【市場の総括】
2025年1月28日の東京株式市場は3日続落しました。終値は前日比548円93銭(1.39%)安の3万9016円87銭で取引を終えました。DeepSeekショックが日本にも波及しました。
前日の米国市場で、中国のAI、DeepSeekによって、ハイテク企業の優位性が疑われたことを背景にナスダックが大きく下落しました。その流れを引き継ぎ、日本市場でも半導体関連を中心に売りが進みました。下げ幅が600円を超える場面もありましたが、2日連続の大幅の下げで押し目を拾う買いも入って下げ幅を縮小しながら終わりました。
||米国市場はハイテクに大きなショック
前日の米株式市場は反発し、前週末比289ドル33セント(0.65%)高の4万4713ドル58セント、ナスダックは大幅に続落し、前週末比612.467ポイント(3.06%)安の1万9341.834、S&P500種も続落し、前週末比88.96ポイント(1.45%)安の6,012.28で取引を終えました。
中国発のAIベンチャーによって開発されたDeepSeekが米国のChatGPT、メタのAIなどを超える性能をみせ、AppleのApp Storeでダウンロード数で1位になったことが市場に色を与えました。ハイテク株が大きく下げる一方、ダウ指数に直する製造業、内需関連が上昇して、ダウは幅のある上昇となりました。
【 今後の投資戦略】
米国市場は激震に揺れました。AIバブルが疑われていた直近の雰囲気に、1/10の費用でより優れた性能の生成AIを中国が発表したというのがナスダックの多くの銘柄に波及しました。ハイテク本体はもちろんのこと、データセンター関連、電線など幅広い分野に影響を与え、ナスダックは3%超を下げました。ナスダックへの感応度が高い日本市場はその影響を受けざるを得ない、しかし前銘柄ではないという動きです。TOPIXの下げ幅-1.17ポイントでほとんど影響なしとなっていることから考えると、値嵩株と言われる一部の銘柄を中心に売りが大きかったというのがわかります。
それでは、17%近くも下落したNVIDIAやBroad.comなどのAI関連銘柄はすべて終わったかというと、個人的にはそんなことはないと判断しています。競争が激しくなる分、企業たちがこぞってNVIDIAの安いGPUを買うかというと、競争力の維持という観点からもそんなことは起きないでしょう。米国企業にも競争相手はいるよということを自覚させたことでより競争が促進されるという観点からはポジティブに作用するのではないでしょうか。
当分、ハイテク関連の変動性が高まるのは間違いないので、こんな時に有効な戦略である「ディフェンシブ・内需株買い」の方を戦略として考えておきましょう。第一建設、東急建設の動きをみるとそれがよく現れています。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 39,016.87 | -548.93(-1.39%) |
TOPIX | 2,756.90 | -1.17(-0.04%) |
為替(日本時間 17:00) | ||
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ドル・円 | 155.89 - 155.90 | +0.03(0.01%) |
ユーロ・円 | 162.61 - 162.66 | -0.37(-0.22%) |
ユーロ・ドル | 1.0430 - 1.0432 | -0.0026(-0.24%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 44,713.58 | +289.33(0.65%) |
S&P500種 | 6,012.28 | -88.96(-1.45%) |
ナスダック | 19,341.834 | -612.467(-3.06%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.190 | -0.025 |
米10年国債(%) | 4.541 | -0.079 |