【市場の見通し】
2026年8月12日の東京株式市場は、小幅に高く始まりそうです。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物9月限は日中終値比40円高の6万7200円で取引を終えました。10日の日経平均株価の終値6万6970円22銭を230円ほど上回る水準です。ただしシカゴ市場の円建て先物は大取日中比95円安の6万7065円で、二つの先物は向きがそろっていません。前夜の米国市場は主要3指数がそろって下げた一方、SOX指数は反発しており、材料も一方向ではありません。本日の予想レンジは6万6500円~6万7500円と想定します。
気をつけたいのは、昨夜の先物が作った値幅です。日中比150円高の6万7310円で始まったあと、高値6万7600円から一時6万6320円まで売られ、引けにかけて買い戻されました。一晩で1280円の上下があった計算です。為替はドル円が今朝1ドル=159円27銭前後で、10日16時時点の158円45銭から82銭の円安・ドル高です。ユーロ円も昨夜のニューヨーク市場で183円70銭から183円86銭まで上昇しました。輸出企業には追い風ですが、原油高と重なる点は素材や運輸には重しになります。
原油高とCPI待ちが、3指数をそろって押し下げました
11日の米国市場は主要3指数がそろって続落しました。ダウ工業株30種平均は前日比184ドル13セント安の5万3791ドル85セント、S&P500種株価指数は24.91ポイント安の7728.20、ナスダック総合指数は159.91ポイント安の2万6445.45です。下落率はダウが0.34%、S&P500が0.32%に対し、ナスダックは0.60%と大きくなりました。10年物国債の利回りは0.013%ポイント低下の4.690%です。寄り付き直後は雇用関連指標の弱さによる金利低下で堅調でしたが、中盤にホルムズ海峡をめぐる対イラン交渉の難航が伝わり、WTI先物が1バレル=83ドル39セントまで1.53%上昇したところで売りに転じています。
終盤の下げは、今夜のCPIを前にした持ち高調整です。業種別では公益事業とエネルギーが上昇し、メディア・娯楽と小売が下げました。個別ではアルファベットが3.60%安の343ドル00セント、アップルが決済サービス責任者の退任発表を受けて1.08%安の304ドル91セントと、大型テックが指数を押し下げています。その一方でサンディスクやマイクロン・テクノロジーが買われ、SOX指数は反発しました。VIX指数は15.28と10日の15.46から低下しており、売りの中身は警戒感の高まりというより、指標をまたぎたくない資金の一時的な引き揚げに近い並びです。東京市場には、半導体株に買いが向かいやすい半面、原油高が燃料を使う業種を圧迫する構図がそのまま持ち込まれます。
【本日の投資戦略】
今夜のCPIで確かめられるのは、物価そのものより、雇用の弱さで後退した米国の利上げ観測が本当に消えたのかどうかです。7月分の発表は日本時間21時30分、市場予想はコアが前年同月比2.5%で、前回の2.6%から鈍化が見込まれています。予想を上回れば観測が巻き戻り、10日の東京市場で1363円51銭の上げを作った半導体株高の前提が崩れます。国内では午前8時50分にマネーストック、午後3時に7月の工作機械受注が控え、受注は前年同月比52.7%増が見込まれています。本日は205社が決算を発表し、14日にはオプションの特別清算指数算出(SQ)を控えます。
東京エレクトロンとリクルートホールディングスが、昨夜の米国市場で逆方向に動きました。米国預託証券の円換算終値は、東京エレクトロンが東証終値比1.20%安の5万6070円、リクルートは4.41%高の1万6878円です。SOX指数が反発した夜に製造装置が売られたのは、米国で買われたのがサンディスクやマイクロン・テクノロジーといったメモリー側で、装置需要の話にまでは至っていないからです。ADRではほかにトヨタ自動車が1.44%高の3024円、任天堂が1.38%高の8379円、日立製作所が1.05%高の5679円と、AI関連の外側が広く買われました。逆にセブン&アイ・ホールディングスは1.46%安、ダイキン工業は0.73%安です。10日に1363円上げた相場は半導体とリクルートに偏っていましたが、昨夜の並びを見る限り、今日の買いが同じ場所に集まるとは限りません。
寄り付きの水準は、シカゴ先物の6万7065円と大阪の夜間終値6万7200円のあいだに収まりそうです。上値のめどは7月22日の高値6万7592円、その先は+1σの6万7790円と心理的節目の6万8000円です。下値は週足の13週線6万6780円が第一で、ここを終値で割り込むと6万6000円、25日移動平均線の6万5857円が次の支えです。25日線と75日線が下にあるうちは、押し目を拾う側に分があります。昨夜の先物は6万7600円まで買われたあと6万6320円まで売られ、一晩で1280円の値幅を作りました。同じ幅が日中にも出るとみて、寄り付きの数分は見送り、この上下どちらかの端に近づいた場面だけ手を出します。
上げ・下げ・停滞。
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