【今日の3行まとめ】
- 日経平均は1363円高の6万6970円。米雇用統計の下振れで早期利上げ観測が後退し、半導体株に買いが戻りました。
- 上げ幅の半分はアドバンテストとリクルートの2銘柄によるもので、TOPIXは取引時間中に過去最高値を上回りました。
- 明日は休場で、次の材料は12日の米CPI。持ち越す建玉は6万6300円を割れの目安にしてください。
【市場の総括】
2026年8月10日の東京株式市場は、3営業日ぶりに大幅反発しました。日経平均株価の終値は前週末比1363円51銭(2.08%)高の6万6970円22銭で、7月15日以来およそ4週間ぶりの高値です。TOPIXは25.68ポイント高の4100.61と4日続伸し、取引時間中には過去最高値を上回る場面もありました。東証グロース市場250指数は724ポイント台と、ほぼ横ばいにとどまっています。東証プライムは値上がりが58.8%、値下がりが38.7%。売買代金は概算8兆388億円、売買高は21億2532万株でした。10年物国債の利回りは2.786%で、前週末の2.783%からほぼ動いていません。
買いの起点は7日発表の米雇用統計です。非農業部門雇用者数が市場予想に反して2万3000人の減少となり、米国の早期利上げ観測が後退しました。金利低下を追い風にハイテク株が買われた米国市場の流れを、東京市場が引き継いだ格好です。寄り付きから半導体・AI関連に資金が入り、日経平均は前場に一時6万7000円台へ乗せました。ただ大台に届いたところで上げは一服し、後場は動意に乏しい展開です。明日11日が山の日で休場のため、新規に持ち高を積む動きも出にくい一日でした。業種別ではサービス業、精密機器、非鉄金属が上昇し、石油・石炭製品、保険業、不動産業が下げました。指数寄与ではアドバンテストとリクルートホールディングスの2銘柄だけで約699円を押し上げ、上げ幅1363円のちょうど半分を占めています。リクルートは7日に通期予想を上方修正しており、ストップ高で買われました。
今晩の米国市場の注目ポイント
7日の米国市場は主要3指数がそろって上昇し、ダウ工業株30種平均は0.28%高の5万4036ドル93セント、S&P500種株価指数は0.62%高の7757.64で最高値を更新、ナスダック総合指数は1.30%高の2万6690.62で引けました。SOX指数も2.29%高と急伸しており、雇用の減速が金利低下を通じてハイテク株の買い材料になるという構図が、そのまま数字に表れています。
今晩の米国は目立った経済指標も大型決算もなく、材料はクリーブランド連銀総裁の発言程度です。時間外の米株先物も東京時間を通じて小動きで、ダウ先物は5万4000ドル台、ナスダック100先物は2万9800ポイント台での推移でした。米10年物国債の利回りは4.645%付近と7日の終値水準に戻り、WTI先物は78ドル付近です。為替はドル円が本日16時時点で158円45銭と、前週末同時刻の158円34銭から11銭の円安になりました。市場の視線はすでに12日水曜21時30分の7月米消費者物価指数に移っています。予想は前年同月比3.4%、コアが2.5%で、いずれも伸びの鈍化が見込まれています。ここで予想を上回れば、雇用の弱さで後退した利上げ観測が巻き戻り、本日の半導体株高の前提そのものが崩れます。
【今後の投資戦略】
6万7000円という数字を、日経平均は本日の前場に一度だけつけました。そこで上げが止まり、終値は6万6970円22銭です。ただ、この日の値動きでチャート上の意味が変わったのは大台そのものではなく、25日移動平均線を上抜けたことでした。7月中旬からの調整局面で、この線は戻りを止める側に回っていたからです。7月15日以来の高値で引けたことと合わせると、短期の方向はいったん上に転換した形になります。TOPIXが取引時間中に過去最高値を上回ったことも、値がさ株だけの上昇ではないことを示します。ただし売買代金は8兆388億円で、2342円高となった5日や、10兆8960億円をこなした7日には届いていません。値上がり58.8%という広がりも、全面高と呼べる水準ではないのです。
この上抜けを額面どおりに受け取れない理由が一つあります。本日の上昇は米雇用統計という外から来た材料への反応であって、国内で新しい買いの理由が生まれたわけではない、という点です。上げ幅の半分が2銘柄に集中したことも、資金が広く戻ったというより、指数寄与の大きい銘柄への買い戻しと読むほうが自然です。前提が崩れるかどうかの判定は12日の米CPIで下ります。予想を上回れば米長期金利は上昇に向かい、本日買われた半導体株から先に売られます。明日は休場で、次に建玉を動かせるのは12日の朝です。持ち越す銘柄は、CPIの結果を織り込めない一日を挟むことを前提に選んでください。上値の目安は6万7000円の定着、下値は本日の上げ幅の半分を戻す6万6300円が第一の節目です。押し目を拾うなら6万6000円まで待ち、そこを日中に割り込むようなら、12日21時30分の米CPIが出るまで手を出さないことです。
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