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2017年7月3日の日経概況

2017年7月3日の東京株式市場は反発しました。
終値は22円37銭(0.11%)高の2万0055円80銭でした。
注目を集めていた短観(全国企業短期経済観測調査)が
市場予想を超える結果になったことが買いを誘ってきました。
ただ、政権運営の不透明性が増すという国内要因に
起因する警戒心から上値は重くい維持しました。
揺れ動く政局の動きを含めて、本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

前営業日の米国市場は反発と続落のまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比62ドル60セント(0.3%)高の2万1349ドル63セント、
ナスダック総合株価指数は続落して、
前営業日比3.931ポイント(0.1%)安の6140.420で取引を終えました。

ダウ工業株30種平均は前日の大きな下落があり、
自律反発の買いが入り安い環境にありました。
加えて、原油先物が7日続伸したことで、
エネルギー資源関連銘柄に買いが入り、市場をリードしました。

一方、ナスダックは大型のIT関連銘柄がまちまちな動きになったことで、
方向感のない展開を余儀なくされました。
ナスダックは上げ下げを繰り返しながら
下値を保っているように見えますが、
実は抵抗に会って、上値を抑えられ、切り下げているところです。
材料一つで大きく動く可能性があるので、注意が必要です。

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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
6月30日のCME日経平均先物は2万円台を回復、
9月物は前日比90円高の2万0065円で引け、
30日の大取終値を45円上回りました。

SGX日経平均先物も買い先行でスタート
日経平均先物9月物は前日の清算値比70円高の2万0070円で始まりました。

日本市場は外部環境の日経先物のプラス影響が国内の政治要因で
希薄化されて、小幅の上昇スタートになりました。
始値は前週末比22円89銭高の2万0056円32銭、
東京都議選で自民党が歴史に残る大敗に記したことで、
国内政策運営の不透明感が広がり、上値が重くなりました。

狭い範囲での様子見の動きが続いた結果、22円高で前引けを迎え、
午後に入ると、むしろ上昇幅を拡大する場面が見られました。
しかし、俯瞰してみると小幅の動きに終始、
反発に意味を持たせるくらいの動きで本日の取引を終えました。

先週末の解説では「鉄鋼、銀行業、輸送用機器などは引き続き注目です。」と解説、
本日の上昇率でも鉄鋼がトップに立ちました。
モメンタムがついているので、引き続き注目、
ただし、明日まで上昇を続ける場合は、過熱感も出てくるので、
短期中心の方は利益確定のポイントを定めるタイミングです。

東証1部の売買代金は概算で2兆509億円、
売買高は16億109万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1117、
値下がりは767、変わらずは138銘柄でした。

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【日本市場の動向:テクニカル分析】

日経の日足は短い上下ひげをもつ十字架を形成しました。
前日の日足が節目となる25日線に支えられるのを確認した後、
短い期間でのトレンド転換をしながら反発、
実体レベルでは微小ですが、窓を形成しました。

先週末の解説は「25日線にまたがって下ヒゲ長くもどして、
2万円を終値で守った状態で引けたことは
短い時間に上方への転換も考えられる形です。」と説明しました。
その通り、短い転換になりましたが、明日も本日の高値を抜けてくるかが
確認ポイントです。

上値では一目均衡表の転換線に抑えられ、
下値では25日線に支えされる板挟み状態ですが、
現状で確認の重きが置かれるのは下値が支えられているところです。

週後半に向かっては持ち合いになりやすいので、
その前にしっかり保って、前回のアイランドリバーサルで
宙に浮いている高値圏に近づけておきたいところです。

明日は逆に下げると、乱高下の持ち合い継続になり、
調整が入る場合の下げの目処は
週足で見られる19500円付近の節目になるでしょう。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

本日の材料になったものはなんといっても
短観と東京都議員選でしょう。
東京に基盤を置く地域政党とはいえ、
作られたばかりの新生政党にはるかに届かない
歴史的的な敗北を味わった自民党。

敗北の原因は他の専門家がより詳しく説明してくださるはずなので
割愛することにして、筆者は市場へのインパクトと
これからの対応に集中します。

与党の敗北になると市場は大体大きなネガティブで反応するのが普通です。
特に今回のような参事とも呼べるレベルになると暴落を見せてもおかしくないですが、
市場は驚くほど冷静に今回の出来事を受け止めました。

本日の出来高をみればわかるように、
日本の政治安定を一つの投資要因として日本株を買っていた
外国人投資家の参加が少なかったことが
市場の下落を防止してくれたことになります。

今回の結果は結局、市場にとってプラスになると考えられます。
短期的にはイベントを冷静に通過したことで、ドル・円の為替市場と
米国市場が主な材料になりますが、
ドル・円が円安方向に振れてくる気配があるので、
日本市場にはプラス要因になるでしょう。

中・長期的には来年の12月の選挙にむかって、
現政権が必死になる必要が出てきたということです。
今回の事態を挽回するためには株式市場と景気を浮揚するために
あらゆる手と尽くしてくることが予想されます。

前日に引き続き、円高傾向で厳しい動きを強いられた
鉄鋼など、景気敏感株への物色は当分続くので
引き続き注目してみましょう。

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【各市場の動き】

日経平均(円)
20,055.80    +22.37    +0.11%
NYダウ(ドル)
21,349.63    +62.60    +0.29%
ドル(円)
112.60-61    +0.55円安  +0.49%
ユーロ(円)
128.39-43    +0.53円安  +0.41%

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