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2023年 6月28日の日経概況

【市場総括】

2023年6月28日の東京株式市場は5営業日ぶりに大幅に反発しました。終値は前営業日比655円66銭(2.02%)高の3万3193円99銭。米国市場が反発したことを背景に買いが先行してスタート、前日までの4営業日続落で1000円超を下落しており、反動による上昇を期待した自律反発の買いも加わりました。午後に入ると外国人の買いと見られる流れがみられ、上げ幅を拡大、円安の進行で輸出関連、自動車関連が物色された他、ナスダックの上昇をうけて、半導体関連銘柄に資金が流れました。

本日も最後までしっかりお読みください。


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【米国市場の動向】

米国市場は反発しました。ダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発して、前営業日比212ドル03セント(0.6%)高の3万3926ドル74セント、ナスダック総合株価指数は反発して、前営業日比219.895ポイント(1.6%)高の1万3555.673、S&P500指数も反発して+49.59(1.14%)の4,378.41ポイントで取引を終えました。

堅調な経済指標の結果を受け、FRBの利上げ発言により景気が減速するとの懸念が和らぎました。景気関連指標の発表が多く予定されていたことは予告していた通りです。5月の米耐久財受注は、コア資本財の受注が市場予想を上回り増加,5月の新築一戸建て住宅販売戸数も前月比12.2%増加で1年4ヶ月ぶりの高い水準を記録しました。

その他、6月の消費者信頼感指数も約1年半ぶりの高水準となったことが投資家心理を好転させ、7営業日ぶりの買い相場となりました。前日まで厳しい動きになったテスラ、エヌビディアの上昇が目立ち、ハイテクの主要な銘柄アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなども上昇しました。


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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が反発したことを背景に買いが先行してスタート、269円高で寄り付きました。前日までの4営業日続落で1000円超を下落しており、反動による上昇を期待した自律反発の買いも加わりました。

朝方は大きな材料がなく、前場は伸び悩んで引けましたが午後に入ると外国人の買いと見られる流れがみられ、一気に上げ幅を拡大させました。円安の進行で輸出関連、自動車関連が物色された他、ナスダックの上昇をうけて、半導体関連銘柄に資金が流れました。

業種別の動きでは海運業以外の32業種が上昇するほぼ全面高の展開。前日に続いて景気敏感株及び金融関連が強い相場でした。海運業は1日だけで利益確定におされ下落した唯一の業種となりましたが、空運業、輸送用機器、ガラス、電気機器等の景気敏感株は強い上昇となりました。

上昇率1位は証券でその他金融も上昇率6位、 機械、サービス業、その他製品、非鉄金属、ゴム製品など素材系の業種全般が上昇しました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は下髭を持つ陽線を形成しました。前日の日足から高値と安値を切りあげて形でも上昇、上に向かってのトレンド転換が成立しました。 これで再び上昇トレンドになるかと言うのは明日以降の動きに関わっています。

本日の高値を上に抜けて前回の高値付近まで上昇する場合、上に向かっての波動はスタートしますが、前回の高値が密集している33,700円台に行くとレジスタンスになることが予想されます。

このレジスタンスを上に抜けられずに下に向かって転換すると、今回よりさらに深い調整も考えられます。その場合は夏ばて相場の到来でしょう。

東証プライムの売買代金は3兆9036億円、売買高は13億9995万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1733銘柄、値下がりは89銘柄、変わらずは12銘柄でした。


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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

外国人の買い意欲がまだ衰えていない。今日の午後の動きをみて受けた印象です。特段、これというような材料は見当たりませんでしたので、午前中の伸び悩みはある意味当然、米国市場の上昇を反映するなら妥当な範囲との動きでした。

特にこのタイミングは「GPIFのリバランス売り懸念」という悪材料が懸念されているところです。(リバランスとは?→株式、債券など複数の金融商品に分散投資を行う際に、相場の上下に伴って変化した投資配分の比率を修正していくことを指します。例えば、値上がりした銘柄は売り、値下がりした銘柄を買い増す、または株式と債券の比率を見直すなどのことも含まれます。)

年金基金やその他の機関投資家は、四半期末や月末ごとに株式と債券で厳格な資産配分限度を守っているか確認する作業を行います。そして、株式の比率が高まっていると、株式を売却し、株式の市場エクスポージャーを減らす必要があります。これが「GPIFのリバランスによる売り懸念」というものです。

特に今四半期は株式市場が33年ぶりの高値に到達するなど、債券の利回りを大きく上回ったので、大量の株を処分する要因が存在します。それが6月末に待ち構えている悪材料。それを考えると、本日の上昇を主導したのは日本の機関投資家とは考えにくいでしょう。

そのため、この上昇が一時的なものになるか、今後も33年ぶりの高値更新を試すことになるかは、明日も上昇して前回の高値を超えるかに関わっているとテクニカル分析で説明したわけです。

本格的な上昇トレンド再開と判断されると、来週から参戦しても遅くはないと思うと、今週は様子見を決め込むか、短期トレードに徹するのも良い戦略でしょう。


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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)33,193.99+655.66(2.02%)
TOPIX 2,298.60+44.79(1.99%)

為替

ドル・円 144.01 – 144.02+0.50(0.34%)
ユーロ・円 157.75 – 157.77+0.77(0.49%)
ユーロ・ドル 1.0953 – 1.0955+0.0015(0.13%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,926.74+212.03(0.62%)
S&P500種4,378.41+49.59(1.14%)
ナスダック13,555.673+219.895(1.64%)

債券・金利

米10年国債(%)3.765+0.043
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