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2023年9月27日の日経概況

【市場総括】

2023年9月27日の東京株式市場は反発しました。終値は前営業日比56円85銭(0.18%)高の3万2371円90銭。外部環境の悪化を背景に大きく売りが先行してスタート、長期金利の上昇が嫌気され下落した米国市場の動きを引き継ぎ、心理的支えとなる32,000円を割る場面もありました。権利付き売買の取引最終日であることから配当取りの買いが集まった結果、小幅に反発して終わりました。

本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は反落しました。ダウ工業株30種平均は反落して、前営業日比388ドル00セント(1.14%)安の3万3618ドル88セント、ナスダック総合株価指数は反落して、前営業日比207.710ポイント(1.56%)安の1万3063.610、S&P500種株価指数も反落して前日比-63.91(-1.47%)の4,273.53で取引を終えました。

ダウ工業株30種平均は6月6日以来の安値、ナスダック総合株価指数は4カ月ぶりの安値を記録すると共に、ダウの下げ幅は3月22日に記録した530ドル以来の大きさでした。S&P500種株価指数も6月8日以来の安値で終わるなど、市場は下方への探索を続けています。

長期金利が一時4.56%まで上昇、2007年10月以来の高水準まで伸びたことが投資家心理を悪化させました。片方では米議会の予算協議が難航することから、政府機関の一部閉鎖が懸念され、下げ幅を広げました。

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【日本市場の動向】

日本市場は外部環境の悪化を背景に大きく売りが先行してスタートしました。長期金利の上昇が嫌気され下落した米国市場の動きを引き継ぎ、心理的支えとなる32,000円を割る場面もありましたが、権利付き売買の取引最終日であることから配当取りの買いが集まった結果、小幅に反発して終わりました。

配当取りの取引に加えて、機関投資家の配当再投資も入ったと見られ、当日の最高値で終わりました。TOPIXも反発して、7.59ポイント(0.32%)高の2379.53、この日の高値で引けました。

業種別の動きは33業種中、20業種が上昇、13業種が下落して、上昇が優勢の相場で日々相場の様子が入れ替わっています。 長期金利の上昇を背景に値を伸ばしていた保険業、銀行業は、まちまちの動き。保険業が小幅の上昇、銀行業が下落しました。

医薬品が上昇率1位、その他金融業、不動産業が上昇、円安の進行で輸送用機器も好調でした。水産、食料品、建設などの内需系の一角にも買いが入りました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は下髭を持つ陽線を形成しました。先日の高値と安値を切り下げて形では下がりましたが、猛烈に戻して陽線で終わりました。 安値が位置するところは、下向けのチャンネルラインを描いたときに形成される半値ラインで、この位置は下雲の下抜けたところでもあります。

下雲の下抜けが 見られた場合は、下に向けての動きが加速する傾向が強いですが、陽線で戻したので支えられる可能性もあります。ただし、サポートラインになる指標とレジスタンスになる指標の間で、下に抜けてしまったので下押しの圧力が強くなる可能性が高いでしょう。

ゴールデンクロス寸前だった79日線と25日線を同時に下に抜けたのも非常に印象が悪いと見られます。さらなる下押しには十分注意したいところです。

東証プライムの売買代金は3兆9250億円、売買高は15億8606万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1313、値下がりは477、変わらずは46銘柄でした。

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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

日経の分足を見ると面白い動きで終わっています。引けにかけて一貫してあげていましたが、さらに大引けの瞬間には数十円上に跳ね上がって終りました。前日は売りが続いてこの日の安値で引けましたが、本日は高値引け、ボラティリティが高くなっていることを示しています。

引けにかけての強さは、真の強さと言うよりは需給に対する心理的要因が大きいでしょう。配当が見込まれる金額を再び市場に投資する機関投資家の配当再投資、さらに配当再投資が入るだろうと予想した短期筋の先物買いも入って終値を引き上げた側面があります。

権利落ちなので、明日は200円ほどの引き下げがあるのが見込まれるので、今夜の米国市場が大きく下げない限り、普通のスタートラインは32,100円付近、その後は安値を保ちながら32,000円の心理的サポートラインはキープできるか、確認ポイントです。

テクニカル的にはすでに下向きになった市場、グロース株敬遠は続くでしょうか。ここまで一貫して説明してきた通り、グロース系は明確な反転がみられない限り新たにポジションを立てるべきではありません。

パルプ・紙、化学、ゴム製品などの素材系業種は割高から下を模索する動きに入ったので、さらなる下押しには十分警戒してください。例えば王子製紙<3861>、大王製紙<3880>など業界を代表する会社が高値圏で推移するので、急落に備えるのがよいでしょう。

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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)32,371.90+56.85(0.18%)
TOPIX 2,379.53+7.59(0.32%)

為替

ドル・円 149.11 – 149.12+0.25(0.16%)
ユーロ・円 157.40 – 157.42-0.17(-0.10%)
ユーロ・ドル 1.0554 – 1.0556-0.0031(-0.29%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,618.88-388.00(-1.14%)
S&P500種4,273.53-63.91(-1.47%)
ナスダック13,063.610-207.710(-1.56%)

債券・金利

米10年国債(%)4.538+0.004
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