Apple: AAPL アップル

全体のサマリー

iPhone、iPad、サービスの収益はすべてアナリストの予想を上回る

Appleが木曜日に発表した第3四半期の財務報告で、ウォール街の予想を上回る結果を示し、全体の収益が5%増加しました。Appleの株価は時間外取引で上昇しました。Appleの2024年第二四半期の業績は、全体的な売上と利益の増加にもかかわらず、いくつかの地域市場や製品カテゴリでの課題に直面しています。特に中国市場でのシェア低下が目立ちますが、サービス部門の成長やAIへの投資が今後の成長を支える重要な要素となっています。

決算結果の詳細

|| 業績の総括

売上は前年同期比5%増の857.8億ドルに達し、純利益は214.5億ドルでした。主力製品であるiPhoneの収益は1%減少し、393億ドルとなりましたが、これは全体の売上の約46%を占めています。一方、サービス部門は前年比14%増の242.1億ドルに達し、Appleの成長を支える重要な収益源となっています。

|| iPhoneの中国市場でのシェア低下

Appleは中国のスマートフォン市場でシェアを失い、トップ5から外れました。第二四半期の売上シェアは15.5%で、前年同期の17.4%から減少しました。これに対し、中国市場全体のスマートフォン出荷量は前年比6%増加しました。

||地域別売上の変動

大中華圏の売上は前年同期比6%減の14.7億ドルとなりました。これは、Huaweiなどの地元競合がシェアを拡大したことが影響しています。全体として、AppleのiPhone、iPad、Macの売上は予想を上回りました。

ジョンの投資判断と注意点

🔴 判断

投資家はAppleに対して買い目線を維持すべきか？　いいえ、少し休憩しましょう。

Appleはまだまだ世界一のポテンシャルを持つ会社です。しかし、最近の行動にはいくつかの懸念があると認めざるをえません。もちろん、注目すべき理由についてもしっかり抑えながらリスクについて分析します。

🔴 注目すべき理由

1.AIへの強力な投資と新機能の投入:

- Appleは今秋に「Apple Intelligence」をリリースし、AI機能を強化します。これにより、ユーザーの買い替え需要が喚起されることが期待されています

2.サービス部門の成長：

サービス部門の売上は14%増加しており、今後も同様の成長が見込まれています。これは、Appleの収益の安定化に寄与します。

3. レガシーの揺るぎない基盤:

- 同社は各地域で過去最多のアクティブデバイスを持っていると発表しました。これは、収益性の高いサービスを販売する既存の顧客ベースを拡大する重要な指標です。Appleは2月に22億台のアクティブデバイスを持っていると述べ、さらに10億件の有料サブスクリプションを持っていることも明らかにしました。

4.iPhone以外の製品の拡大:

iPadの売上は前年比24%増加し、新規顧客の割合が高いことが示されています。これにより、市場の飽和がまだ遠いことが分かります。
iPad収益：71.6億ドル（予想：66.1億ドル）

🔴 注意点とリスク

中国でのシェアが減少することに対して素早く対策を打ち、回復を測るなど、経営判断の早さや的確さは流石といえますが、その点が逆に弱点になっているのではないでしょうか？

1.iPhoneの中国市場でのシェア低下に対して大規模な割引実施:

Appleは中国のスマートフォン市場でシェアを失い、トップ5から外れました。第二四半期の売上シェアは15.5%で、前年同期の17.4%から減少しました。これに対し、中国市場全体のスマートフォン出荷量は前年比6%増加しました。
シェア回復のために大幅な割引を実施、成功を収めるも、機種間の差別化が難しくなっている現状において、値引きはアップルのブランド価値を損傷しかねない

2.新技術の遅れ:

「Apple Intelligence」の一部の機能のリリースが遅れており、これが短期的な売上増加に影響を与える可能性があります。
「Apple Intelligence」は独自の機能とはいえず、ChatGPTの機能を搭載することにより生成AI部門においては出遅れているという印象を拭うことができていない

3.競争の激化:

HuaweiやXiaomiなどの競合がAppleの市場シェアを奪っており、上述したとおり中国市場での競争が激化しています。市場シェアを急拡大させたHuaweiが米国の制裁にもかかわらず、独自技術で製造を可能にしたということは意識すべき競争要因となります。

4.ハイテク株全体のオーバーヒート:

最近のハイテク株の課題評価に対する懸念が広がっており、これがAppleの株価に影響を与える可能性があります。テクニカル的な面も必ずチェックすることが必要です

まとめて、結論

当分離れて、長期的には戻りましょう。恋人の間でも少し離れてみる時間が必要な場合もあるでしょう。Apple株は、AIへの強力な投資とサービス部門の成長を背景に、依然として魅力的な投資対象と言えます。中国市場でのシェア低下や競争激化といったリスク要因を考慮する必要がありますが、長期的な成長ポテンシャルを評価するならば、中期的な株価下落は下げ切ったことを確認してからの購入の好機になると言えます。

少し冷静になるけど、忘れないでね、そんな感覚で付き合いたいのがAppleの株。多角化された製品ラインとサービス部門の強さを評価しつつ、テクニカル的には中期的な下げトレンドであることも考慮に入れましょう。

決算の解説が理解できなかったら？

恥ずかしいと思う必要は全くありません。そもそも決算発表内容自体が初心者には難しいものです。あせらず、恥ずかしがらず、何回も読み直してみてください。TBLアカデミーには企業分析、ファンダメンタルズ分析の専門家でもあるジョンが解説したテキスト、動画が豊富にそろっています。

この記事が世界一やさしく投資を教えるジョンが執筆、作成しました。最後まで読んでくださいましてありがとうございます。

最後にもう一言。この記事は買いを推奨、強要するものではありません。投資はあくまで自己責任で、最終判断も自分で行うことを忘れないでください。

それではみなさま、ますます幸せになってください。