投資をしていくと必ずぶち当たるVIX指数というもの。横文字3つが並ぶだけで、もう逃げたくなりますね。しかし、その意味と使い方がわかると投資のレベルは数段も上がります。少しだけ時間を使って取り組んでみませんか？世界一わかりやすく説明しますので。
VIX（ヴィックス）とは
株式市場に対する投資家の心理状態を数値で表したものです。この数字が上昇すると投資家心理が悪化することを意味します。
VIXはVolatility Indexの略で、恐怖指数とも呼ばれています。米国のシカゴ・オプション取引所（CBOE）が、S&P500株価指数のオプション数値を元に算出・発表している数値です。
VIXは市場が今後30日でどのように変動すると予想しているのかを数値化している指標です。日本には日経VIというのがあります。
難しいことはいいので、VIXの見方は？
個人投資家はまずこの見方を覚えましょう。
・今後S&P500の動きが激しくなる（ボラティリティが上昇）と予想する投資家が増える：VIXが上昇
・S&P500の動きが安定すると予想する投資家が増える：VIXが下落
VIXの使い道は？
相場の環境を認識して投資のタイミングを図るときに有用です。これだけ言われてもわからないですね。実際の例を見ながらわかりやすく説明しましょう。
まず判断の目安となる数値を覚えてください。
10-20:安定相場
30：警戒感が高まる
40：パニック相場
VIX指数（青）とS&P500の動き（オレンジ）を比較したの図１を見てください。青のVIXが高まるとオレンジ色のS&P500が下がる傾向があることが確認できます。
図1. VIXとS&P500の動き
この比較では面白い傾向も見つかります。コロナ前と後では相場が全然違うということをよく聞きますが、VIXをみるとそれが明確にわかります。
コロナ前と後を比較すると、VIXは10-20の間で推移しています。コロナの後はそれが嵩上げされたように20-30の間で動くのが確認できます。つまり、市場全体としてボラティリティが高くなったことを意味します。相場が変わったと感じるのは当然ですね。
だからなに？もうちょっと具体的な使い方を教えて
傾向がわかったところで、なにに使うのよ？どこに使うのかがわからないと投資には役に立たないですね。それでは、まずVIXを使っていつ市場の下げが終わって反発するかを見つけ出す方法から考えます。これがわかると、自分が欲しいという銘柄もいつ買えばいいのかがわかりますね。下の図２でVIXが30をこえてピークに向かうタイミングに赤い円を書き入れました。そして、S&P500が底を打って上昇を始めるタイミングに緑の円を書き入れました。
ほぼ正確に一致するのがわかりますね？つまり、VIXが30をこえて40付近まで行くと「そろそろ売られ過ぎ、買いのタイミングがもうすぐくる」という判断ができるわけです。これなら使えますね！
図2. VIXのピークとS&P500のボトム
じゃ、相場の天井もわかるんじゃない？
はい、その通りです。ボトムがわかるので、天井を調べることもできます。先とは反対の現象を探すことです。特にこれは2022年以降に明確に現れています。2022年にはいるとVIXが20を下回り、市場が安定し過ぎて天井を迎えてから下げ始めるのが確認できます。
図3ではVIXが20を下回るのが4回確認できますが、そのたびにS&P500は天井を迎えて下げています。保有する銘柄が上昇しているけど、いつピークになるだろうという判断に有効ですね。
図3. VIXが20を破るとき
さらに広がるVIXの使い方
個別の銘柄を売買するタイミングにも応用できることは理解できました。指数を直接取引する先物（S&P500株価指数先物、日経225先物）やオプション取引にも活用価値は200%です。
いかがでしたか？自分とは関係のないと思っていたVIX指数、実はとても役に立つことがわかりましたね？
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