投資のことを調べていると必ず見聞きする「指値注文」や「成行注文」。さらに「逆指値注文」という用語も出てきて混乱している方もいるのではないでしょうか。本記事では、指値注文とは何か、成行注文や逆指値逆注文との違いを交えながらスッキリわかるように解説しています。
指値注文をすると、株を高値で買うリスクを回避可能です。この記事を読めば、指値注文がなにか、いつ使えば良いのかがわかるようになります。ぜひ最後までご覧ください。なお、指値注文は株以外の投資でも使われる注文方法ですが、本記事ではわかりやすく株を例に説明します。
指値注文とは?逆指値注文や成行注文との違いは?
投資する際の注文方法には、次の3種類があります。
- 指値注文
- 逆指値注文
- 成行注文
これらは初心者も必ず押さえておいた方がよい注文方法です。取引に慣れてきても使えるので、投資状況や目的に適した方法を選択できるようにしっかり理解しておきましょう。
指値注文とは?逆指値注文との違い
指値注文とは、株などの投資商品を売買する場合に、価格を指定できる注文方法です。
市場で取引される価格があらかじめ指定した価格以下であれば買い、指定価格以上であれば売りの注文を出せます。指定した価格よりも安価での購入と、指定した金額よりも高価での売却ができるので、投資家の想定しない売買は発生しないのがメリットです。
例えば、ある株を100円で1,000株買いたいとか、110円で1,000株を売りたい、などと具体的に価格を指定して注文を出すことが指値注文です。
逆指値注文との違い
逆指値注文とは、市場で取引される価格があらかじめ指定した以下になれば売り、指定した価格以上になれば買う、という売買のタイミングを指定する注文方法です。指定した価格になったときに売買を行う方向が逆向きになるのが特徴です。
指値注文と逆指値注文の比較例は、次の表のとおりです。
指値注文 | 逆指値注文 | |
売り注文 | 1,000円以上 | 1,000円以下 |
買い注文 | 800円以下 | 800円以上 |
逆指値注文は、ロス(損失)が広がらないようにカットしたり、利益を一定金額で確保したりする際に有効な手段です。
なお、逆指値注文は、指定価格になって発注するタイミングで売買の注文が出されるものなので、実際の売買金額とは異なります。売買を発注するタイミングのことをトリガーといいます。トリガーが起こったら、指値と成行のどちらで注文するかを別に決めておくことが必要です。
例えば、「300円の逆指値で、指値280円で買い注文をする」なら、株価が300円になったら、280円の指値で買い注文を行います。また、「300円の逆指値で、成行で買い注文する」なら、株価が300円になったら、買うときのタイミングの価格がいくらであろうと、購入可能な価格で注文を行うのが逆指値注文です。
株価の値動きは早く、300円になってもすぐに価格が変動するので300円では買えないかもしれません。そのため、逆指値注文では、指値で注文するか成行で注文するかを決める必要があるのです。
逆指値注文について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
参考:逆指値とは?指値注文の逆ではない!正しく理解してリスクを減らそう
成行注文との違い
成行注文とは、株の売買価格を指定せずに注文する方法です。指値注文のように価格を指定しないので取引が成立しやすい反面、その時の市場価格によっては高値で買ったり、安値で売ったりするリスクがあります。成行と指値の注文方法の違いは、取引する価格を指定するかしないかです。
指値注文のメリット・デメリット
ここまで指値注文と成行注文の違いについて解説してきました。それぞれの特徴を理解したところで、ここでは指値注文のメリットとデメリットを解説します。前述した成行注文と比較すると分かりやすいでしょう。
指値注文のメリット
指値注文のメリットは、自分が指定する価格で売ったり買ったりできることです。あらかじめ売買価格が決まっているため、想定以上に高い価格で買ったり、低い価格で売ったりすることがありません。指値注文を行うと、高値づかみのリスクのないのがメリットです。投資に不慣れな場合でも分かりやすい注文方法といえます。
指値注文のデメリット
指値注文のデメリットは、取引が成立しない場合があることです。指値注文では、あらかじめ指定した価格以下にならなければ購入できなかったり、指定した株価以上にならなければ売れなかったりします。そのため思うような価格での売買ができない可能性があるのがデメリットです。早く取引を成立させたい場合には、成行注文の方が確実です。
指値注文と成行注文はどちらがいい?使い分けを解説
株に投資する際の方法には、指値注文と成行注文があり、それぞれ一長一短があるため常にどちらが良いとはいえません。価格を優先したいときは指値注文が、売買を優先したいときは成行注文が向いています。市場の状況や取引の目的に応じて使い分けが必要です。この章では、指値注文と成行注文の使い分けを解説します。
値段価格を優先したいときは指値注文
売買したい価格が決まっている場合は、指値注文が向いています。指値注文にすると、希望する価格より低く売ったり、希望より高く買ったりする心配がありません。売買価格が決まっているので、取引さえ成立すれば利益確定や投資資金の運用が計画的に行えるのがメリットです。ただし、希望する価格と市場で取引される価格とが離れている場合は、売買が成立しないことがあります。この場合は、次に説明する成行注文の方が向いています。
売買成立を優先したいときは成行注文
とにかく売買を優先したいときには成行注文が向いています。例えば、株価が下落する局面で、損失を拡大させないために早く取引を成立させて損切りするときは成行が有利です。買い注文がなくならない限り売れるのが特徴です。
また、同じ売買価格で成行注文と指値注文とでは、成行注文が優先されることは覚えておきましょう。売買成立のスピードと確実性を重視するには、成行注文が有効です。
指値にすると希望する金額で売れずに、価格が下がり続け含み損が増す場合があります。とにかく早く売買を成立させるには成行注文が向いています。
また、損切りの場合は逆指値注文を活用するのも良いでしょう。
参考:逆指値とは?指値注文の逆ではない!正しく理解してリスクを減らそう
まとめ:指値注文はリスクが少なく投資初心者にもぴったり
指値注文は、自分の納得する価格で株などを売買できるのがメリットです。売買価格を決めていれば、成行注文のように高値でつかんでしまうリスクを解消できます。投資初心者でも損や利益の見通しがつくので、価格を優先したいときは指値注文がおすすめです。
ただし、株価等が下落する状況で損切りする場面では、指値注文が成立しないこともあります。売買成立を優先したいときは、指値注文よりも成行注文が向いているでしょう。
株に投資する場合には、市場の動きや投資家の目的により注文方法が異なります。指値注文と成行注文の特徴を理解して、使い分けが大切です。投資に慣れてきたら、レベルアップして逆指値注文も利用してみましょう。
TBL投資アカデミーでは、投資初心者に向けた情報を提供中です。セミナーや講座・イベント等が用意されているので、お気軽にお問い合わせください。