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2023年9月25日の日経概況

【市場総括】

2023年9月25日の東京株式市場は5営業日ぶりに反発しました。終値は前営業日比276円21銭(0.85%)高の3万2678円62銭。日銀の金融政策決定会合の結果を好感した買いが続きました。先週末の米国市場が下げたことで朝方はマイナスに転じる場面もありましたが、米国長期金利の上昇で、為替市場で円安・ドル高が進行した結果を反映してプラスに切り返しました。強い上昇への確信がもてず、利益確定の売りが出る動きもありましたが、戻し幅は限定的で、上昇の勢いを保ったまま取引を終えました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場の動向は週末の投資戦略から引用します。

米国市場は続落しました。ダウ工業株30種平均は4営業日続落して、前営業日比106ドル58セント(0.31%)安の3万3963ドル84セント、ナスダック総合株価指数は4営業日続落して、前営業日比12.178ポイント(0.09%)安の1万3211.807、S&P500種株価指数も続落して前日比-9.94(-0.22%)の4,320.06で取引を終えました。

さらなる金融引き締めは選択肢から外れていないと発言したFRB高官の発言内容が追加利上げ、景気の冷え込みに対する警戒感を強め、投資家心理が悪化した結果、市場で売りが広がりました。

全米自動車労組(UAW)によるストライキ拡大のニュースも投資家心理を冷やしました。景気後退への懸念から景気敏感業種の売りが目立ち、資本財関連の業種も下げました。ハイテク関連では4%安を記録したテスラの下げが印象的でした。

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【日本市場の動向】

日本市場は日銀の金融政策決定会合の結果を好感した買いが続きました。朝方は先週末の米国市場が下げたことを引き継ぎ、マイナスに転じる場面もありましたが、米国長期金利の上昇で、為替市場で円安・ドル高が進行した結果を反映してプラスに切り返しました。

先週の下げ幅が1100円に達していたことで自律反発のタイミングに来ていたことも加わり、上げ幅は300円を超える場面もありました。強い上昇への確信がもてず、利益確定の売りが出る動きもありましたが、戻し幅は限定的で、上昇の勢いを保ったまま取引を終えました。

業種別の動きは33業種中、25業種が上昇、8業種が下落して、上昇が優勢の相場に切り替わりました。金融政策の期待が先行して買われていた銀行、保険業には売りが入り、証券・商品先物取引が売られて金融系全般が冴えない動きとなりました。

内需系の上昇が強く、医薬品、小売業、食料品が上位3位を占め、水産、倉庫も強い。ハイテク関連にも買いが進み、情報・通信業、電気機器が上昇率トップ5に入り、その他製品、卸売業、ガラスなども伸ばしました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は上下ひげをもつ陽線を形成しました。下ひげの方が少しながく、引き上げる力の方が優勢な形です。実体も前日の実体から上に離れているので、上に向かって明確にトレンド転換しました。

高値が近づいてレジスタンスにあったのは5日移動平均線、そしてその上には転換線があり、上に向かっていく時に抵抗になる要因の方が多くみえますが、下の方は安値付近に基準線、下雲に変わった先行スパン2が終値付近にいるので、支えとなっています。

これらの要素がせめぎ合う場合は持ち合いになる可能性が強くなりますが、逆にどちらかに振れると強い動きになりやすくなります。上に振れる場合は、33,300円付近が上値の目処で、これは今回の下向きスウィングが始まった9月19日の高値にあたります。

東証プライムの売買代金は3兆1720億円、売買高は12億6935万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1374、値下がりは412、変わらずは50銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

週末の投資戦略で解説した通り、日本は底堅い展開で一週間のスタートを切りました。本日の上昇が強さを持っているのは事実ですが、さらにその高値を超えることで前回の高値に挑戦する動きに入ります。

テクニカル的には下向けのチャンネルラインを一時的にうわ抜けたものの、3日だけで戻ってきて下げが加速した後、やっと下げ止まり、上に向かってトレンド転換したことに過ぎません。

抵抗とサポートになる指標が両方存在し、上か下、どっちに振れてもおかしくないところにいるので、まだ安心できるところではありません。厳密にいうと、そもそも市場にいながら安心できる相場を探すのがおかしいと言えるでしょう。

動きが曖昧になるのは投資主体が強い相場感を持たないことにも原因を見つけることができます。投資主体別売買動向の中で外国人の行動をトレースしてみると、8月2週目から3週目にかけて売り越しに転換、4週目まで売り越しの後、5週目で買い越しに浮上した後は、9月1週目、2週目は連続で売り越しを記録しています。

週ごとに売り越し・買い越しが入れ替わるのは2023年の1月から3月にかけてみられた現象で、この時の相場はやはりボックスの中で上と下を往復する動きに留まりました。その後は外国人が12週連続という記録的な買い越しを記録、相場は大いに盛り上がりました。

今回はどうなるか。大事なのは3月以降、米国も一緒に上昇したということです。下げ足を早める米国市場の影響をどれだけ受けるか?これにかかっているのではないでしょうか。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,678.62+276.21(0.85%)
TOPIX 2,385.50+9.23(0.39%)

為替

ドル・円 148.33 – 148.35+0.07(0.04%)
ユーロ・円 157.98 – 158.00+0.12(0.07%)
ユーロ・ドル 1.0649 – 1.0651+0.0002(0.01%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,963.84-106.58(-0.31%)
S&P500種4,320.06-9.94(-0.22%)
ナスダック13,211.807-12.178(-0.09%)

債券・金利

米10年国債(%)4.438-0.054
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