きみは今日、どのフロアから読む?
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週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
そこから大あらし今週の日経の天気
月曜は一時6万9,225円まで上がったのに、水曜には6万5,326円まで急落!週間では約2,697円(3.93%)の値下がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は月曜、キオクシアという会社の株が15%も上がって506円のアップ。ところが火曜はアメリカとイランの対立から石油の値段が上がり、金利が上がることを心配して1,759円のダウン。水曜はソフトバンクグループが大きく売られて2,134円もの大幅ダウン。木曜はアメリカの金利が下がったことで890円のアップと持ち直しましたが、金曜はまた200円のダウンで週を終えました。上がった日も下がった日も1日で1,000円をこえる、はげしい1週間でした。5日間のトータルでは約2,697円(3.93%)安くなりました。
👇グラフの日づけの まるを タップしてみてね!その日に なにが あったのか、お話が でてくるよ
💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおだよ。
月キオクシアが15%高で急伸!5日続伸で506円高、6万9000円台に
半導体株が急伸
物価上昇も判明
▲506円、5日続伸
火米・イランの対立で原油高!長期金利が30年ぶりの高さに、1,759円安
期限切れで原油高
30年ぶりの高さ
▽1,759円(2社で約半分)
水ソフトバンクグループが1日で10%超安!AI関連が総崩れ、2,134円安
売上高鈍化が報道
AI関連が急落
▽2,134円、ほぼ全面安
木アメリカが長期国債を買い戻す発表!金利が下がって890円高
買い戻しオペを増額
が低下
▲890円(戻りは23%)
金指数は200円安でも、海運が4.92%高!値上がり会社の方が多い1日
関連に資金集中
指数を押し下げ
▽200円(値上がり会社の方が多い)
国全体でものやサービスの値段がどれくらい上がったかを表す数字。物価が上がるスピードが速いと、日本銀行が金利を上げやすくなると考えられています。
今週のできごとQ. 水曜日、日経平均が2,134円も下がったいちばんの理由は?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
火・水と大きく下げたのに、木曜の反発はその下げ幅のわずか23%しか戻らなかった。しかも金曜は指数が下がったのに値上がりした会社の方が多い。何が起きているの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
上げも下げも「1〜2社」がつくった1週間
値がさ株のちから、光と影
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週はほぼ毎日、上げ下げの多くの部分をほんの1〜2社がつくっていました。月曜はアドバンテスト・キオクシア・ソフトバンクグループ・東京エレクトロンの4社で約625円、火曜はアドバンテストと東京エレクトロンの2社で約836円(下げ幅の約半分)、水曜はソフトバンクグループ1社で約485円・アドバンテストを足すと約687円(下げ幅の32%)、木曜はソフトバンクグループとファーストリテイリングの2社で約236円、金曜はファーストリテイリングとソフトバンクグループの2社で約329円押し下げ、逆にアドバンテストとキオクシアで約162円押し上げていました。5日間ずっと、同じような「値がさ株」の顔ぶれが、上げの主役にも下げの主役にもなっていたのです。
?なぜ同じ会社が上げにも下げにも出てくるの?
値がさ株――1株あたりの値段が高い会社のことです。日経平均は各社の株価をそのまま(調整のうえ)平均するしくみなので、値段の高いアドバンテスト・東京エレクトロン・ソフトバンクグループ・ファーストリテイリングのような会社が動くと、指数全体が大きく動きます。今週は半導体関連の好材料(月)、金利上昇(火)、AI関連の悪材料(水)、金利低下(木)、資源への物色(金)と、材料そのものは毎日違うのに、いつも値がさ株が指数を動かす主役になっていました。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の5日間で、この2つの成績を比べてみましょう。
前回号(8/10〜8/14)は日経平均のほうがTOPIXより強く上がりましたが、今週はその関係が入れかわり、日経平均のほうが0.8ポイント以上大きく下がりました。値がさの半導体・AI関連株(アドバンテスト、ソフトバンクグループなど)への売りが日経平均をより強く押し下げた一方、TOPIXは金曜の海運・資源株の値上がりなど市場全体の広がりに支えられ、傷が浅めで済んでいます。日経平均をTOPIXで割った「NT倍率」も、金曜には16.31倍から16.23倍へ下がりました。
火曜の原油高と水曜のAI関連報道、材料はそれぞれ違うのに、いずれも値がさの半導体・AI関連株という同じ場所に売りが集まりました。木曜の金利低下でいったん買い戻されたものの、値がさ株そのものはまだ戻っておらず、金曜は資源・海運という別の場所にお金が向かったため、指数はマイナスでも市場の中身は値上がり優勢というねじれが生まれています。
買い戻しオペ(かいもどしオペ)
国(この場合はアメリカ財務省)が、市場に出ている自国の国債を買い戻す取り引き。国債の需給が締まって値段が上がりやすくなり、金利は下がりやすくなる。
NT倍率(エヌティーばいりつ)
日経平均をTOPIXで割った数字。値がさ株の比重が増えるほど大きくなる。今週は金曜に16.31倍から16.23倍へ下がり、値がさ株への偏りがやや弱まったことを示した。
Q. 金曜日、日経平均は200円下がったのに、値上がりした会社の数の方が多かった理由を、「値がさ株」という言葉を使って50字くらいで説明してみよう。
指数がTOPIXよりどれだけ強く動いたかは、"NT倍率"という1つの数字で測れます。今週その数字はどう動いた? グラフで確認しよう。
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 値がさ株が上げも下げもつくった1週間
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
5日間の合計では日経平均−3.93%、TOPIX−3.10%と、日経平均のほうが大きく下げました。月曜時点では逆に日経平均が1ポイントほど優位でしたが、火曜以降、値がさの半導体・AI関連株への売りが日経平均をより強く押し下げ、木曜の反発でも差は縮まらず、週の終わりには約0.8ポイントTOPIXが優位という関係に入れかわっています。前回号(8/10〜8/14)は日経平均が終始TOPIXを上回っていましたが、今週はその関係が反対になりました。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。今週はアドバンテスト・ソフトバンクグループ・ファーストリテイリングなど値段の高い会社が、上げの日も下げの日も指数を強く動かした。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。今週は金曜の海運・資源株の値上がりなど、市場全体の広がりがTOPIXの下げをやわらげた。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は日経平均が−3.93%とTOPIX(−3.10%)より弱く、値がさ株に売りが集中した1週間だったことが、この差からも読み取れる。
前回号(8/10〜8/14)の最終営業日の記事では、17日発表の日本のGDP速報と19日のFOMC議事要旨に注目し、「値がさ株への資金集中がまだ続くのか」を次号の答え合わせとしていました。結果は、月曜のGDP速報でデフレーターが2.6%上昇したことをきっかけに値がさの半導体株への資金集中はいったん続きましたが、その物価上昇が金利上昇観測につながり、火曜以降はむしろ値がさ株が売られる側に回るという、予告とは逆の展開になりました。20日未明公表のFOMC議事要旨も追加の引き締めに触れる内容で、金利をめぐる警戒は週の後半まで続いています。
Q1今週、日経平均は−3.93%、TOPIXは−3.10%だった。この差が生まれた理由を、「値がさ株」「株価平均型」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2月曜は値がさ株の急伸で指数が上がり、水曜は同じ値がさ株の急落で指数が下がった。もしあなたが値がさ株に集中して買う長期投資家なら、今週のような1週間からどんな教訓を得るか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の月曜高から水曜急落、木曜のやや浅い反発、金曜のねじれも、GDP速報・中東情勢・オープンAIをめぐる報道・米財務省の買い戻しオペ・国内の物価指標という需給要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:GDPデフレーター/買い戻しオペ/NT倍率。
来週は26日発表の米PCEと4〜6月期GDP改定値、27日のエヌビディア決算、27〜29日のジャクソンホール会議に注目。値がさ株への売りがまだ続くのか、答え合わせは次号で。
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