きみは今日、どのフロアから読む?
どこから入っても、各フロアの最初に「1分おさらい」があるよ
週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
さいごはプラス今週の日経の天気
円高・決算・半導体で大きく動いた1週間!
金曜は一時1,031円安から立て直し、週間では約1,245円の値上がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は月曜に円高で607円下がり、水曜には半導体の会社の勢いで2,343円という大きなアップ。木曜はまた617円下がり、金曜は朝に1,031円安まで下げる場面もありましたが、後場に買い戻されて77円安で着地しました。月〜金の5日間トータルでは約1,245円(1.93%)高くなりました。
👇グラフの日づけの まるを タップしてみてね!その日に なにが あったのか、お話が でてくるよ
💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあお。本物の株のニュースと同じ色分けだよ。
月日米が「円を買う」共同作戦!輸出の会社が売られ607円ダウン
円買い介入を発表
強くなる
▼607円
火決算で「良い数字」と「期待外れ」がくっきり分かれた一日
後場に切り返す
会社ごとに評価が分かれる
▲203円
水半導体の会社「イビデン」の大発表で2,343円の大幅アップ!
「AI注文が急増」と発表
世界中で買われる
▲2,343円
木指数は617円下がったのに、じつは7割の会社が値上がりしていた日
売られる
半導体株も売られる
▼617円
金朝は1,031円安、後場に買い戻されて77円安で着地
AI関連株が売られる
値がさ株が売られる
▼77円(後場に大きく戻す)
2つ以上の国の政府や中央銀行が、同じ日に力を合わせて「円を買う」「ドルを売る」などの取引をすること。1つの国だけでやるより、為替を動かす力が大きくなります。
Q. 今週(8/3〜8/7)、日経平均が1日でいちばん大きく「上がった」のは何曜日?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
火曜日、日経平均は上がったのに値下がりした会社のほうが多かったんだ。木曜日はその逆で、指数は下がったのに値上がりした会社のほうが多かった。金曜日も、指数はわずかに下がったのに値上がりの会社の方が多かった。同じしくみが、なぜ何度も正反対の顔を見せるの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
「日経平均が動いた」=「みんなの会社が動いた」
とは限らない?
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ5日間を、一段深いところから見直します。
火曜日(8/4)、日経平均は203円上がって終わりました。ところが東証プライム市場では、値上がりした会社が629社なのに対し、値下がりした会社は902社。実は値下がりのほうが多かったのです。「平均点は上がったのに、クラスの半分以上は点が下がっていた」──そんな不思議が、なぜ起きるのでしょう?
?カギは「どの会社が上がったか」
この日は決算の良かった三菱重工業(+7.69%)やフジクラ(+7.88%)などの一部の会社が指数を押し上げていました。でも、もっと不思議なのは木曜日と金曜日です。木曜日は指数がマイナスなのに7割以上の会社が値上がりし、金曜日も指数はわずかなマイナスでしたが、値上がり939社に対し値下がり582社と、やはり上がった会社の方が多かったのです。指数と会社の数のズレは、1週間のうちに何度も起きていました。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)──東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額(会社の規模)で重みづけした指数です。日経平均が「選抜225社の平均」なら、TOPIXは「学年全体の平均」。今週の5日間で、この2つの成績を比べてみましょう。
5日間の合計では日経平均+1.93%、TOPIX+1.79%とほぼ並びましたが、中身は同じではありません。水曜(8/5)には日経平均+3.66%に対しTOPIXは+2.13%と差が開き、木曜(8/6)には日経平均−0.93%・TOPIX+0.24%と符号までひっくり返り、金曜(8/7)も日経平均−0.12%・TOPIX+0.47%とズレが残りました。週の後半は多くの日で、指数とTOPIXが逆方向を向いていたのです。
木曜日の下げ617円のうち、東京エレクトロン・アドバンテスト・キオクシア・ソフトバンクグループの4銘柄で約850円分を押し下げました。水曜日はまったく逆で、同じ半導体グループの仲間(アドバンテスト・ソフトバンクグループ・イビデン・東京エレクトロン)が2,343円の上げ幅のうち約1,698円(72%)をつくっていました。金曜日の朝に一時1,031円下げた場面でも、主役はやはり値がさの半導体株でした。後場に売りが一巡すると買い戻され、下げ幅は77円まで縮んでいます。つまり今週の乱高下は、半導体グループの動きを日経平均が増幅して映した数字だったと言えます。
値がさ株(ねがさかぶ)
1株あたりの株価が高い銘柄のこと。日経平均はこの値がさ株の動きに引っぱられやすく、今週は東京エレクトロンやアドバンテストなど数社で指数が1,000円以上も動いた。
協調介入(きょうちょうかいにゅう)
2つ以上の国が力を合わせて為替を動かす取引をすること。月曜、日米が円買いで協調し、円が急に強くなって輸出関連株が売られるきっかけになった。
Q. 木曜日、日経平均は下がったのに値上がりした会社のほうが多かった。その理由を「値がさ株」という言葉を使って50字くらいで説明してみよう。
「日経平均は値がさ株に振り回されやすい」──では、なぜそうなる?
指数の"計算のしくみ"まで潜ると、今週の動きがもっとクリアに見えます。
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 水曜に開いた差、金曜にほぼ閉じた差
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
5日間の合計では日経平均+1.93%、TOPIX+1.79%とほぼ並びました。ただし中身は一定ではなく、水曜(8/5)には両者の差(乖離)が約1.9ポイントまで開き、木曜(8/6)には日経平均が−0.93%、TOPIXが+0.24%とプラスマイナスの符号までひっくり返っています。金曜(8/7)は日経平均−0.12%・TOPIX+0.47%とわずかな差に収まり、週の終わりには乖離がほぼ解消しました。差が開く日=値がさの半導体株に動きが集中した日、縮まる日=資金が幅広い銘柄に戻った日、と読めます。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。半導体・ハイテクの値がさ株が多く、今週は水曜の急騰も木曜の急落も金曜の急変も、この値がさ株が主役だった。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。今週は木曜・金曜、食品や医薬品など内需株の底堅さがTOPIXをプラスに支えた。プロは両指数を見比べて「動きが特定グループに偏っているのか、市場全体なのか」を診断する。今週は水曜も木曜も金曜も、値がさの半導体グループの偏りが指数を動かしていたことが、この2つの指数の差から分かる。
先週末の「週間展望」では、今週の日経平均を「戻りの本物度を試す、想定レンジ6万2000〜6万7000円」と予想し、「値上がり銘柄数がプライムで1,000社を超え、33業種のうち20業種を超えて上昇すれば本格的な戻り」という判定基準を示していました。結果は──月曜の安値6万2703円、水曜の高値6万6302円と、どちらも予想レンジの内側に収まりました。判定基準は水曜にはっきりクリア(値上がり1,019社・上昇23業種)、木曜もほぼクリア(値上がり1,130社・上昇20業種)しましたが、金曜は値上がりが939社にとどまり届きませんでした。週間展望はまた「6日のソフトバンクグループとレーザーテックを決算またぎで持たない」ことを勧めていましたが、実際に両社は決算発表後の金曜に失望売りに押されており、この助言どおりに動いていれば金曜朝の1,000円超の下げの多くを避けられた形です。
Q1今週、日経平均は+1.93%、TOPIXは+1.79%だった。木曜日に日経平均が−0.93%、TOPIXが+0.24%と符号まで逆転した理由を、「値がさ株」「指数の計算方法」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2あなたが「10年持ち続ける」長期投資家なら、水曜の大幅高、木曜の反落、そして金曜の大きな値幅(朝に1,031円安、後場にほぼ戻す)が続いたこの1週間をどう受け止めるか。「怖いので売る」以外の選択肢も含め、考えとその根拠を述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の乱高下も、為替の協調介入・決算・AI関連の思惑など複数の材料が絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:協調介入/値がさ株/指数の乖離と符号の逆転(株価平均型と時価総額加重型)。
来週は、週末に発表された米雇用統計への反応と、金曜に決算を発表したソフトバンクグループ・レーザーテックの株価の行方が注目されます。次号ではその答え合わせから始まります。
上げ・下げ・停滞。
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