ホーム » 配信情報トップ » BLOG » Apple社債が国債代替、上乗せ金利マイナスとは?【ニュースがわかる解説】

Apple社債が国債代替、上乗せ金利マイナスとは?【ニュースがわかる解説】

質問が多かった記事をピックアップして解説しました。今回はアップルの社債に関する記事から。2025年2 月14日、日経の記事にはAppleの社債が国債を代替という記事が掲載されました。

🗞️ 関連記事

慣れてないとタイトルからして意味不明ですね?なおさら記事の内容は不思議な言葉が続きます。最も質問が多かった部分はここ!

米アップルや米マイクロソフトなど高格付け企業の社債の国債に対するスプレッド(上乗せ金利)がマイナスとなった。トランプ米政権下での債務膨張懸念から米長期金利が強含むのと対照的に、企業の財務状況の改善を背景に社債にマネーが集まる。債券投資の基準として米国債の代わりに社債をとらえる動きも出てきた。

Apple社債関連のニュースのタイトル。りんごを一口噛み締めたような表情が面白い

上乗せ金利マイナス?米国債の代替?一体なにを言っているの?という感じで全く意味がわからないと質問が多くありました。

小学生でもわかるように最大限のわかりやすく解説しますので、読み終わったらもう一度チャレンジしてみてください。

💰 金利の高さは信用で決まる

たとえば、お金を借りるときに「友達から借りる」のと「知らない大人から借りる」のでは、どちらが安心できますか? きっと友達からのほうが安心できますよね。

同じように、国(アメリカ)が借金をするときに発行する「国債」と、大きな会社(アップルやマイクロソフト)が借金するときに発行する「社債」というものがあります。普通は、国の方が信用があるので、国債の方が「低い金利」(=安い借金の利息)でお金を借りられます。一方、会社が借金をするときは、「ちょっと心配だから、国よりも高い金利をつけてね」となります。これが「上乗せ金利(スプレッド)」です。

🗞️ うむ、まだわかんない!スプレッドとは?

国債と社債のスプレッドとは?

国債と社債のスプレッド(上乗せ金利)とは、社債の金利(利回り)と国債の金利(利回り)の差のことです。通常、企業の社債は国債よりも信用リスクがあるため、社債の利回りは国債よりも高くなります。この「差」がスプレッドと呼ばれます。

簡単な式で表すと

スプレッドは以下の式で求めます。

スプレッド=社債の利回り−国債の利回り

例えば:

  • 10年国債の利回り4.0%
  • アップルの10年社債の利回りが 5.0%

この場合のスプレッドは、

5.0%−4.0%=1.0%

つまり、スプレッドは +1.0% です。プラスの上乗せ金利ですね。これが普通の状態です。つまり、「社債の方がリスクがあるから、投資家は国債よりも高い金利を要求している」状態です。

🤦 それで何が起きてるの?

しかし、今は特別なことが起きています。
アメリカの借金(国債)が増えて「アメリカの将来、ちょっと大丈夫かな?」と心配する人が増えています。だから、国債の金利が上がってしまいました。

一方で、アップルやマイクロソフトのような大企業は「すごく安定しているし、お金を返せなくなる心配がない!」と思われていて、社債の金利が下がっています。

そしてついに、国債の金利より社債の金利のほうが低くなってしまいました。 これが「上乗せ金利がマイナス」になったということです。

先の数式で考えてみましょう。

たとえば:

  • 10年国債の利回りが 4.5%
  • アップルの10年社債の利回りが 4.3%

この場合、

4.3%−4.5%=−0.2%

となり、スプレッドがマイナス(-0.2%) になります。

要約すると

要約すると、「普通は国の方が信用されているはずなのに、今はアップルやマイクロソフトの方が国よりも安心できると思われている」という、ちょっと不思議な現象が起きているわけです。国債よりもアップルやマイクロソフトのほうが信用されるなんて、普通では考えられないことですが、それだけ「アメリカの財政が不安視されている」ということですね。
それではここまでの解説を握りしめて、再び記事に戻ってチャレンジしてみてください!
お買い物カゴ