ホーム » 配信情報トップ » BLOG » ドットチャートとは~なぞの経済用語~ ドットチャートとは~なぞの経済用語~BLOG FRB 投資知識 ドットチャートとは?(FOMCでよく出てくる話です) FOMCの記事を読んでいるとよく出てくる”ドットチャート”という言葉。一回くらいはニュースで聞くか、記事で読んだことがある方も多いでしょう。特にFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表後、市場で大きな注目を集めるこのチャート。実は、FOMCメンバーたちが未来の政策金利を予測した結果をグラフ化したものです。今回は、このドットチャートが何なのか、そしてどのように作られるのかを分かりやすく解説します。 どんなところで出る? まず、ドットチャートの話が出てくる記事の一部を一つ読んでみましょう。“FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)から、25年の利下げペースを確認したいとの声が多く聞かれます。”これだけでは何を意味するのかよくわからないですね。大丈夫です。この記事が終わる頃には完璧に理解できるようになっています。それではゆっくり進んでいきましょう。 ドットチャートとは? ドットチャートは、FOMCメンバーそれぞれが将来の政策金利(フェデラルファンド金利)の見通しを示したグラフです。各ドットはメンバー1人の予測を表す: 横軸が「年次(例:2024年、2025年、2026年、長期)」、縦軸が「政策金利の水準(%)」です。分布がポイント: ドットの位置から、政策金利の中央値や分布の広がりを視覚的に理解できます。公表時期: 年4回、FOMC会合(3月、6月、9月、12月)の後に発表されます。このチャートは、メンバーの個々の見通しをまとめたものであり、金利政策の方向性や意見のバラツキを示す重要な指標です。説明だけでは難しいので、実際のイメージを見ながら解説します。 図1 債券の仕組み 横軸:時間(2024年、2025年、2026年、長期)縦軸:政策金利(%)各年に対応する場所に点がプロットされ、分布がわかります。 実際の分析は? 上記はFOMCのドットチャートの例です。各ドットはFOMCメンバー1人の政策金利予測を示しており、横軸は年次(2024年、2025年、2026年、長期)、縦軸は政策金利のパーセンテージです。これにより、将来の金利見通しを視覚的に理解できます。この図では、2024年には5%以上の高金利が予想されていますが、年を追うごとに徐々に金利が下がるという傾向が見られます。つまり、一人ひとりの意見は違うかもしれないが、全体的に政策金利は下がっていくと思っているのがわかります。このチャートでわかる結論は”長期的には2.5~2.75%程度の「中立金利」に落ち着くことが予想される“ということです。 アメリカの金融政策は全世界に影響しますので、このドットチャートも発表されるたびに注目されます。それでは世界が注目するこのチャート、どのように作られるのか、知りたくありませんか? ドットチャートが作られるプロセス では、このドットチャートはどのように作られるのでしょうか?その裏側をステップごとに見ていきましょう。 メンバーの独自予測🔮まずは、各FOMCメンバーがそれぞれの分析に基づいて将来の政策金利を予測します。経済データ(GDP成長率、失業率、インフレ率など)を徹底的に分析。「将来の経済状況に最適な金利はどれか?」を考えます。このプロセスは独立して行われ、他のメンバーの意見には左右されません。匿名で予測を提出メンバーが予測をまとめたら、匿名でドットとして提出します。横軸(年次)ごとに「この時点の政策金利はこれくらい」と点を投げ込むイメージです。各メンバーの意見が個別に反映されるため、正直な予測が出やすくなっています。全体の集計提出されたドットは事務局によって集計され、グラフとして視覚化されます。この時点で、初めて全体の分布が明らかになります。中央値が「政策の方向性」を示す指標に。分布の広がりが「意見の一致度」を表します。議論と調整🗣️メンバーが一堂に会し、提出されたドットを元に政策金利について議論します。「この予測の背景にある経済状況は?」「インフレや失業率をどれくらい重視すべきか?」この議論を通じて、全体としての金融政策の方針が形作られます。チャートの公開✨最終的なドットチャートは、FOMC会合の後に公表されます。この瞬間、市場は大きく反応します。「金利が上がる!ドルを買おう!」「いや、利下げの可能性もある。株が上がるかも!」などなど ドットチャートは、市場の「未来を読む」ための重要な材料となります。年に4回発表されるので、一回くらいはリアルタイムで記事をチェックしてみることをおすすめします。 ドットチャートの意義 ここでドットチャートの意義をまとめてみましょう。最も大きな意義は透明性と未来の予測のための基準になるというのがわかります。 経営にかかわる権利の有無 ドットチャートは、FOMCの金融政策がどのように形成されるかを市場に示すため、透明性を高める役割を果たします。 還元策の違い ドットチャートを見ることで、将来の金利の方向性についてヒントを得ることができます。 元本保証の有無 経済の現状や見通しについて、FOMCがどのように考えているかを共有する役割も果たします。 債券は満期保有すれば元本が保証され利息も得られるため、安全性が高い投資と言えます。そのため株式より債券に魅力を感じるかもしれません。しかし、利息は預貯金や定期預金より高いものの、低いです。 ドットチャートが語る未来 次回FOMC会合後に発表されるドットチャートを見たら、その裏側で行われたプロセスをぜひ思い出してみてください。各メンバーが独自に未来を占い、議論を交わし、作り上げた「政策金利の未来地図」です。読んでみて、自分が予想する未来はどんな形なのをじっくり考えてみるのも素晴らしい体験でしょう。 ただの点にしか見えないチャートですが、その一つひとつの点には、アメリカ経済の行方を見据えた深い洞察が込められています。そして、それが私たちの投資判断や経済活動にも大きな影響を与えるのです。 おわりに ドットチャートの背後にあるプロセスを知ることで、より深くその意味を理解できるのではないでしょうか?いかがでしょうか?今回の記事も楽しかったですか?公式ラインでぜひその感想を聞かせてください。 公式ライン追加はこちら FOMCとドットチャートについて話してきましたが、いかがでしたか。FOMCとFRBの話は意外と奥が深いので、シリーズで続きますので、ぜひそちらも読んでみてください! 関連投稿 2016年3月17日日経概況 2014年6月19日日経概況 2016年9月16日の日経概況