ホーム » 配信情報トップ » BLOG » リスク・オン(Risk On)とリスク・オフ(Risk Off)ってどういうこと? リスク・オン(Risk On)とリスク・オフ(Risk Off)ってどういうこと?BLOG 投資知識 日経でも言われているリスク・オンやリスク・オフ。これってどういう意味???なぜリスクがオンになると株価が上がり、リスク・オフになると株価が下がるの?わかるようでわからない専門用語。この際、気持ちよく理解できるまで説明していきます。 まず言葉の意味から 難しいことを話す前に、まず言葉の意味から明確にしてみましょう。リスク・オン、リスク・オフの意味はリスクに対する対応または反応を表すものです。 リスク・オンはリスク資産への関心が高まる状況 リスク・オンは、投資家や市場参加者がリスクを取りに行く傾向や、リスクのある資産や市場への関心が高まる状況を指します。リスク・オンの状況は、経済指標の改善、金融政策の緩和、企業の業績の向上など、ポジティブな要因によって引き起こされるのが一般的です。この時に、投資家の心理が大事になってきますが、これについては後で詳しく説明しましょう。 リスク・オフは投資家や市場参加者がリスクを回避する傾向が高まる状況 一方、リスク・オフは、投資や経済の文脈で使用される言葉で、投資家や市場参加者がリスクを回避する傾向が高まる状況を指します。国債や金、ドルといった安全資産への需要が高まるのが特徴です。こちらも投資家の心理状態については後で詳しく説明します。 投資家心理について考えてみよう 市場が上昇を続けていくと、投資家の心理は比較的楽観的な傾向を示します(これがリスク・オン)。逆に、経済の減速や不確実性の増加、金融危機などのリスク要因が高まったときに、投資家心理が悪化し、より安全な資産への保護的な姿勢を取ります(これがリスク・オフというのは説明しましたね)。このような場合、一生懸命にリスク資産を買いにいく行動をとってもすぐ目立つような成果をあげることはできません。つまり、市場参加者の心理状態によって投資戦略を変える必要があるということを意味します。投資の9割は市場参加者の心理で決まると言われるので、当然のことですね。では、自分が取るべき行動を理解するために、それぞれの投資家心理の特徴をいくつか見ていきましょう。 リスク・オンの場合 成長への信頼: リスク・オンの時期には、経済の成長や企業の収益の向上を期待している投資家が増えます。彼らは市場のポジティブな見通しを持ち、将来の株式市場の上昇を予想しています。リスクへの積極的な姿勢: 投資家はリスクの高い資産への投資に積極的になります。これは株式市場や商品市場などのリスク資産への資金流入をもたらし、株価の上昇に寄与します。信用の拡大: 金融機関が融資をしやすくなり、低金利政策や金融緩和策が実施されることで、投資家は容易に資金を調達できるため、株式市場への投資活動が活発化する傾向があります。<注意点>いいことばかりのように聞こえますが、実は注意すべきポイントもあります。リスク・オンの姿勢がすぎると判断が甘くなることがあります。楽観的すぎる投資判断: リスク・オンの心理が広がると投資家は一時的な市場変動やリスク要因を過小評価する傾向があります。市場の上昇トレンドに乗ることを重視し、短期的なリスクや不確実性に対しては相対的に寛容な姿勢を取ることがあります。 これらの要素が組み合わさり、リスク・オンの状態では市場全体の楽観的なムードが高まり、株価の上昇につながることがよくみられます。 リスク・オフの場合 リスク回避: 投資家はリスクの高い資産から安全な資産への移行を求めるようになります。経済の減速や不確実性の増加などのリスク要因が高まると、投資家は保守的な姿勢を取り、国債や金などの安全な資産への投資を増やす傾向にあります。この心理によって後から説明するポートフォリオのリバランス行動がとられるようになります。悲観的な見通し: 投資家は市場の先行きに懸念を抱き始めます。景気後退や金融危機の可能性が高まると、投資家は将来の経済成長や企業の収益に対する不安を抱き、市場の悪化を予想するようになるのです。安全資産への需要: 投資家は安全とされる資産への需要が高まります。国債や金、安定的な通貨などの保護的な資産が投資家の注目を集め、それらへの資金流入が増える傾向にあります。ポートフォリオのリバランス: リスク回避のところで説明した通り、投資家はポートフォリオのリバランスを行い始めます。リスク資産の価値が下落する可能性が高まると、投資家はリスクを抑えるためにリスク資産の比率を減らし、安全資産の比率を増やす傾向にあります。<注意点>リスク・オンと同様にリスク・オフに起きる心理・行動の変化にも注意点があります。それはリスクを過度に回避しようとすることです。過度なリスク回避: 投資家は時に過度なリスク回避を行うことがあります。市場の悪化や不確実性の高まりに対して過剰に反応し、パニック売りや過度な資金引き揚げなど、市場の過剰反応が見られることもあります。 これらの要素が組み合わさり、リスク・オフの状態では市場全体の悲観的なムードが高まり、株価の下落につながりやすくなります。 株価が変動する要因、少しは見えてきましたか? リスク・オンでもリスク・オフでも最終的には投資家心理 では、まとめてみましょうか。 1. リスク・オン(Risk On)の状態では、投資家はよりリスクの高い資産への投資を好みます。これは通常、経済の成長や市場の安定を期待しているときに起こるのです。投資家は、株式市場や商品市場などのリスク資産に投資を増やし、安全資産である国債や金などのリスクの低い資産から資金を引き揚げる傾向がありる為、このような資金の流れは、株価の上昇をもたらす傾向にあるのです。 2. リスク・オフ(Risk Off)の状態では、投資家はより安全な資産への保護的な姿勢を取るようになります。これは通常、経済の減速や不確実性の増加、金融危機などのリスク要因が高まったときに起こります。投資家は、リスク資産から資金を引き揚げて安全資産に移行する傾向がある為、このような資金の流れは、株価の下落をもたらす傾向にあるのです。 つまり、リスク・オン/リスク・オフの状態は、投資家の感情や市場のリスク評価に基づいており、それが株価の変動に影響を与えます。投資家の心理状態や市場の風向きは、さまざまな要因によって変動するため、株価もそれに応じて変動するということなのです。 関連投稿 【投資初心者向け】初めての投資で失敗しないための4つのこと PBRについて。PBR1倍割れの問題点や企業がPBRを上げるための対応策について解説します! 日本の東証33業種と米国11セクターの比較