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週間の市場展望と投資戦略<2021年12月20-24日>

東京株式市場は大幅に反落しました。
終値は前営業日比520円64銭(1.79%)安の2万8545円68銭でした。
米国市場のFOMCをはじめ、欧州のECB、日銀、
イングランド銀行など4大中央銀行が量的緩和の縮小を
加速する動きに傾斜したことから投資家心理が悪化しました。
クリスマスラリーにつながるのか、疑わしい状況で
参加者が少なくなる週間は横幅の動きが予想されます。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に反落して、
前営業日比29ドル79セント(0.1%)安の3万5897ドル64セント、
ナスダック総合株価指数は大幅に反落して、
前日比385.148ポイント(2.5%)安の1万5180.435で取引を終えました。

朝方は高く推移する場面が目立ちました。
前日の流れが引き継がれ260ドル以上上げる場面もありましたが、
午後に入ると下げに転じました。

特に前日の上昇が目立ったハイテク、
半導体関連に売りがきつく、
ナスダックは前日の上昇分をほとんど帳消ししました。
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【日本市場の動向】

日本市場は米国市場が下落した結果を受け、
売りが先行してスタートしました。
午後に入ると下げ幅を拡大させましたが、

その要因は主要国の中央銀行が
金融緩和の縮小を加速させる動きに
流れたことです。

FOMCに続き、ECB、日銀も
緩和策の縮小を決めたことで、
緩和マネーが流入していた株式市場から
資金が流出されるとの見方で
投資家心理が悪化しました。

鉱業が上昇率1位、電気・ガス業、石油など
エネルギー・資源関連が上昇したほか、
素材系の非鉄金属も上昇しました。

4業種を除く29業種が下落する中、
精密機器、金属製品、電気機器など
素材、景気敏感部門の下げが目立ちました。

日経の日足は短い上下ひげを持つ陰線を形成しました。
前日の高値と安値を切り下げて
形でも下げになりました。

始値は200移動平均線と25日移動平均線が
タッチしているところで前日とは対照的な形でスマート、
結局、抵抗にあって下がった形になります。

流れとしては75日移動平均線の抵抗にあって
下げが加速すると見られますが、
まだ安値を切り下げてないので
過度にネガティブになる必要はありません。

東証1部の売買代金は概算で3兆3804億円、
売買高は14億4002万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1635、
値上がりは451、変わらずは98銘柄でした。

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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

中央銀行祭りの結果が出そろいました。

米国のFOMCは前日に伝えた通り、
量的緩和の縮小で資産の購入を2022年3月に終了、
欧州のECBも同様に2022年3月に終了、
日銀も17日の金融政策決定会合で、資金繰り支援策の縮小を決めました。

共通点は金融緩和の縮小、加速化で
この流れが止まることは可能性として
極めて低いと判断されます。

デルター、オミクロン型を超える
強力な変異型の出現、景気回復の遅延が
再び発生することによる緩和再開という
シナリオも0ではありませんが、

新たな治療薬が続々と発表される現状の
流れでそれが覆される可能性は低いと思われます。

週末の米国市場は下押しの圧力が続き、
大幅に下げて終わりました。
17日のダウ工業株30種平均は大幅に続落して、
前営業日比532ドル20セント(1.5%)安の3万5365ドル44セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に続落して、
前日比10.753ポイント(0.1%)安の1万5169.682で取引を終えました。

16日、英イングランド銀行(中銀)が政策金利を引き上げ、
世界の過剰流動性を供給してきた
4大中央銀行がそろって金融緩和縮小を決めて
資金流入が困難になるとの見方が確実に市場に広がり
投資家心理が冷え込みました。

ナスダックはすでに前日に大幅下落を経験していることから
小幅の下落にとどまりましたが、
アップル、グーグルのアルファベットなど主要銘柄の
一角が下げることで、マイナスで今週の取引を終えました。

株式市場の流れを受け、17日の日経平均先物は続落、
2022年3月物は前日比320円安の2万8425円で引け、
大取終値を95円下回りました。

ここまでの流れをまとめて考えると
週明けの日経は下げスタートの見方が優勢になります。
週全体で考えると、中央銀行の連続するイベントを消化した結果、
材料難による横幅、乱高下しやすい動きが予想されます。

週後半に近づくと閑散相場で
ニュース一つで変動しやすい「単発材料相場」になりやすくなるでしょう。
金曜日24日は米国を含めクリスマス休場が多く、

実質的に年末まで店じまいに入っていくところが多くなります。
主要プレーヤーの外国人投資家が休みに入るので
当然、市場は参加者が少なくなります。

そんな環境の中、日本市場はIPOラッシュ、
先週のIPO結果はさえないものがあって、
それが新興市場の不調につながりました。

年末に向かう今週の結果も好ましくない場合は、
新興市場から資金を引き揚げる動きは加速するでしょう。
日中の値幅を取りに行くデイトレードの場合は、
この週の新興市場に注目するとよい結果につながる可能性が高まります。

スウィング・中・長期投資の場合は、
来年のテーマーに着目して
年末を銘柄選定に充てるのもよいでしょう。

注目は年末講座でも伝えた通り、
サステナビリティ、デジタル関連で、
参考になる銘柄も配布資料の中で伝えているので
もう一度振り返ってみてください。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
28,545.68 -520.64(-1.79%)
ドル・円
113.55 – 113.56 -0.56(-0.49%)
ユーロ・円
128.77 – 128.78 -0.25(-0.19%)
ユーロ・ドル
1.1339 – 1.1341 +0.0033(0.29%)
NYダウ工業株30種(ドル)
35,897.64 -29.79(-0.08%)
S&P500種
4,668.67 -41.18(-0.87%)
ナスダック
15,180.435 -385.148(-2.47%)

17日の米国市場
NYダウ工業株30種(ドル)
35,365.44 -532.20(-1.48%)
S&P500種
4,620.64 -48.03(-1.02%)
ナスダック
15,169.682 -10.753(-0.07%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/beginnning/topics/

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