トランプ氏がアメリカ大統領に就任し、彼の発言が日々の株価の動きに大きく反応しています。そんな中、彼の発言に影響を受けにくい、内需関連(ディフェンシブ)株について解説してみましょう。
東証での33業種については過去のブログに掲載しています
主な内需関連株の種類(セクター別)
- 小売業(例: コンビニ、百貨店、ドラッグストア)
- 食品業界(例: 食品メーカー、飲料会社、外食産業)
- 不動産業(例: 不動産開発、賃貸業)
- 医療・ヘルスケア(例: 製薬会社、医療機器、介護関連)
- 金融業(例: 地方銀行、保険会社、リース業)
- 通信業(例: 携帯電話キャリア、インターネットサービスプロバイダー)
- 交通・物流業(例: 鉄道、バス、宅配便)
- エネルギー・インフラ(例: 電力会社、ガス会社、水道事業)
- 教育・サービス業(例: 学習塾、人材サービス、エンターテインメント)
- 建設業(例: 建設会社、住宅メーカー)
このように、少なくとも10種類以上の主要な内需関連セクターが存在します。
今回は特にサービス業である小売・金融・通信・医療関連株について解説します。
この中でも3.不動産業や10.建設業は景気敏感株としても分類されています。こちらについても過去のブログに掲載しています
日本の内需型株について
はじめに
日本経済は輸出産業が強い一方で、国内市場に依存する内需型株も投資家にとって重要な選択肢です。本記事では、内需型株の特徴、代表的な銘柄、そして投資のポイントについて解説します。
内需型株とは?
内需型株は、主に国内市場での需要に依存している企業の株式を指します。これらの企業は、為替変動や海外経済の影響を受けにくいことが特徴です。
また、国内で必需品やサービスを提供している企業は、景気変動に左右されにくいことが多いく。特にインフラ関連や生活必需品の企業が該当します。
そして、海外取引が少ないため、昨今のような激しい為替変動の影響を受けにくいということが挙げられます。
主なセクター
- 小売業: スーパー・コンビニエンスストアなど
- 金融関連: 三井住友FG・みずほ銀行など
- 通信業:NTTやソフトバンクなど
- 医療・ヘルスケア: エーザイ、第一三共など
内需型株のメリット
- 安定した収益基盤: 国内市場に根ざしているため、安定した収益が期待できる。
- 為替リスクの低減: 輸出依存型企業と比べ、円高・円安の影響を受けにくい。
- 景気循環の影響を受けにくい業種も存在: 医療や生活必需品関連は景気に左右されにくい。
内需型株のデメリット
- 国内経済への依存度が高い:人口減少や景気後退で影響を受けやすい
- 成長余地の限界:海外展開が少ない分、成長スピードが鈍いことも
それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう
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小売業は、商品やサービスを最終消費者に直接販売する業種です。国内の個人消費に強く依存し、典型的な内需株とされています。
小売業
💡 小売業株の特徴
- 内需依存: 国内の消費動向や景気に敏感
- 安定性: 食品や日用品を扱う業態は景気変動に強い
- 成長性: EC化やキャッシュレス化の進展で新たな成長機会
- 利益率: 競争が激しいため薄利多売型が多いが、ブランド力で差別化が可能
📈 小売業の株価に影響する要因
- 個人消費の動向: GDPや消費者信頼感指数(CCI)が参考指標
- 賃金・雇用状況: 所得増加は消費拡大に直結
- 物価・インフレ: コストプッシュ型インフレ(*)は収益圧迫のリスク
- 為替相場: 海外からの仕入れが多い企業は円安でコスト増
- 政策: 消費税率の変更、政府の景気刺激策
❓コストプッシュ型インフレ: 原材料費や人件費などの 生産コストが上昇することで、企業が価格を引き上げざるを得ない状態になることをコストプッシュ型インフレと言います。
セクター
総合スーパー(GMS)
イオンなど、食品から衣料品、家電まで幅広く扱う。大量仕入れで価格競争力が強い。コンビニエンスストア
セブン・イレブンなど、24時間営業で利便性が高く、少額決済や日用品の即時需要に対応。専門店
ユニクロ(ファーストリテイリング)など、 特定のカテゴリーに特化し、独自のブランド戦略で成長。ドラッグストア
マツモトキヨシなど、 医薬品だけでなく日用品や食品も扱い、ヘルスケア志向の高まりで成長中。EC(電子商取引)・ネット通販
楽天など、 オンラインでの購買需要増加に伴い、急速に拡大。物流網の強化がカギとなっている
投資のポイント
食品や日用品を取り扱う業界は、いわゆるディフェンシブ株と言われるもので、不況耐性が強い、つまり不況でも業績への影響が少ないと言われています。そのため、世界経済が落ち込むニュースが出ると投資家は内需株へ目を向けるようになります。
また、そのような中でも、安定したキャッシュフローを持つ企業は配当利回りが良好なものは注目されていきます。
ただし、価格競争による利益率の低下や、労働・物流コストの上昇・天候不順などによる販売低迷などによる、営業利益の圧迫リスクがあります。