2016年12月15日の東京株式市場は小幅ではありますが8日続伸しました。
終値は20円18銭(0.10%)高の1万9273円79銭でした。
市場の注目を集めていた、FOMCの結果、利上げのスピードが
早まるとの観測から急速な円安が進み、
株式市場にも買いが波及しました。
6日連続の年初来高値更新になっただけに
高値圏では売りが出ることで上げ幅は限定的でした。
過熱感が懸念されながらも上昇を続ける日経、
ここからの戦略を含め、本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は8日ぶりに反落しました。
ダウ工業株30種平均は8日ぶりに反落して、
前営業日比118ドル68セント(0.6%)安の1万9792ドル53セント、
ナスダック総合株価指数も反落して 、
前営業日比27.156ポイント(0.5%)安の5436.672で取引を終えました。
市場の関心を集めていたFOMCの結果、
1年ぶりとなる利上げが決定、
さらに利上げのスピードが早まるとの観測が広がることで、
株式市場には売りが広がりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国の利上げが決まった上に、
そのスピードが2017年3回と、早まる観測で
円売りが加速、急激に円安が進み、買いが先行しました。
円安の恩恵を受ける自動車など輸出関連に買いが進み、
上昇幅は180円に達しましたが、
市場の材料となるFOMCを通過して、
材料出尽くしとの心理が広がると同時に
高値圏での警戒感も出ることで下げに転じる場面もありました。
午後に入っては積極的な売りが入りにくいこと、
押し目を拾う動きで、売りが一巡に
値を戻して20円プラスで本日の取引を終えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆8103億円、
売買高は23億2463万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1115、
値下がりは745、変わらずは138銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経平均の日足は、上下にヒゲを持つ小陰線を形成しました。
ボリンジャーバンドのバンド幅が広がった状態で
+2σも上向き継続なので、上昇トレンド継続なのは
間違いありませんが、過熱感は十分出ている上昇です。
25日移動平均を基準にした騰落レシオが165%と
非常に高い過熱感を示しているので、
いつ反落してもおかしくない状況です。
警戒は必要ですが、今夜のニューヨークが極端な下げにならない限りは
このトレンドをストップさせることはないと見られます。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
117円に進んだ円安を背景に、自動車・輸出関連のみならず
インバウントの恩恵を受けやすい銘柄にも買いが集まりました。
ラオックスや百貨店系など、外国人のショッピングが大きな割合を占める
銘柄は商いが活発になりました。
利上げが早まるとの観測から米国市場に売りが入りましたが、
そもそも連日の高値更新など、高値警戒感が広がっていたことで、
調整に入る準備は整っていた状況です。
注目は今夜の動きです。
ドル高円安・株安が一時的な要因で終わるか、
それ以外の場合は円安基調がさらに進む可能性もあり、
上げ幅を広げる動きに戻ることも考えられます。
明日は週末という要因に、
外国人投資家がそろそろポジションを整理して
クリスマス休暇に入る時期でもあるので、
目先の利益を確定する売りが入りやすいタイミングです。
しかし、売りが進んで安値を切り下げていく動きも想定しづらいので、
少しの動きには慌てずに対処していきましょう。
【各市場の動き】
日経平均(円):19,273.79 +20.18 +0.10%
NYダウ(ドル):19,792.53 -118.68 -0.59%
ドル(円): 118.40-41 +3.42円安 +2.97%
ユーロ(円):123.57-61 +1.13円安 +0.92%