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2023年 5月17日の日経概況

【市場総括】

2023年5月17日の東京株式市場は5営業日続伸しました。終値は前営業日比250円60銭(0.84%)高の3万0093円59銭で終えた。1年8カ月ぶりに終値で3万円を回復しました。米国市場が軟調で先行き不透明感が強まる中、相対的な安定性を見込んでの買いが入り続け、朝方から買いが先行してスタート。円安が進行したことは輸出関連への買いにつながり、3万円を突破した後はさらに上げ幅を拡大、上げ幅が270円超えまで伸びましたが、3万円を超えたと言う達成感から利益確定の売りが出て、上げ幅を縮小して終わりました。

本日も最後までしっかりお読みください。


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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。ダウが小幅に反落して、前営業日比336ドル46セント(1.0%)安の3万3012ドル14セント、ナスダック総合株価指数は反落して、前営業日比22.156ポイント(0.2%)安の1万2343.053で取引を終えました。S&P500種は上昇して、前日比+12.20(0.29%)の4,136.28で引けました。

ホーム・デポの業績が市場を揺るがし、債務上限問題も引き続き懸念材料としてのしかかっています。2023年2~4月期の四半期決算で売上高が市場予想を下回ったホーム・デポは2%安まで売られ、ダウの下げ幅を拡大させました。

債務上限問題で、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長の会談結果を見極めたいとの心理も引き続き投資家心理を縮小させ、積極的な売買は控えられました。


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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が軟調で先行き不透明感が強まる中、相対的な安定性を見込んでの買いが入り続け、朝方から買いが先行してスタートしました。円安が進行したことは輸出関連への買いにつながり、3万円を突破した後はさらに上げ幅を拡大する場面がありました。

上げ幅が270円超えまで伸びましたが、3万円を超えたと言う達成感から利益確定の売りが出て、上げ幅を縮小して終わりました。縮小はしたものの、3万円を突破してからもしっかり3万100円近くまでつけてきました。

業種別の動きでは明暗が分かれました。活況にもかかわらず値下がり銘柄数の方が優位で前日物色された内需系が利益確定に押されました。水産、倉庫が売られ、海運業、非鉄金属、精密機械などの景気敏感業種の押しが強く、石油・石炭製品、機械なども下げました。

金融関連が強く、保険が上昇率3位、銀行業が5位を占めて、証券もトップ10入りを果たしました。その他、空運業、陸運業、小売業などインバウンド系の業種が引き続き買われました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は短い上髭を持つ陽線を形成しました。実体が前日の日足から上離れて上向けのギャップを4営業日連続であけました。前日は”「3空は売れ」という格言の通り、売りが出てもおかしくない位置ですが、チャートだけではまだ下げのサインは出ていません。”と解説、その通りの動きでした。

1年8カ月ぶりの3万円回復であるが故に、各種指標も記録的な数字です。25日移動平均乖離率が4.5で2022年8月17日以来の高い水準を記録、RSIも80近くまで上昇しています。

過熱感はでていますか?という質問が愚かに思われるほどの上昇トレンドで、理性では説明できない領域にいます。その分、反転して下げる時の逃げ足も早くなるので、急落には常に備えておきましょう。

見方も前日から変更せず、調整が入るとしても暴落というシナリオは描かず、中・長期的な上昇トレンドに乗せると考えるのが良いでしょう。

東証プライムの売買代金は3兆3542億円、売買高は14億2804万株。東証プライムの値上がり銘柄数は758、値下がりは1007、変わらずは70銘柄でした。


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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日はオプションなどの手口から市場に違和感が広がっているということを伝えました。流石にそれが1日で現れることはなく、本日はついに1年8ヶ月ぶりの3万円突破まで躍進しました。

3万円を超えるところからは2つの要因が重なり合うい、さらなる上昇につなげました。ショートカバーと、持たざるリスク。この2つがその要因です。

目立つ価格である3万円付近ではショート(空売り)ポジションのロスカット(これがショートカバー)が多くセットされており、一つのトリガーが発動すると連続して買い戻しが進む傾向があります。買い戻しが進むと当然、価格は上がっていきます。

次、活況になればなるほど買っていく外国人の投資性向から考えると、ここまでポジションを保持してこなかった投資家は急いで買っていくと考えられます。これが持たざるリスクを意識した買い。

二つが合算されているので、動きは強力、一気に3万200円までも奪還してしまいそうな勢いです。新たに買いを入れるには割高感があまりにも強いので強引に入らなくてもよい。

ただ、前日の騰落比率が148.86で2021年9月以来の高い水準から本日から急落し始めたので、反転する日も近くなってきました。注意が必要です。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均30,093.59+250.60(0.84%)
TOPIX ※2,133.61+6.43(0.30%)

為替

ドル・円 ※136.98 – 136.99+1.19(0.87%)
ユーロ・円 ※148.28 – 148.29+0.43(0.29%)
ユーロ・ドル ※1.0824 – 1.0826-0.0064(-0.58%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) ※33,012.14-336.46(-1.00%)
S&P500種4,109.90-26.38(-0.63%)
ナスダック12,343.053-22.156(-0.17%)

債券・金利

米10年国債(%)3.541+0.036
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