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日経平均の見通しと投資戦略【2026年7月29日】

【市場の見通し】

2026年7月29日の東京株式市場は、小幅に反発して始まりそうです。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物9月限は日中清算値比20円高の6万2420円で取引を終えました。28日時点で25日移動平均線からの下方乖離が8%を超えており、テクニカル面の売られ過ぎは明らかですが、そこから素直に反発できるかどうかは半導体株の下げ止まりを確認できるかにかかっています。

為替は、ドル円が午前8時30分時点で1ドル=163円84銭前後と前日より6銭のドル高・円安、ユーロ円は1ユーロ=186円54銭前後と40銭ほどの円安で推移しています。円安は輸出関連の採算を支える方向に働きますが、前日の下落が為替とは無関係な半導体主導のものだったため、本日も為替が相場の主役になる可能性は低いところです。需給面では、本日が7月末を権利確定日とする配当と株主優待の権利付き最終売買日にあたり、権利取りを狙った買いが下値を支える一方、権利落ち後を見越した売りも同時に出やすくなります。加えて日本時間30日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表、30日から31日の日銀金融政策決定会合と、週後半に日程が詰まっています。28日に発生した熊本県を震源とする地震の影響も残り、半導体受託生産の熊本工場が段階的に操業を再開する一方で、液晶向けフィルムを手掛ける化学メーカーの熊本工場は停止が続いており、部材の供給網に関する材料が個別に出てくる可能性があります。

米国市場はダウとS&P500が上昇する一方、SOX指数は4.49%安と半導体だけが売られました

28日の米国市場は、ダウ工業株30種平均が前営業日比537ドル24セント高の5万2747ドル32セントと続伸し、S&P500も15.60ポイント高の7428.78と上昇しました。一方でナスダック総合指数は55.17ポイント安の2万4876.91と5日続落し、SOX指数は519.20ポイント安の1万1035.68まで4.49%下落しています。上げた指数と下げた指数が同じ日に並んだ理由は、中東情勢の緊張が緩んだことでWTI先物が3.41ドル安の79.20ドルまで2日続落し、インフレ警戒の後退が生活必需品やヘルスケア、素材といった半導体以外の広い範囲に買いを呼び込んだ点にあります。象徴的なのは、時価総額の大きさで加重しないS&P500の均等加重指数が過去最高値を更新したことです。500銘柄を同じ重みで見れば米国株は最高値圏にあり、時価総額加重の指数が伸び悩んでいるのは、大きな比重を持つ半導体が下げているからだという構図がはっきり表れました。7月の米消費者信頼感指数が90.8まで低下し、10年物国債の利回りが4.60%台へ小幅に低下したことも、景気敏感より内需・ディフェンシブへ資金を向かわせる方向に働いています。

個別ではAMDが8.15%安と大きく崩れ、インテルやマイクロン・テクノロジー、サンディスクも軒並み下げました。光学部材のコーニングは7~9月期の売上見通しが市場の期待に届かず12.10%安と急落しており、半導体本体だけでなく周辺の部材にまで売りが広がっています。その一方でアップルは0.94%高で最高値を更新し、時価総額が一時5兆ドルを超えました。マイクロソフトが1.09%高、アルファベットが2.19%高、エヌビディアも0.25%高と小幅ながら上昇しており、大型プラットフォーム株そのものが売られているわけではありません。売られているのは製造設備の重さを抱えた半導体と、その供給網に連なる部材メーカーという限られた領域です。東京市場では指数寄与度の大きい値がさ半導体株がこの流れを受ける一方、内需・ディフェンシブや輸送用機器には米国と同じ資金の回り方が現れる可能性があります。指数の騰落だけを見て強弱を判断すると、前日の米国市場で実際に起きたことを取り違えます。

【本日の投資戦略】

本日の焦点は、国内の決算とFOMCの結果待ちが重なる一日をどう過ごすかです。国内ではアドバンテストとソシオネクストという半導体の中核2社が決算を発表し、日立製作所、NEC、コマツ、東京電力ホールディングス、野村ホールディングスも続きます。とくにアドバンテストは日経平均への寄与度が最も大きい銘柄のひとつで、内容と会社側の見通しが指数の振れ幅をそのまま決めます。海外では米国時間の引け後にマイクロソフトが決算を発表し、クアルコムとラム・リサーチも続きます。マイクロソフトが示すデータセンター向け投資の計画は、ここ数日売られ続けている半導体の需要側からの答えにあたるため、本日の東京市場は明日以降の材料を待つ時間帯という性格が強くなります。FOMCの結果公表は日本時間30日午前3時、議長会見は午前3時30分の予定で、政策金利の据え置きが中心シナリオである以上、市場が見るのは声明文と会見の中身です。7月の月例経済報告の公表もありますが、相場を動かす材料にはなりにくいところです。

本日の相場を組み立てるうえで最も見ておくべきは、オプション市場が織り込む振れ幅の変化です。日経平均の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(日経VI)は、28日に8.73ポイント上昇して41.14となりました。前日の32.41から一日で26.94%も跳ね上がった水準です。41という数字は年率で表されているため、1営業日あたりに直すと約2.6%になります。28日の終値6万2364円92銭に当てはめれば、市場は1日で上下1600円程度動く可能性を織り込んでいるということです。冒頭で示した2000円超の予想レンジは、この織り込みから逆算した数字でもあります。実際に権利行使価格の関心も27日にはコール・プットともに6万5000円だったものが、28日にはコール6万3000円、プット6万2000円へと一気に下方へ移りました。ここから読めるのは、方向を当てにいく相場ではなくなったという一点です。上下どちらに賭けても、想定と逆に動いたときの一日の損失が平常時の2倍近くになる局面に入っています。なお28日の東証の空売り比率は35.1%で、24日の43.8%、27日の37.7%から3営業日続けて低下しました。売り方が積極的に売り増している段階ではなく、振れ幅だけが膨らんでいる状態だと押さえておくべきです。

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