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2021年12月10日の日経概況

2021年12月10日の東京株式市場は2営業日続落しました。
終値は前営業日比287円70銭(1.00%)安の2万8437円77銭でした。
米国市場は方向感のない動きの中、ナスダックが幅のある下落、
日本市場にも影響を与えました。
2日で大きく上げた日経は節目で抵抗にあい、下に抜け
調整に入る様子を見せました。
神経質な展開が予想される来週、
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】
米国市場は方向感なしの小幅反落になりました。
ダウ工業株30種平均は小幅反落して、
前営業日比6セント(0.0%)安の3万5754ドル69セント、
ナスダック総合株価指数は反落して、
前日比269.618ポイント(1.7%)安の1万5517.370取引を終えました。

米国市場は直近の上昇で1100ドルあまりを上げ、
利益確定の売りタイミングにきていたこともあり、
明確に上げてきた景気敏感銘柄に売りがでました。

景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ系が買われ、
午後は100ドル余り上げる場面もありましたが、
CPIの発表が間近に予定されていることから

利益を確定する動きが出るなど、
方向感のない流れに終始しました。

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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が方向感なしに推移して
材料の少ないなかで、
利益を確定する売りに押されました。

金融所得課税について、2022年度与党税制改正大綱に
「総合的な検討」と明記するとの報道は
投資家心理を悪化させ、
下げ幅は300円を超える場面もありました。

金属製品のみが上昇、残りの32業種が下落しました。
電気・ガス、保険、機械などは
相対的に下げ幅が小さく、

精密機器、サービス業が幅のある下落をしました。
その他、ゴム製品、パルプ・紙など
素材系の銘柄に深い下落が広がりました。

日経の日足は上ひげが長い短陰線を形成しました。
前日の終値から下離れしてスタート、
下向けのキャップを開けました。

直近の2日の動きは下向きに変わり始めた
200日移動平均線にぶつかって
抵抗に会う形になりました。

短期のトレンドを示す25日移動平均線は
75日移動平均線を上から下に抜ける
デッドクロスを成立させ、
短期的にも中期的にも下向けの圧力が
高まったことを示しています。

東証1部の売買代金は概算で2兆6680億円、
売買高は11億1409万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1607、
値上がりは481、変わらずは95でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

週前半から中盤にかけては大きく下げた分を
取り戻す道でしたが、
最後の2日はテクニカル的に節目になるところに
ぶつかって、上げた分の1/3を返上しました。

8月20日、10月6日、12月1日から3日にかけて
形成された3つの安値を結んで見ると
大きなチャートレベルでは
安値を切り上げる上昇トレンド、

半面、 9月14日の高値から
11月中旬に作られた次の高値、
そして直近の2営業日で作られた高値を結ぶと
高値の切り下げ、

合わせてみると二等辺三角形の形をした
持ち合いになっています。
今日の動きだけでもどっちに振れるかわからなくなりましたが、

前日まで高値が抵抗になったことは間違いありません。
よって、当分は上げづらい展開になるとみるのが妥当でしょう。

来週は注目度の高いFOMCが14-15の予定で行われます。
その後、国内では16-17で日銀金融政策決定会合、
16日にイギリスの金融政策発表、
ECB定例理事会およびラガルド総裁の記者会見が
予定されているなど、
主な中央銀行のイベントが集中しています。

まさに「中央銀行祭り」、
その結果を見極めたいとの心理は当然
市場をコントロールし、様子見、
方向感の出にくい展開になるでしょう。

市場を刺激し得る材料はパウエル議長の変調。
ハト派的な発言が続きましたが、
最近になってタカ派的な発言に微妙に言い方が変化、

テーパリングをより早めるようなニュアンスが入っていると
市場は売りを深める展開になりやすいでしょう。
逆に材料になりにくいのは大きな材料の出にくい
日銀金融政策決定会合、

しかし、岸田政権の金融政策を展望させるような
ビジョンが見えない場合は、
手詰まり感から売りがさらに加速する
可能性を秘めています。

「クリスマスラリー」と称される12月の相場ですが、
今年はどうやら悪材料に弱く、
神経質な相場になりそうです。

方向感のない相場で力を発揮するバリュー株、
ディフェンシブ株に資金が移動しやすいので、
物色の目をむけてみましょう。

底からの抜け出しを試している小売業を例にすると、
<2670>エービーシー・マート、
<2678>アスクル、神奈川県を基盤にする<3148>クリエイトなどが
長い下げから底打ちを準備している銘柄群として上げられます。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,437.77 -287.70(-1.00%)
ドル・円
113.73 – 113.74 +0.25(0.22%)
ユーロ・円
128.17 – 128.18 -0.30(-0.23%)
ユーロ・ドル
1.1268 – 1.1270 -0.0053(-0.46%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,754.69 -0.06(0.00%)
S&P500種
4,667.45 -33.76(-0.71%)
ナスダック
15,517.370 -269.618(-1.70%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/beginnning/topics/

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