【市場の見通し】
2026年7月28日の東京株式市場は、反落して始まりそうです。大阪取引所の夜間取引で、日経平均先物9月限は日中清算値比1260円安の6万3910円で取引を終え、27日の日経平均株価の終値(6万4931円19銭)を1021円下回る水準まで沈みました。シカゴ日経平均先物の円建て清算値も大阪の日中清算値比1115円安の6万4055円です。27日の米国市場ではダウ平均が続伸したにもかかわらず、半導体株への売りだけが止まらず、東京市場は指数寄与度の大きい値がさ半導体株の下げをそのまま被る形になります。本日の日経平均の予想レンジは6万3300円~6万4400円を想定します。前日に支えとなった75日移動平均線(6万4722円)を夜間先物が800円あまり下回っており、寄り付きからこの線が上値の抵抗に変わる展開が見込まれます。
為替は、ドル円が午前8時時点で1ドル=163円74銭前後と前日夕方より22銭のドル高・円安、ユーロ円は1ユーロ=186円16銭前後と20銭の円高で推移しています。円安は輸出関連の採算を支えますが、株価の下げがそれを上回る半導体主導の下落であるため、今日の相場では為替は主役になりにくい状況です。需給面では、本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まり、結果の判明は日本時間30日未明となるため、その前に持ち高を減らしておきたい売りが出やすくなります。国内でも本日はスクリンホールディングスや日東電工、カプコンなど35社が決算を発表する予定で、機関投資家が新規の買いを入れにくい一日です。下値では、前日にプライム市場の9割の銘柄が上昇した買いの厚みが、どこまで踏みとどまるかが焦点になります。
米国市場はダウが続伸する一方、半導体売りが止まらずナスダックは4日続落しました
27日の米国市場は、ダウ工業株30種平均が前営業日比262ドル83セント高の5万2210ドル08セントと続伸しました。S&P500は1.20ポイント高の7413.18とほぼ横ばい、ナスダック総合指数は43.75ポイント安の2万4932.08と4日続落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続落で下値を切り下げています。米国がイランへの攻撃を当面見合わせる姿勢を続けたことでWTI原油先物は82.23ドルまで続落し、インフレ警戒の後退を受けて消費関連株などに買いが入りました。欧州でもドイツのDAX指数が1%を超えて上昇し3週間ぶりの高値をつけており、リスクを取る動き自体は健在です。安全資産としての需要が薄れたニューヨーク金先物は4089.30ドルまで反落しました。指数の明暗を分けたのは、半導体だけが取り残されたという一点に尽きます。
個別ではエヌビディアが4.99%安、AMDが5.17%安、サンディスクが11.02%安、マイクロン・テクノロジーが2.25%安と主力の半導体が軒並み下げました。オランダのASMLも5.80%安と大きく崩れており、中国の政府系企業が液浸型の深紫外線露光装置の製造を開始したと伝わったことが売り材料です。露光装置は半導体製造の中核を担う工程であり、中国が内製化を進めれば海外勢の需要が細るとの見方が働きました。一方でマイクロソフトが1.94%高、アルファベットが2.34%高、アップルが1.17%高と大型ソフト・プラットフォーム株は買われています。市場では大型IT株からの資金シフトがすでに7割強まで進み、投資家の持ち高整理は相当程度終わったとの指摘も出ています。売られているのは成長そのものへの期待ではなく、設備投資の重さを抱えた半導体という限定された部分だと押さえておくべきです。東京市場でも東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシアホールディングスといった値がさ半導体株が売られ、日経平均を押し下げる構図になります。
【本日の投資戦略】
本日の焦点は、日米で同時に走る決算とFOMCの日程です。国内ではスクリンホールディングス、日東電工、カプコンなど35社が決算を発表し、なかでも半導体製造装置のスクリンホールディングスの内容は、前日のASML急落で崩れた投資家心理を検証する材料になります。海外では5月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数と7月の米消費者信頼感指数、米7年国債の入札が控えます。FOMCは本日から2日間の日程で始まりますが、政策金利は3.50~3.75%での据え置きが中心シナリオで、市場が見ているのは声明文とFRB議長会見の中身です。結果が出る前のこの一日は、材料に反応するというより、材料を待つあいだにポジションが減っていく時間帯だと考えるのが実態に近いところです。
下げの中身を確かめるうえで参考になるのが、米国市場に上場する日本株のADR(米国預託証券)の値動きです。円換算した終値では、東京エレクトロンが1銘柄で2376円安の6万424円と3.78%下落し、村田製作所が2.01%安、HOYAが1.45%安、キーエンスが1.10%安と、半導体と電子部品に売りが集中しました。その裏側で、ソニーグループは2.13%高、第一三共は1.08%高、任天堂は1.01%高、トヨタ自動車も0.59%高と買われています。日経平均が1000円規模で下がる見込みなのに、下げているのは限られた銘柄群だという事実がここに表れています。前日の東京市場でプライムの9割が上昇したことと合わせれば、今日の下落も市場全体からの資金流出ではなく、半導体という一つのセクターの調整が指数の計算上そのまま増幅されている姿だと読めます。指数を見て相場全体を判断すると、実際に起きていることを取り違えます。
具体的な行動としては、下値の目安を先に決めておくことを優先します。夜間先物の6万3910円はボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(6万3640円)にほぼ接する水準で、これを明確に割り込んだ場合の次の下値目標は一目均衡表の雲下限にあたる6万2970円です。押し目買いを検討するなら6万3000円台前半への接近を待ち、通常の3分の1程度の小さいサイズで打診するにとどめます。戻りを試す場面では、上値の抵抗に変わった75日線の6万4700円台が戻り待ちの売りの目安になります。半導体関連への新規の買いは、スクリンホールディングスの決算内容を確認してからでも遅くありません。今週は30日未明にFOMCの結果、30日から31日に日銀金融政策決定会合が控えているため、方向感を決めつけた大きな建玉は持ち越さない構えが妥当です。
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