6月13日、東京株式市場は重苦しい空気に包まれました。朝方伝わった「イスラエルがイランの核関連施設を攻撃した」との報道が、突如として世界のリスクマップを塗り替える「地政学ショック」となりました。
市場への多面的影響
為替市場:急激な円高進行
ドル円相場は一時142円台まで円高が進行しました。円が安全資産として買われる動きが強まり、輸出関連企業への打撃が深刻化しています。
エネルギー市場:原油価格急騰
原油価格は一時1バレル78ドル近くまで急騰し、現在も8.48%上昇で推移しています。中東地域の地政学リスク高まりを受けた典型的な反応です。
貴金属:ゴールド急伸
金価格は1.1%上昇し、再び2,500ドルに向けて上昇を続けています。戦争や地政学リスク発生時の典型的な安全資産への逃避が見られます。
債券市場:安全資産への大量流入
株式から債券への資金移動が活発化し、債券価格上昇により利回りは大幅低下しました。
- 米10年債利回り:大幅低下
- 日本10年債利回り:1日で-3.17%の大幅低下
今後のシナリオと投資戦略
緊急時投資戦略:3つの柱
1. ディフェンシブ戦略の徹底
- 現金比率30%以上の確保:ポートフォリオの3割以上を現金化
- 安全資産への分散:日本国債、ゴールド、スイスフランなど
- ボラティリティヘッジ:プロテクティブプット戦略など
2. オポチュニティの活用
- 防衛関連株:短期的な買い上げ期待、ただし分割購入で慎重に
- エネルギーETF:原油価格上昇の恩恵を分散投資で享受
- 円高メリット銘柄:輸入中心企業、内需型ディフェンシブ銘柄
3. リスク管理の最優先
- ポジションサイズの適正化:大きなポジションは避ける
- 分散投資の徹底:地域別、セクター別、資産クラス別
- 情報収集の強化:常時ニュースチェック体制の構築
今週の展望:不透明感が支配
今回の事態は単発的な事件で終わらない可能性が高く、中東地域の戦争拡大リスクを念頭に置いた投資戦略が必要です。
年内を通じて米中対立と中東地政学リスクが継続する可能性があり、市場のボラティリティ拡大は避けられない状況です。
投資家への緊急提言
- リスク管理を最優先とし、無謀なポジション拡大は厳禁
- 現金比率の確保と安全資産への分散を即座に実行
- 防衛・エネルギー関連への分割投資で機会を捉える
- 常時情報収集体制を構築し、迅速な対応準備を整える
投資家には冷静な判断と迅速な行動が求められる重要な局面となっています。
今こそ"道具箱"を手に入れる時
今回のような突発的リスクに対して、「いま何を買えばいいか」ではなく、「どの武器でどう対応すればいいか」を事前に準備している投資家ほど冷静に行動できます。
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