【市場の見通し】
2026年8月10日の東京株式市場は、反発して始まりそうです。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物9月限は前日清算値比650円高の6万6310円で取引を終えました。7日の日経平均株価の終値(6万5606円)を700円あまり上回る水準です。シカゴ市場の円建て先物も大取終値比655円高の6万6315円で、方向は一致しています。押し上げたのは7日発表の米雇用統計で、雇用の減速から米国の早期利上げ観測が後退し、ナスダック総合指数が1.3%高となりました。本日の予想レンジは6万5900円~6万6900円と想定します。
明日11日は山の日の祝日で東京市場は休場です。本日建てた持ち高は、次に動かせるのが12日の朝になります。その12日には米国の7月消費者物価指数(CPI)が控え、14日はオプションのSQ算出日です。指標をまたぐ日数が普段の倍になる一日で、週後半は国内もお盆入りで参加者が細ります。為替は、7日のニューヨーク市場でドル円が1ドル=157円80銭~90銭となり、前日同時刻の158円42銭~52銭から62銭の円高・ドル安に振れました。雇用統計の直後には一時156円68銭まで円が買われています。ユーロ円も182円40銭~50銭と、前日同時刻の182円49銭~59銭から9銭の円高・ユーロ安です。輸出企業にとっては追い風にならない方向です。
弱い雇用統計が、株式にとっては買い材料になりました
7日の米国市場は主要3指数がそろって上昇しました。ダウ工業株30種平均は前日比151ドル83セント高の5万4036ドル93セント、ナスダック総合指数は342.27ポイント高の2万6690.62で6月初旬以来の高値、S&P500種株価指数は47.68ポイント高の7757.64で最高値を更新して引けています。材料は7月の米雇用統計です。非農業部門雇用者数は市場予想の8万3000人増に対して2万3000人の減少、平均時給の伸びも前年同月比3.2%と予想の3.5%を下回りました。失業率だけは4.1%へ改善しています。10年物国債の利回りは前日比0.03%ポイント低下の4.65%となり、金利低下がハイテク株を終日支えました。
ただ、指数ごとの上げ幅の差が中身を語っています。ダウの上昇率が0.28%にとどまったのに対し、ナスダックは1.30%です。労働市場の減速は景気への警戒材料でもあり、景気敏感株の上値は抑えられました。買われたのは金利低下が直接効く半導体・同製造装置と自動車関連で、下落したのは不動産管理開発です。同じ日に金先物は100ドル10セント高の1オンス=4399ドル70セントと2カ月ぶりの高値を付け、WTI先物も0ドル89セント高の1バレル=78ドル18セントで続伸しました。金利が下がりながら金と原油が上がる並びは、避難先を探す資金も混じっていることを示します。東京でも本日の上昇は半導体と電子部品が中心で、内需の景気敏感株までは広がりにくいとみられます。
【本日の投資戦略】
日銀が7月の会合で何を話し合っていたのかが、今朝わかります。金融政策決定会合の「主な意見」は午前8時50分の公表で、6月の国際収支・貿易収支も同時刻、午後2時には7月の景気ウォッチャー調査が続きます。ドル円が157円台まで円高方向に振れた直後だけに、政策委員が物価と為替をどう並べていたかは、輸出関連と内需関連のどちらに資金を置くかの判断材料になります。本日は243社が決算を発表し、サンリオ、住友金属鉱山、楽天グループが並びます。住友金属鉱山は10.4%の経常減益見通しが事前に示されており、非鉄という景気敏感の代表格が金高をどう業績に反映させるかは、素材セクター全体の物差しになります。
太陽誘電は5日、古河電気工業は6日に決算を発表しましたが、どちらも発表後は売りに押されました。7日にはソフトバンクグループの減益決算が嫌気されて日経平均が一時1000円を超えて下げ、後場にフジクラの好決算が伝わって下げ渋り、終値は76円安の6万5606円でした。数字の良し悪しではなく、その銘柄にどれだけ期待と持ち高が積み上がっていたかで反応が決まっています。その裏側で、AI相場の外に置かれていた任天堂、日本製鉄、NTTには見直し買いが入りました。米国では大手ヘッジファンドがAI特化型ファンドの救済に乗り出したと報じられ、韓国のSKハイニックスなどメモリー株も急落しています。本日の半導体高を買い戻し以上とみるなら、数字が出た銘柄が引けまで水準を保てるかが確認点です。
本日の行動は、明日が休場であることを前提に組み立てます。寄り付きは6万6200円前後が見込まれ、7日の高値圏をいきなり回復する形になります。上値の目安は6万6900円、下値は6万5900円が第一で、割り込むようなら7日終値の6万5606円が次の支えです。押し目を拾うなら前場の一段安を待って3分の1ずつ、決算が済んで数字の出ている銘柄に絞ります。上下どちらに振れても、次に新しい材料が出るのは12日の米CPIです。6万6900円は夜間先物が一晩で作った水準ですから、そこに届いた建玉は明日の休場をまたがせず、今日のうちに一部を利益確定しておきます。
上げ・下げ・停滞。
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