【今日の3行まとめ】
- 日経平均は553円高の6万7524円。後場に半導体とAIインフラ関連が買われ、約1カ月ぶりの高値を回復しました。
- TOPIXはほぼ高値引けで最高値を更新。買われたのは半導体だけでなく、メガバンクにも資金が入りました。
- 今夜21時30分の米CPIが次の分かれ目です。コアの予想は2.5%で、上振れなら本日の買いが試されます。
【市場の総括】
2026年8月12日の東京株式市場は続伸しました。日経平均株価の終値は前営業日比553円84銭(0.83%)高の6万7524円06銭で、7月中旬以来およそ1カ月ぶりの高値水準です。TOPIXは38.39ポイント高の4139.00とほぼ高値引けとなり、こちらも約1カ月ぶりに最高値を更新しました。東証プライムは値上がりが983銘柄、値下がりが530銘柄、変わらずが43銘柄です。売買代金は概算9兆4421億円、売買高は25億2278万株でした。10年物国債の利回りは2.817%と、10日の2.786%から0.031%上昇しています。2年債の利回りは1.65%台と、31年ぶりの高さです。
一日の流れは前半と後半で分かれました。今夜の米CPIを見極めたいとして前場は様子見が優勢で、前引けは69円96銭高の6万7040円18銭にとどまっています。変わったのは後場です。シンガポール政府系のテマセクがSKハイニックスとサムスン電子へ直接出資すると伝わり、韓国のKOSPIが大きく上昇したことをきっかけに、東京でもAIインフラに絡む銘柄へ買いが広がりました。業種別では非鉄金属、銀行業、鉱業が上昇し、ゴム製品、海運業、空運業が下げています。指数寄与では東京エレクトロンが約148円、アドバンテストと合わせた2銘柄で約218円を押し上げ、上げ幅の4割近くを説明しました。売買代金の首位はキオクシアホールディングスで、太陽誘電や村田製作所、イビデンも買われています。半面、レーザーテックとファーストリテイリングは売られ、楽天グループは急落しました。日経平均は5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスとなっています。
今晩の米国市場の注目ポイント
11日の米国市場は主要3指数がそろって続落し、ダウ工業株30種平均は0.34%安の5万3791ドル85セント、S&P500種株価指数は0.32%安の7728.20、ナスダック総合指数は0.60%安の2万6445.45で引けました。ホルムズ海峡をめぐる対イラン交渉の難航でWTI先物が上昇したことと、今夜のCPIを前にした持ち高調整が重なった格好です。ただしメモリー関連には買いが入り、SOX指数は反発しています。
今夜の主役は日本時間21時30分に発表される7月の米消費者物価指数です。市場予想は前年同月比3.4%、コアは2.5%で、いずれも前回からの鈍化が見込まれています。23時30分には週間の石油在庫統計が続きます。時間外の米株先物は小動きです。大阪取引所の日経平均先物9月限は今朝方の夜間取引を日中終値比40円高の6万7200円で終えており、本日の現物終値はこれを324円上回っています。為替はドル円が本日16時時点で1ドル=159円40銭と、10日16時の158円45銭から95銭の円安・ドル高です。WTI先物は1バレル=84ドル付近で高止まりしています。物価の鈍化を織り込みにいく力と、原油高が押し戻す力の綱引きになります。
【今後の投資戦略】
TOPIXが約1カ月ぶりに最高値を更新した一方で、値上がり銘柄はプライム全体の63%にとどまりました。全面高ではないのに指数が最高値をつけたのは、上がった側の顔ぶれが変わったからです。本日の主役は半導体とメガバンクという、普段は同じ方向に動かない二つのセクターでした。銀行を買う理由ははっきりしています。2年債の利回りが1.65%台と31年ぶりの水準まで上がり、9月の日銀による追加利上げを市場が織り込み始めたからです。10年物国債の利回りも2.817%へ0.031%上がりました。一方の半導体は、韓国発の資金流入という別の材料で動いています。売買代金が9兆4421億円と、10日の8兆388億円から1兆4000億円あまり増えたのは、根っこの違う二つの買いが同じ日に重なったからだと見るのが自然でしょう。
銀行株の買いを支えているのは金利観ですが、その金利が試されるのは日本ではなく今夜の米国です。コアが予想の2.5%を上回れば米長期金利は4.690%から上に振れ、まず半導体株が売られます。逆に下振れすれば、金利低下でハイテクは買われるものの、日米の金利差は縮まり、9月利上げを見込んで銀行を買っていた資金は勢いを失います。どちらに転んでも、本日の二本柱が同時に上を向く展開にはなりにくい、ということです。上値のめどは7月22日の高値6万7592円、抜ければ6万8000円が次の節目です。下値は本日の上げ幅の半分を戻す6万7250円、その先はゴールデンクロスが生まれた6万6800円付近を見ます。コアが2.5%を上回った場合、本日148円分を押し上げた東京エレクトロンが翌朝いちばんに売られる側へ回りますから、明日の寄り付き前に逆指値を置き直しておきます。
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