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【2026/10/26~30】週間にっけい

きみは今日、どのフロアから読む?

どこから入っても、各フロアの最初に「1分おさらい」があるよ

週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版

2026年10月26日(月)〜10月30日(金)
① 今週のひとこと
🌦→☀→⛈3日はれて、
金曜に大雨
今週の日経の天気

月曜は少し下がり、火曜から木曜まで3日つづけて値上がり。でも金曜は1,369円安と大きく下がりました。週間ではおよそ597円(0.95%)の値上がり

日経平均にっけいへいきんは、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は、AI(人工知能)にかかわるニュースが毎日のように株を動かしました。月曜日は503円安。火曜日はアメリカのAIの会社が株を売り出す準備を始めたと伝わり1,078円高。水曜日は韓国の半導体の会社の決算が良くて686円高、木曜日も705円高と3日つづけて上がりました。ところが金曜日は、アメリカの大きなIT企業の決算が期待にとどかず、1,369円安。1週間の合計ではおよそ597円(0.95%)値上がりしました。でも、もうひとつの物差ものさし「TOPIX」は週間でほとんど変わらず(0.02%の値下がり)。同じ1週間でも、物差しによって見え方がちがった週でした。

先週の終わり(10/23)
62,693円
➜
今週の終わり(10/30)
63,290円
▲ 597円あがった(約0.95%)
② 今週のグラフ

👇グラフの日づけの まるを タップしてみてね!その日に なにが あったのか、お話が でてくるよ

65,00064,00063,00062,000 先週末 月 🌦 火 ☀ 水 🌤 木 🌤 金 ⛈
まだ なにも えらんでいないよ
上のグラフの まる(先週末・月・火…)を タップすると、ここに その日のお話が でてくるよ。

💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおのまるだよ。

③ なにがあったの?

月原油が高くなり、日経平均は503円安

中東という地域で争いへの心配が強まり、原油げんゆ(ガソリンなどの元になる油)の値段が上がりました。すると「ものの値段が上がりつづけるかも」という心配から、半導体の株が売られました。アドバンテストと東京エレクトロンの2社だけで、日経平均を約449円おし下げ、503円安の6万2189円。3日つづけての下落です。いっぽう、資源をほる会社(鉱業)は4.58%上がり、商社にもお金が集まりました。TOPIXは少し上がっています。
中東の心配で
原油が高くなる
➜
半導体の株は売られ
資源や商社は買われる
➜
日経平均
▼503円、TOPIXは上昇

火AIの会社の「株の売り出し」準備で1,078円高

アメリカのAIを作る会社「アンソロピック」が、自分の会社の株を初めて売り出すための書類(新規株式公開しんきかぶしきこうかいの準備)を出しました。「AIの会社もお金を集められそうだ」と安心が広がり、日本でも半導体の株が買われました。アドバンテスト1社だけで日経平均を約601円おし上げ、1,078円高の6万3268円。4日ぶりの値上がりです。でも、東証プライムでは値下がりした株(798)のほうが、値上がりした株(704)より多かったんだ。
アメリカのAIの会社が
株の売り出しを準備
➜
AIへの安心が広がり
半導体の株が買われる
➜
日経平均
▲1,078円、4日ぶりに上昇

水韓国の半導体の会社の好決算で686円高

韓国の半導体の会社「SKハイニックス」の決算けっさん(会社の成績表)がとても良く、アジアじゅうでAIや半導体の株が買われました。日経平均は686円高の6万3954円。お昼すぎには6万4000円をこえる場面もありました。ところが、東証プライムの株の約7割は値下がりし、TOPIXは少し下がっています。上がったのは一部の株だけだったんだね。この日の取引が終わったあと、アドバンテストは上方修正(もうけの見通しを上に直すこと)を発表しました。
韓国の半導体の会社の
成績がとても良い
➜
日本でも半導体の
株だけが買われる
➜
日経平均
▲686円、TOPIXは下落

木アドバンテスト1社で453円。705円高で3日つづけて上昇

アメリカの中央銀行が金利きんり(お金を借りるときのお礼の割合)を変えないと決め、アメリカの半導体の株が買われました。日本では、前の日に上方修正を発表したアドバンテスト1社だけで日経平均を453円おし上げ、705円高の6万4659円。3日つづけての値上がりです。業種でいちばん上がったのは、銀行(2.54%高)でした。
アメリカの金利は
そのまま
➜
上方修正の
アドバンテストが買われる
➜
日経平均
▲705円、3日つづけて上昇

金1,369円安。でも値上がりした株のほうが多かった

アメリカの大きなIT企業「アルファベット」と「アマゾン」の決算が、期待にとどかない部分がありました。「AIにたくさんお金を使って、ちゃんともうかるの?」という心配が広がり、半導体の株が大きく売られました。日経平均は一時1,900円をこえる下げとなり、終わりは1,369円安の6万3290円。おし下げた上位5社だけで約1,265円分です。それでも東証プライムでは、値上がりした株(807)のほうが値下がりした株(714)より多く、飛行機の会社(空運業)は5.12%上がりました。この日、日本銀行は金利を変えないと決めています。
アメリカのIT企業の
決算が期待にとどかない
➜
AIへの心配から
半導体の株が売られる
➜
日経平均
▼1,369円、4日ぶりに下落
④ 今週のことば
上方修正じょうほうしゅうせい

会社が「今年はこれくらいもうかりそう」と前に発表していた見通しを、「もっともうかりそう」と上に直すことです。反対に、下に直すことは「下方修正(かほうしゅうせい)」といいます。上方修正は良い知らせなので株が買われることが多いですが、いつもそうなるとはかぎりません。

🔎 水曜日の夕方にアドバンテストが上方修正を発表し、木曜日はこの1社だけで日経平均を453円おし上げました。でも同じ木曜日、上方修正を発表した日立製作所の株は9.7%下がっています。金曜日も、もうけの見通しを上に直した村田製作所の株が下がりました。良い知らせでも、株の動きは1つに決まらないんだね。
⑤ クイズにちょうせん!

今週のできごとQ. 金曜日、日経平均は1,369円も下がったけれど、33業種の中でいちばん大きく上がった業種があったよ。それはどれ?

こたえ:空運業(飛行機の会社)! 金曜日、空運業は5.12%上がって、33業種の中でいちばんの上昇でした。2番目は海運業(船の会社)の3.94%高。半導体から、くらしに近い国内の会社へお金が動いたんだ。反対に、電気機器は3.78%下がり、銀行業も0.90%下がっています。日経平均が大きく下がった日でも、上がる業種はあるんだね。

○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!

今週のできごと1. 今週、日経平均は火曜日から木曜日まで、3日つづけて値上がりした。 こたえは○。火曜日は1,078円高、水曜日は686円高、木曜日は705円高と、3日つづけて値上がりしたよ。
市場動向2. 水曜日は、日経平均もTOPIXも、そろって値上がりした。 こたえは×。日経平均は686円上がったけれど、TOPIXは5.66ポイント下がったんだ。東証プライムの約7割の株が値下がりしていて、上がったのは半導体などの一部の株だけだったよ。
DEEP DIVE

今週、日経平均は0.95%上がったのに、TOPIXはほとんど変わらなかった(0.02%の下げ)。同じ1週間なのに、どうしてこんなに差がついたの?

▶ AIに「お金を出す側」が試された1週間▶ 日経平均とTOPIXの成績がちがったわけ

ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)

STEP 2 ── ふかよみ

AI投資に「お金を出す側」が試された5日間
3連騰のあとの1,369円安

ここから漢字が増えます(難読語なんどくご・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。

1分おさらい ── ここまでの話 今週(10/26〜10/30)は5営業日。日経平均は月曜が原油高と半導体株安で503円安、火曜は米アンソロピックの上場申請を受けて1,078円高、水曜は韓国SKハイニックスの好決算で686円高、木曜はアドバンテストの上方修正で705円高と3日続伸。金曜は米大型IT企業の決算が期待に届かず1,369円安でした。週間でおよそ597円(0.95%)の値上がりです。一方、TOPIXの週間の騰落は0.74ポイント安(0.02%安)で、ほぼ横ばいでした。
DEEP-1 AIに「お金を出す側」の数字が相場を動かした

今週の値動きの中心にあったのは、「AIへの巨額の投資は、本当に回収できるのか」という問いでした。火曜は、米国のAI開発企業アンソロピックが新規株式公開しんきかぶしきこうかい(IPO)の目論見書もくろみしょを公表し、AI関連企業の資金調達への不安が和らぎました。水曜は韓国SKハイニックスの好決算がアジアの半導体株全体を押し上げ、その日の引け後にはアドバンテストが今期予想の上方修正と自社株買いを発表。木曜は米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を3.75〜4.00%に据え置き、アドバンテスト1銘柄で453円を押し上げました。

流れが変わったのは金曜です。28日の引け後に発表されたアルファベットの決算は予想を下回り、29日の米国市場で同社株は12.29%安。アマゾンも10〜12月の見通しが予想に届きませんでした。一方で、米国の7〜9月期のGDP(国内総生産)速報値は年率プラス3.4%と強く、出典記事は「問われているのは景気ではなく個々の企業の投資回収」と整理しています。

?上方修正を発表した会社の株が、なぜ下がることがあるの?

木曜は、28日に通期予想を上方修正した日立製作所が9.7%安、金曜は通期の純利益予想を17%引き上げた村田製作所が532円安でした。出典記事は金曜の動きを「決算の中身にかかわらず一方向へ振れている」と表現しています。株価はすでに「良い決算」をある程度織り込んで動いていることが多く、発表の内容が期待をどれだけ上回ったか、そしてその日の市場全体の気分(リスクを取りたいか避けたいか)によって、反応は大きく変わります。

DEEP-2 もうひとつの"ものさし"TOPIXとの比べっこ

日経平均のほかに、プロが必ず見る指数しすう(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄ぜんめいがらを、時価総額じかそうがくで重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。

日経平均(週間)
+0.95%
TOPIX(週間)
-0.02%

週間で日経平均は+0.95%、TOPIXは-0.02%と、向きまで逆になりました。日ごとに見ると、月曜は日経平均-0.80%に対してTOPIX+0.18%、水曜は日経平均+1.08%に対してTOPIX-0.14%と、2日も向きが逆でした。火曜(日経平均+1.73%、TOPIX+0.61%)と木曜(+1.10%と+0.29%)は同じ向きでも、日経平均の上げがTOPIXの3倍前後。金曜は日経平均-2.12%に対してTOPIX-0.95%でした。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約15.81倍から、金曜には約15.96倍へ上がりました。

DEEP-3 因果の鎖を1段くわしく(金曜日)
アルファベットとアマゾンの決算が期待に届かない部分あり
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「AI投資は稼ぎに結びつくのか」という疑いが半導体の川上まで広がる
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非鉄金属・電気機器・ガラス土石など半導体の製造に連なる業種が下落
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押し下げ上位5銘柄で約1,265円、指数は1,369円安

金曜の下落率上位は非鉄金属(5.82%安)、電気機器(3.78%安)、ガラス・土石製品(3.36%安)。インテル向けの比重が大きいイビデンは1,500円安でストップ安でした。押し下げ上位5銘柄はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、イビデン、TDKで合計約1,265円。それでも33業種のうち16業種は上昇し、空運業5.12%高、海運業3.94%高、陸運業2.45%高と、資金は内需へ移りました。値動きの荒さを示す日経VI(ボラティリティー・インデックス)は33.82へ31%上昇しています。

DEEP-4 今週のことば(2つ)
新規株式公開(しんきかぶしきこうかい)

英語の頭文字でIPOともいう。それまで限られた人だけが持っていた会社の株を、初めて証券取引所で誰でも売買できるようにすること。会社は多くの投資家から資金を集められる。今週は火曜に、米AI開発企業アンソロピックが新規株式公開の目論見書を公表し、AI関連企業の資金調達への不安が和らいだ。

ETF(上場投資信託)

日経平均やTOPIXなどの指数に連動するように作られ、株と同じように取引所で売買できる投資信託。日本銀行は過去に大量のETFを買い入れてきた。金曜の金融政策決定会合では、政策金利の据え置きとあわせて、ETFの売却額を年約3,300億円から約8,600億円へ増やすことを決めた。

DEEP-5 書いてみよう(50字チャレンジ)

Q. 今週、日経平均は0.95%上がったのに、TOPIXは0.02%の下げでほぼ横ばいだった。この理由を50字くらいで説明してみよう。

解答例:「値段の高いアドバンテストなど一部の半導体株が大きく上がって日経平均を押し上げたが、市場全体の株はあまり上がらなかったから。」(約60字)──「一部の値がさ株」と「市場全体」の対比が入っていればOK。火曜にアドバンテスト1銘柄で約601円を押し上げたことや、水曜に東証プライムの約7割が値下がりしたことにふれても正解。
FINAL DIVE

2本の線を重ねると、日経平均とTOPIXの差は木曜日に2ポイント以上まで開いた。その差は金曜日にどうなった?

▶ 2本の線でわかる木曜の差▶ 先週の予告は当たった?答え合わせ

データとグラフで読む、いちばん深いフロアです

STEP 3 ── じっせん

指数の構造 ── 値がさ半導体株が開いた「2ポイントの乖離」

最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離かいりが生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。

1分おさらい ── ここまでの結論 週間で日経平均は+0.95%、TOPIXは-0.02%と向きが逆。月曜(-0.80%と+0.18%)と水曜(+1.08%と-0.14%)は日次でも逆向き、火曜と木曜は日経平均の上げがTOPIXの約3倍、金曜は日経平均の下げがTOPIXの2倍超だった。NT倍率は約15.81倍から約15.96倍へ上昇した。ここからは、その裏にある計算構造と、先週の予告との答え合わせへ。
F-1週間チャート ── 先週末を100とした比較
日経平均TOPIX
10410310210199 100 乖離 約2.2pt (木曜が最大) 100.9599.98 10/2310/2610/2710/2810/2910/30

月曜は日経平均が99.20へ下げた一方、TOPIXは100.18と先週末を上回り、2本の線は逆方向に分かれました。火曜はそろって上げ(100.92と100.80)、水曜は日経平均だけが102.01へ上がってTOPIXは100.65へ下げ、再び逆向きに。木曜は日経平均103.14、TOPIX100.94で差は約2.2ポイントと今週最大になりました。金曜は日経平均が100.95へ大きく沈み、TOPIXは99.98と先週末をわずかに下回って、差は約1.0ポイントに縮んで週を終えています。

F-2仕組み ── 2つの指数の計算方法
なぜ「レンズ」で見え方が変わるのか
日経平均株価
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。火曜はアドバンテスト1銘柄で約601円と、上げ幅1,078円の半分超。木曜もアドバンテスト1銘柄で453円を押し上げた。逆に金曜は押し下げ上位5銘柄で約1,265円と、下げ幅1,369円の9割超を占めた。
TOPIX
時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。水曜は値下がりが1,096銘柄(全体の70.5%)に広がり、日経平均が+1.08%の日に-0.14%と反落した。月曜は値上がり818銘柄が値下がり686銘柄を上回り、鉱業や商社の上昇で+0.18%となった。

プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏かたよっているのか市場全体に広がっているのかを診断しんだんする。今週は火曜・水曜・木曜の上げが「値がさの半導体株に偏った上げ」、金曜が「値がさ株に偏った下げ(値上がり807銘柄が値下がり714銘柄を上回った)」の典型例だった。NT倍率が1週間で約0.15倍上がったことは、週全体として値がさの半導体株に資金が集まっていたことを示している。

F-3先週の予告は当たった? ── 答え合わせ

前回号(10/19〜10/23)では、「27〜28日のFOMC、29日の米7〜9月期GDP速報値と9月の個人消費支出価格指数、アルファベット・マイクロソフト・アマゾンの決算、30日の日銀会合。週明け26日に日経平均が金曜の安値6万1462円を下回らずに始まれるか、2.8%を割った長期金利がどう動くか」に注目としていました。結果は、FOMCは政策金利を3.75〜4.00%に据え置き、日銀も30日に据え置きを決めたうえでETFの売却額の増額を決めました。米GDP速報値は年率プラス3.4%と強い内容でした。アルファベットは予想を下回る決算で29日に12.29%安、アマゾンは10〜12月の見通しが予想に届かず、これが金曜の大幅安につながりました(マイクロソフトの決算の中身と、9月の個人消費支出価格指数の結果は出典記事に詳しい記載がありません)。26日の日経平均は6万2449円で始まり、安値6万1462円は下回りませんでした。長期金利(10年物)は26日に2.770%と2.8%を割ったままでしたが、28日に2.825%と2.8%台へ戻り、日銀の据え置き後の30日には2.756%へ再び低下しています。

F-4考察問題 ── 正解のない問いへ

Q1水曜は日経平均+1.08%に対してTOPIX-0.14%と逆向きだった。一方、金曜は日経平均-2.12%に対してTOPIX-0.95%で、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回った。この2日に共通する構造を、「値がさ株」「時価総額加重型」「寄与度」という語を使って150字程度で説明せよ。

水曜はアドバンテストや東京エレクトロンなど値がさの半導体株が寄与度の上位を占めて日経平均を押し上げたが、プライムの70.5%が値下がりしたため、時価総額加重型のTOPIXは下げたこと。金曜は同じ値がさ株が押し下げ上位5銘柄で約1,265円と下げを主導した一方、市場全体では値上がりが過半で、TOPIXの下げは小さくとどまったこと──上げでも下げでも「少数の値がさ株が日経平均を大きく動かした」点が共通していると書ければ合格。DEEP-2・DEEP-3・F-2の内容を膨らませればよい。

Q2今週、国内の長期金利(10年物国債の利回り)は火曜に2.782%へ上がり、不動産業は3.09%安と下落率首位、銀行業は2.26%高だった。ところが木曜は、長期金利がほぼ横ばい(2.829%)の中で銀行業が2.54%高と上昇率首位になった。銀行株の動きを決めるのは金利だけなのか、根拠とともに述べよ(正解はない)。

材料①:出典記事は火曜の業種の並びについて「借り入れの重い不動産業には逆風、利ざやの広がる銀行業には追い風」と、金利で説明している。材料②:木曜の銀行業の上昇は「金利が理由ではなく、10月に入って上値の重かった金融株に戻りの買いが入った」と説明されている。材料③:金曜は日銀の据え置き後に長期金利が2.756%へ低下し、銀行業は0.90%安、不動産業は1.46%高と、再び金利で説明しやすい並びに戻った。材料④:月曜は長期金利が下がる中でも銀行業は0.20%高と小幅な上昇にとどまった。「金利が上がれば銀行高」という公式は目安にはなるが、それまでの値動き(出遅れの買い戻し)や金融政策への見方で効き方は変わる。毎日の業種の並びを確かめる姿勢が大切。
F-5市場に単一の説明はない

本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の原油高による下げから、AI企業の上場申請と半導体の好決算による3日続伸、そして米大型IT企業の決算をきっかけにした大幅安までを一本の筋で語ることはできても、そこには中東情勢と原油・米国の企業決算とAI投資の回収への見方・日米の金融政策・国内の長期金利・為替・指数の計算方法・TOPIXの構成銘柄入れ替えに伴う売買という要因が複雑に絡からみ合っており、事後じごにすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑うたがう姿勢そのものが、市場リテラシーの核心かくしんである。市場に単一の説明はない。

本紙は金融・経済の学習を目的とした教材であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
出典:TBL Advisory「日経平均の概況と投資戦略」2026年10月26日・27日・28日・29日・30日の各号をもとに再構成。TOPIXの週間騰落率は各日の終値から算出。
© 週刊にっけい 統合版

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