きみは今日、どのフロアから読む?
どこから入っても、各フロアの最初に「1分おさらい」があるよ
週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
金曜に大あらし今週の日経の天気
火曜はお休み。月・水・木・金の4日すべて値下がりし、金曜は3,643円安と、これまでで3番目に大きな下げになりました。週間ではおよそ5,855円(9.25%)の値下がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は、アメリカの選挙が日本の株を大きくゆらしました。月曜日は、アメリカで半導体の株が下がった流れを受けて208円安。火曜日は「文化の日」でお休み。水曜日は、アメリカの選挙の結果から「AIの仕事へのルールがきびしくなるかも」という心配が広がり893円安。木曜日も1,110円安。そして金曜日は、アメリカで半導体の株が大きく下がったことを受けて3,643円も下がり、6万円を下回りました。1週間の合計ではおよそ5,855円(9.25%)値下がりしました。もうひとつの物差し「TOPIX」も週間で6.48%の値下がり。でも木曜日だけは、TOPIXが上がっていたんだ。
👇グラフの日づけの まるを タップしてみてね!その日に なにが あったのか、お話が でてくるよ
💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおのまるだよ。お休みの日ははいいろで、前の日と同じ高さにしてあるよ。
月半導体の会社の明暗が分かれ、208円安
半導体の株が下がる
東京エレクトロンは買われる
▼208円、TOPIXは▼0.88%
火文化の日で、東京の株の市場はお休み
株の市場はお休み
取引だけ行われた
▼870円に
水アメリカの選挙で一時3,000円以上の下げ。終わりは893円安
民主党が有利に
きびしくなる心配
▼893円、3日つづけて下落
木アドバンテスト1社で1,097円。でもTOPIXは上がった
議会の両方で多数に
半導体の株が売られる
▼1,110円、TOPIXは上昇
金3,643円安で6万円を下回る。33業種すべて値下がり
半導体の株が大きく下がる
すべての株が売られる
▼3,643円、6万円を下回る
アメリカの大統領の任期(つとめる期間)は4年。そのちょうど真ん中の年に行われる、議会(法律を決める人たち)の選挙のことです。議会には「上院」と「下院」という2つの部屋があり、どちらの政党が多数をとるかで、決まりやすい法律が変わります。
今週のできごとQ. 木曜日、日経平均は1,110円も下がったよ。でも東証プライムでは、値上がりした株のほうがずっと多かったんだ。値上がりした株は、全体のおよそどれくらい?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
木曜日、日経平均は1,110円も下がったのに、TOPIXは1.16%上がった。同じ日なのに、どうして向きが逆になったの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
米中間選挙が「AI規制」という新しい材料を生んだ5日間
4営業日すべて下落、最後は3,643円安
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
先週まで相場を動かしていたのは、「AIへの巨額の投資は回収できるのか」という企業決算の問いでした。週明け2日もその流れで、前週末30日の米国市場ではインテルの売上高見通しが予想に届かず同社株が3割安、SOX指数(米国の主要な半導体株でつくる指数)は7.2%安でした。東京ではキオクシアホールディングスが決算を受けて2,125円安となり1銘柄で日経平均を約150円押し下げた一方、好決算と自社株買いを発表した東京エレクトロンは約248円の押し上げ。出典記事は「AI関連の評価が二つに割れた」と整理しています。
今週はここに政治が加わりました。3日に投開票された米中間選挙で民主党の優勢が伝わった4日、AI関連事業への規制強化が警戒され、日経平均は下げ幅が一時3,000円を超えて6万0030円まで売られました。大統領が選挙結果を受け入れると発言したあとは急速に下げ幅を縮めています。5日は民主党が上下両院を制したことでAI規制の強化が意識され、さらに5日の米国市場ではAIのデータセンター建設が抑えられるとの懸念から、ナスダック総合が5.52%安、SOX指数が12.25%安と急落。これを受けた6日の東京市場は、史上3番目の下げ幅となる3,643円安でした。
?原油安はなぜ「空運業の追い風」になるの?
WTI原油先物は2日に7.36%安の1バレル96ドル46セントと100ドルを割り、4日には88ドル79セントまで下げました。燃料費が軽くなる空運業は4日に3.83%高で上昇率首位となり、反対に石油・石炭製品(4.39%安)と鉱業(4.02%安)は下落率の上位に沈みました。同じ原油の値下がりが、業種によって追い風にも逆風にもなります。ただし6日は原油が91ドル台へ戻し、33業種すべてが下げるなかで空運業も3.45%安でした。業種の材料よりも、市場全体のリスク回避が勝った一日です。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。
週間で日経平均は-9.25%、TOPIXは-6.48%と、どちらも大きく下げました。日ごとに見ると、形は毎日ちがいます。月曜は日経平均-0.33%に対してTOPIX-0.88%と、TOPIXの下げのほうが2倍以上。水曜は-1.42%と-0.89%。木曜は日経平均-1.79%に対してTOPIX+1.16%と、向きが逆になりました。金曜は-5.96%と-5.90%で、ほぼ同じ下げ率です。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約15.96倍から、金曜には約15.49倍へ下がりました。
アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで押し下げは約1,557円と、下げ幅1,110円73銭を上回りました。残りの銘柄全体では、差し引き約446円の押し上げだった計算です。実際、33業種のうち25業種が上昇し、上昇率は輸送用機器、不動産業、ゴム製品の順。取引時間中に今期の最終利益を10%上方修正したトヨタ自動車は505円高の3,533円で、ファーストリテイリングは指数を約295円押し上げました。出典記事はこの日を「指数を動かした銘柄と、資金が向かった先が真逆になった一日」と表現しています。
サーキットブレーカー
相場が短い時間に大きく動いたとき、取引所が売買を一時的に止めるしくみ。もとは電気が流れすぎたときに回路を切る安全装置の名前。投資家が頭を冷やす時間をつくる目的がある。6日は韓国総合株価指数でサーキットブレーカーが発動し、東京市場でもリスク回避の売りが強まった。
200日移動平均線(にひゃくにちいどうへいきんせん)
過去200営業日の終値の平均を、毎日計算してつないだ線。長い期間の流れを見る目安とされ、株価がこの線を下回ると「長期の流れが弱まった」とみる人が多い。6日は日経平均もTOPIXも200日移動平均線を割り込み、週足の52週線も下回った。
Q. 木曜日、日経平均は1.79%下がったのに、TOPIXは1.16%上がった。この理由を50字くらいで説明してみよう。
2本の線を重ねると、木曜日に日経平均はTOPIXより約2.9ポイントも下に開いた。金曜日の全面安で、その差はどうなった?
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 1銘柄1,097円が生んだ「逆向きの木曜」
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
11/3は休場のため前日と同じ値で描いています。月曜は日経平均99.67に対してTOPIX99.12と、TOPIXのほうが下にありました。水曜は98.26と98.24でほぼ重なり、木曜は日経平均が96.50へ下げた一方でTOPIXは99.38へ戻し、差は約2.9ポイントと今週最大に。金曜はそろって急落し、日経平均90.75、TOPIX93.52と、差は約2.8ポイントのまま週を終えています。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。月曜は東京エレクトロンとアドバンテストの2銘柄で約445円押し上げ、下げ幅を208円にとどめた。木曜はアドバンテスト1銘柄で約1,097円と、下げ幅1,110円のほぼ全部。金曜は押し下げ上位5銘柄(ソフトバンクグループ、アドバンテスト、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、リクルートホールディングス)で約1,264円だった。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。月曜はプライムの65.1%が値下がりして0.88%安、木曜は約73%(1,130銘柄)が値上がりして1.16%高、金曜は値上がり21銘柄・値下がり1,523銘柄で5.90%安となった。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は、月曜が「値がさ株が支えた日経平均と、広く下げた市場全体」、木曜が「値がさ株に偏った下げ」、金曜が「市場全体の全面安」と、3つのちがう形が1週間にそろった。NT倍率が1週間で約0.47倍下がったことは、週全体として値がさの半導体株から資金が抜けたことを示している。
前回号(10/26〜10/30)では、「金曜に半導体株から空運・海運などの内需株へ移った資金の流れが続くか。値上がり銘柄が過半を保てるか、33.82まで上がった日経VIが落ち着くか」に注目としていました。結果は、月曜に東京エレクトロンとアドバンテストが買い戻されて半導体株の評価が二つに割れ、値上がりは全体の32.5%にとどまりました。日経VIは35.72へさらに上がり、落ち着きませんでした。水曜は空運業が3.83%高で上昇率首位となり、商社も買われて、内需と商社に資金が残る形になりました(値上がりは27.3%)。値上がり銘柄が過半となったのは、33業種中25業種が上昇した木曜(約73%)だけです。ただし海運業は木曜に下落率の上位でした。金曜は33業種すべてが下落し、値上がりは21銘柄だけと、内需への資金の流れも全面安にのみこまれました(火曜以降の日経VIの値は出典記事に記載がありません)。
Q1木曜は日経平均-1.79%に対してTOPIX+1.16%と逆向きだった。一方、金曜は-5.96%と-5.90%で、ほぼ同じ下げ率だった。2日の違いを、「値がさ株」「時価総額加重型」「寄与度」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2今週、空運業は水曜に3.83%高と上昇率首位だったが、金曜は3.45%安だった。「原油安は空運業の追い風」という説明は、どこまで業種の動きを決めるのか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の米国の半導体株安による下げから、米中間選挙をきっかけにしたAI規制への警戒、そして史上3番目の下げ幅となった金曜の全面安までを一本の筋で語ることはできても、そこには米国の企業決算とAI投資の回収への見方・米中間選挙と議会の構成・原油の急落・為替と介入への警戒・国内の長期金利・韓国市場のサーキットブレーカー・個別企業の事情・指数の計算方法という要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。市場に単一の説明はない。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:中間選挙/サーキットブレーカー/200日移動平均線。
来週は、6日夜(日本時間)の米国の10月雇用統計(予想は非農業部門雇用者数6万5000人増、失業率4.2%)を市場がどう受け止めるか。AI規制の議論が法案や審査の形で具体化するのか、日経平均が6万円を取り戻せるか、全面安のなかで下げが小さかった鉄鋼(2.71%安)が下落率の小さい側に残るかが見どころです。答え合わせは次号で。
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