11)の最終営業日の記事では、「15〜16日のFOMC結果と18日までの日銀会合(1.25%への利上げがあるか)、金利敏感株(銀行・保険・建設など)の動き、値がさ株がまた勢いを取り戻すか」を次号の答え合わせとしていました。結果は、FOMCが17日未明(日本時間)に0.25%の利上げを全会一致で決定し、日銀も18日に政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げ、まさに予告どおりの利上げとなりました。金利に敏感な業種は日によって明暗が分かれ、水曜には銀行業がわずかに軟調でした。値がさ株については、月曜こそソフトバンクグループなどが下げの主役でしたが、金曜にはアドバンテスト・東京エレクトロン・キオクシアホールディングスが上げの主役となり、「勢いを取り戻すか」という問いには金曜1日で答えが出た形です。
Q1今週、日経平均は+1.57%、TOPIXは+1.56%とほぼ同じだったが、金曜1日だけを見ると日経平均+1.38%、TOPIX-0.07%と大きく開いた。この差が生まれた理由を、「値がさ株」「時価総額加重型」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2月曜に下げの主役だったソフトバンクグループは、金曜の上げの主役にはならず、代わりにアドバンテストなど別の値がさ株が主役になった。同じ「値がさ株」のグループの中でも主役が入れ替わったことから、何が言えるか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の月曜の急落から火曜の乱高下、水曜〜木曜の値がさ株の買い戻し、金曜の日銀会合までを一本の筋で語ることはできても、そこにはAI業界トップの発言・FOMCの利上げ・原油価格の急落・日銀の政策判断・為替の変動という需給要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:ハト派・タカ派/政策金利/NT倍率。
来週は24日再開後の米中首脳会談の行方、22〜24日の米国債入札を受けた米長期金利の動き、そして金曜の高値6万5436円を上回れるかに注目。答え合わせは次号で。
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