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米国の株式市場における業種の分類

米国の株式市場における業種の分類はどんなもの?

前回は、日本の東証株価指数33業種について書きました。今回は、日本の業種と米国の業種の分類には、どのような違いがあるかについてまとめていきたいと思います。

前回の日本の33業種についてはこちら

業種とはなに?

米国の株式市場における業種の分類には、いくつかの方法がありますが、最も一般的なのはGICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。いきなり横文字が出てきてなんか難しそうに見えてしまいますね。大丈夫ですよ。そんな名前があるということだけですので。

GICS(Global Industry Classification Standard)は、S&P Dow Jones IndicesとMSCIが共同で開発した、世界的に使用されている業種分類基準です。GICSは、世界中の株式市場に上場する企業を11のセクターに分類し、それぞれのセクターをさらに細分化した産業グループ(Industry Group)と産業分野(Industry)に分類しています。

GICS体系図

11セクターとは、日本の33業種に比べると随分と簡潔ですね。GICSによる米国の業種分類についてもうちょっと詳しく説明します。

1.エネルギー(Energy)

原油・天然ガスの探査・開発、製油、パイプライン、石油製品の販売などの業種が含まれます。規模は大きいが成熟している企業が多く、成長性は期待きにくい原油価格に業績が左右されるので、石油産出国の政策に影響を受けやすく、その分、ボラティリティは高くなるのが特徴です。代表的な企業には、Exxon Mobil、Chevron、ConocoPhillipsなどがあります。

2.素材(Materials)

金属、鉱物、化学物質、林業製品、建材などの素材関連の業種が含まれます。様々な産業の生産に欠かせない素材を生産する企業が属し、生産者向けなので、一般消費者にはなじみが薄いです。景気に敏感に反応するので、景気回復時に強みを発揮するセクターでもあります。代表的な企業には、Dow Chemical、Sherwin-Williams、Ecolabなどがあります。

3.工業製品・資本財(Industrials)

航空、宇宙、防衛関連、鉄道、建設機械、重機などに関わる資材の製造・販売、商業サービスの提供を行う企業が属します。一般消費者向けの製品とは関連が少ないので、事業内容が知られてないことが多い。代表的な企業には、General Electric、Boeing、3Mなどがあります。

4.一般消費財(Consumer Discretionary)

生活必需品ではないが、自動車、アパレル、レジャー用品から旅行・ホテル関連など、消費者向けの製造業・サービス業などを提供する企業が属します。生活必需品ではないので、景気後退局面では影響を受けやすい。代表的な企業には、Amazon、Walt Disney、Ford Motor、Marriott Internationalなどがあります。

5..生活必需品(Consumer Staples)

消費財には2種類があり、その中の一つです。食品や日用品など、生活に欠かせない商品を製造・販売する企業が属します。景気変動の影響を受けにくく、高配当企業が多いのが特徴です。代表的な企業には、Procter & Gamble、Coca-Cola、Walmart、Walgreens Boots Allianceなどがあります。

6.ヘルスケア(Health Care)

医療機器、製薬、バイオテクノロジー、ヘルスケアサービスなどの業種が含まれます。景気に関係なく医療に対する需要は存在するので、不況に強いその分、ボラティリティが低く、配当も高いのが特徴です。代表的な企業には、Johnson & Johnson、Pfizer、UnitedHealth Group、Amgenなどがあります。

7.金融(Financials)

銀行、証券、保険、不動産投資信託(REIT)など貸付や保険、資産運用に関するサービスを提供する企業が属します収益源は金利で、景気に敏感なセクターで、金利にも敏感に反応するセクターでもあります。(金利高:収益向上、金利下落:収益低下)代表的な企業には、JPMorgan Chase、Goldman Sachs、Berkshire Hathawayなどがあります。

8.情報技術(Information Technology)

コンピュータ、ソフトウェア、通信、インターネット関連の業種などITサービス、ハードウェアを提供する企業が属します現在の米国経済を牽引するセクターで、世界の時価総額ランキングで上位に位置する企業が多く属しているのが特徴です。代表的な企業には、Apple、Microsoft、Facebook、Intelなどがあります。

9.通信サービス(Communication Services)

テレビ、インターネットサービス、映画、音楽配信などの業種が含まれます。2018年に電気通信サービスから現在の名前に変更されました。固定回線やワイヤレス通信、光ファイバーなどのネットワークを利用した通信サービス(ディフェンシブ)や、アルファベット(グーグル)、メタ(旧ファイスブック)などの景気敏感が混在するのが特徴です。代表的な企業には、Verizon Communications、AT&T、Netflix、Walt Disneyなどがあります。

10.公益事業(Utilities)

電気、ガス、水道などの公益事業関連の業種が含まれます。米国内で提供するので、日本を始め、海外の人には馴染みの薄い銘柄が集まっています。景気に関係なく必要とされるので、不況にも強いディフェンシブなセクターです。代表的な企業には、Duke Energy、NextEra Energy、American Electric Powerなどがあります。

11.不動産(Real Estate)

不動産投資、不動産開発、不動産サービスなどの業種が含まれます。こちらも米国内でのビジネスがメインなので、海外の人には馴染みが薄い企業が多いのが特徴です。主な収益源が手数料なので、企業の業績、景気、金利、物価など多くの要素に影響されやすいのがもう一つの特徴です。代表的な企業には、Simon Property Group、Prologis、Equinixなどがあります。

以上、GICSによる米国の業種分類について詳しくみてきましたが。いかがでしたか?米国企業の場合、GICSの分類基準により、同じ業種に属する企業を比較することが容易になります。また、投資家が特定の業種に焦点を合わせた投資を行う場合にも役立ちます。

では、特定の業種に焦点を合わせた投資を行うというのはどういうことでしょうか?

例えば、「規模が大きく、成長著しいセクターに投資したい」のように思うこともあります。11セクターはどれくらいの大きさなのか知りたくありませんか?それにはいい資料があります。S&P500指数に占める各セクターの比重を示すのがこの図です。

図 S&P500指数に占める各セクターの比重(Sector Breakdown)(https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-500/#dataのデータに基づき、ジョン作成)

これをみるだけでも、米国の産業構図がどうなっているのかが一目瞭然です。情報技術(Information Technology)が26.1%、ヘルスケアが14.2%と2つのセクターだけで4割を占めているので、重要な位置を占めている、従って注目する価値は十分あるというのがわかりますね。

米国の業種区分、正確にいうとセクター区分について詳しく学びました。楽しかったですか?次回は日本の33業種と米国の分類基準は何が違うのかに、その違いはどこからくるのかについて学んでみましょう。

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