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2023年 8月9日の日経概況

【市場総括】

2023年8月9日の東京株式市場は4営業日ぶりに反落しました。終値は前営業日比72円96銭(0.53%)安の3万2204円33銭。地方銀行への格下げを背景に下落した米国市場の流れを引き継ぎ、売りが先行してスタート。利益確定が出やすいタイミングにあったことや、午後からメガバンクが一斉に下落することまで加わると、下げ幅を200円以上に広げる場面もありました。TOPIXも4営業日ぶりに反落で取引を終えました。

本日も最後までしっかりお読みください。


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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。ダウ工業株30種平均は反落して、前営業日比158ドル64セント(0.4%)安の3万5314ドル49セント、ナスダック総合株価指数も反落して、前営業日比110.074ポイント(0.8%)安の1万3884.324、S&P500種株価指数も反落して前日比-19.06(-0.42%)の4,499.38で取引を終えました。

国債に続き、銀行への格下げが市場を揺るがしました。ムーディーズが7日夜に複数の地方銀行を格下げして、大手行に対しても格下げの方向で検討しているとのニュースが伝わり、銀行を中心に売りが広がりました。

下げ幅は460ドルを超える場面がありましたが、CPI、PPIなど主要な経済指標の発表が予定されており、ポジションを傾けることは難しく、下げ渋って取引を終えました。


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【日本市場の動向】

日本市場は地方銀行への格下げを背景に下落した米国市場の流れを引き継ぎ、売りが先行してスタートしました。前日まで3日間上昇して利益確定が出やすいタイミングにあったことや、午後からメガバンクが一斉に下落することまで加わると、下げ幅を200円以上に広げる場面もありました。

半導体関連に買いが入り下げ幅を縮小しましたが、翌日は3連休の前で、米国の主要指標発表も予定されていることから、戻りには限界がありました。TOPIXも4営業日ぶりに反落で取引を終えました。

業種別の動きは33業種中、13業種が上昇、20業種が下落する売り優勢。中国の単体旅行解禁で期待されたインバウンド関連を中心に買いが進みました。空運業、その他製品、医薬品が上昇して、鉄鋼も堅調。

下げがみだったのは銀行、証券などの金融関連、鉱業、石油など原油関連にゴム製品、機械、パルプなど素材系の一部も下げ幅を広げました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は上ひげの方が長い陰線を形成しました。本日も一目均衡表の雲で、雲の中は持ち合いになりやすいとの特徴を示しています。RSIも50付近で推移しており、オシレーター系指標でも持ち合っていることがわかります。

上値を抑えているのは移動平均線で、20,60日移動平均線が両方とも上に位置し、強い抵抗を形成しています。前日に続き、基準線が先行スパン1にタッチしてきており、

基準線、転換線が両方とも雲の上にいて、強く上値を抑え込んでいることがみえます。27,75日移動平均線で見た場合は、間に挟まれている格好なので、いずれにしても横ばいの動きでどちらかに動き出すエネルギーを溜めていることには間違いありません。

東証プライムの売買代金は3兆8471億円、売買高は15億9355万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1004、値上がりは763銘柄、変わらずは68銘柄でした。


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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

本日の相場を支えたのはインバウンド関連。日本向け団体旅行が今週中に解禁される見通しで、中国の旅行会社が準備を進めていることがこの日伝わったことで、中国関連のインバウンド系は好感されました。

エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)、マツキヨ(3088)、寿スピリッツ(2222)など、定番のインバウンド関連が物色されました。共通点は上げトレンドの頂点にたっていて、下げる準備をしていた銘柄。

今日の上昇をきっかけにトレンドを取り返すか、いきなり飛び込むよりは天井になりかけていた高値を超えることを確認する方が勝率は高まるでしょう。

逆の場合もあります。3メガバンクは天井に近い上昇幅の最後にいましたが、米国の格下げで一斉に下落、急にトレンドを下げの方に持っていくかが注目されます。上げてきた期間が長かった分、下げる余地が十分あるので、空売りを得意とするトレーダーは注目してよいでしょう。

また、本日の上昇率ランキングで気になるのは、スポーツ系の躍進。アシックス<7936>が23年12月期の業績と配当予想を上方修正して12.55%の大幅な上昇、ミズノ<8022>は値幅制限いっぱいまで買われて、値上がり率トップへ。両方とも天井を超えて、新たな高値を作りに行く動きなので、注目していいでしょう。

ただし、明日は3連休の前日で、PPI、CPIの発表を控えていることから積極的な動きは期待しづらく、方向感の定まらない動きになりやすいでしょう。朝方はSQ算出に向けての波乱の動きになりやすいので、注意が必要です。


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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,204.33-172.96(-0.53%)
TOPIX 2,282.57-9.16(-0.40%)

為替

ドル・円 ※143.39 – 143.40+0.32(0.22%)
ユーロ・円 ※157.37 – 157.39+0.33(0.21%)
ユーロ・ドル ※1.0973 – 1.0975-0.0003(-0.02%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) ※35,314.49-158.64(-0.44%)
S&P500種4,499.38-19.06(-0.42%)
ナスダック13,884.324-110.074(-0.78%)

債券・金利

米10年国債(%)4.031-0.059
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